39 メイズの負傷、そして…。
以外に話が伸びる事が判明。もう少しこのお話にお付き合いください。
「おいおい、なんて魔力だよ。」
ルートフォーは、メイズから吹き上がる魔力を見て、額に汗を滲ませていた。
しかし、余裕ではあった。
メイズの馬鹿みたいな魔力を捌く自信もあったし、何よりルートフォーは、兄ルートワンにはないスキルがあった。
戦闘経験のない、幼いメイズに力押し程度で負ける事は無いと思っていた。
「まっ、お父ちゃん殺されたくなかったら、俺に勝つんだな。」
ルートフォーは、メイズに向かって指を突き出した。
「っ!」
メイズは横にずれる。
ルートフォーの指から魔力の閃光が走ったからだが、メイズの無意識化で放出されている魔力を突き抜けてきたのだ。
メイズが初めて、相手の攻撃を避けさせられたのだ。
それどころか、メイズの頬に赤い線ができる。
メイズの意識下での防御までも抜けてきたことになる。
「おいおい、そんな程度なのか?じゃあ、すぐ死んじまうな。」
ルートフォーは、一歩一歩余裕を持ってメイズに近づいてきた。
「メイズっ!!」
瞬間、エンジの炎がルートフォーを襲う。ルートフォーは後ろに跳んで、その炎を躱す。
その位置は意図したものではないが、最初の場所に戻っていた。
「メイズ、無事かよ。」
「……あの人、強いよ。」
「あん、っ!!」
エンジは初めて傷を負ったメイズがビビッて動けなくなっているのではないかと、背後に匿いながら話しかける。
しかし、俯いていたメイズがそういいながら、顔を上げた。
相変わらず何処かズレタ発言のメイズに振り向き、息を呑んだ。
メイズの眼が爛々と流れ出す血の様に真赤になっていたのだ。
「おっ、おいメイズ…。」
「どいて、エンジ。」
簡潔に言い、退く前にエンジを押して強制的に退かせ、メイズは一歩一歩ルートフォーに近づく。
奇しくもそれは、先ほどのルートフォーの様だった。
「おいおい、何があったんだ?」
ルートフォーもメイズの様子に混乱しているようで、メイズに肩をすくめながら、聞いてくる。
ただ、メイズは答えず、腕をルートフォーに向けて、突き出した。
今までのメイズでは考えられない、いや、今までのと比べても極太の魔力光が突き進んだ。
「なっ!!」
ルートフォーは慌てて、今立っている場所から右側へと回避行動に移る。
メイズの腕も、ルートフォーを追いかけた。
「おいおい、減衰してねえじゃねえか。」
冷や汗を流しながら、今閃光が通った場所を見る。
さっきまであった小さな花崗岩の欠片や小石など、完全に消滅していたのだ。
吸性、魔力を吸収する物質がである。
魔力というのは、外に放出すると自然と解れて消えていく。威力が落ちるのだ。
しかし、今メイズが放った砲撃はほとんど残っていた。
いや、その様に見えたのだ。
この魔法の法則は、例えメイズと言えども無視はできなかった。
なら、話は簡単だ。必要な威力を残せるだけの魔力を最初に込めればいい。
メイズが傷つけられた、ルートフォーの魔法砲撃の応用で、メイズの巨大すぎる魔力を一点に集めて打ったのだった。
「くすくすくす、ちゃんと避けたね。もうちょっと遊ぼうよ。」
メイズの様子はおかしいままだった。
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