20 町人の反撃、吹き飛ぶ門。
「おい、あれ何だ?」
「うん?…黒い影?」
「…違う。魔物だ。影の魔物の大群だぁっ!!」
実はカオスシャドウ達、魔王達が用意した魔物の大群に最初に気付いたのは、西門の上で戦況を見守りつつ、哨戒していた冒険者であった。
直ぐに哨戒をしていた冒険者は危険を知らせる鐘をならした。その他の冒険者達が西門の扉を閉める。いまでこそ町の入口の一つであったが、元々は城門であり城壁であるその門はそう易々とは破られることはなかった。
冒険者達は城壁だった塀の上から矢や砲撃魔法で攻撃をする。しかし、矢は擦り抜け、魔法は当たっているものの、根本的に魔力不足であった。次第に城門であった大きな門が破れかける。瞬間、門が外側に向かって弾けた。
冒険者と聞いて、あなたは彼らの力量がどれ位だと思うか。一般的には魔物を相手に大暴れする荒くれ者。一般人とは隔絶した実力の持ち主と思っている人が多いはず。
大体は当たっている。彼らは人と言う種族よりも格上の相手と日夜、死闘を演じているのだ。そんじょそこ等の実力では生きてはいけない。
では、そんな冒険者相手に商売をする人々の力量はどれ位だと思うか?実は下手をすれば冒険者よりも遥かに高い実力者がゴロゴロと存在した。この最初の町限定等と言うなかれ。確かにメイズ等、特殊な立場の者達もいる。破られかけた門を内側から破壊したのも彼だが、それでも、強者はいた。
メイズの魔法攻撃によって半壊した影の魔物軍団に跳び込む者がいた。両手に日本刀に似た長刀剣と呼ばれる武器を握り、魔物を次々と切り殺す。
「今宵の経脇は血に飢えてるぞ。」
根本的に朝だし、勇者側の援軍の筈なのに怖いことを言う彼は武器屋の主人であった。彼は元々冒険者であった。しかし、ある時後生一本と決めていた自身の剣が折れてしまった。名工に頼み込み、何とか修復してもらおうとするも、どんな名工でも無理だと言われてしまった。そこで彼は自分で治してしまおうと考えた。一人の名工に弟子入りをし、自身の腕を鍛えている所に、その腕を見込まれ武器屋の親父に収まった経歴の持ち主だ。
「必殺、『ボールヒット』、まだまだ、あんた達これをくらいなぁ。目玉返し。」
また、隣で恰幅のいい女性がお玉とフライ返しを持ち戦っている。まぁ、誰かは言わなくても判ると思うが、宿屋《魔王城》の女将であった。彼女は大した経歴を持っているわけではない。しかし、日夜メイズという魔王と暮らしているのだ。高密度の魔力に晒されている体は、耐えられるように進化していた。 別に必殺技でもないのに勢いだけで叫んでいる。後でこの時を振り返り、恥辱に身を震わせるに違いない。
彼らを筆頭に、冒険者相手に商売を行っている者達が援軍として現れた。
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