18 出撃、シャランとジャナサン。
「うむ、世話になったな。」
「もう少し休んでいても罰は当たりませんよ。シャランさん。」
「いや、なに、これ以上寝ていると本当にベットから離れられなくなりそうでな。」
シャランは礼だけ言うと、代金を払い出て行こうとする。メイズは一声掛けるも、本当に一声だけ返して、出て行ってしまった。
「ふう…、頼ってくれてもいいのになぁ。」
思わず口から洩れたメイズの本音。それを聞いていた宿屋《魔王城》の従業員はニンマリと笑っていた。
「おや、シャランさんはもう行っちまったのかい?」
「あっ、女将さん。はい、今出て行かれました。」
「なら、準備しないとね。ほらメイズもグズグズするんじゃないよ。」
「へっ?」
メイズの背中を押して、女将は裏に行ってしまった。
シャランは、ギルドにて討伐隊の編成をしている副ギルド長に面会を求めていた。しかし中々捕まらず、受付嬢と口論になっていた。
「…だから、有象無象の者達を集めても、唯数を集めるだけじゃ駄目なんだよ。」
「しかし、王国政府が決めたことですから。」
この手の文句は何度か聞いているのか、定型的な文句で返される。それがまたシャランの平静を奪い、シャランが再び口を開こうとしたとき。
「シャランさん!!来ていらしたんですか!?」
副ギルド長が出てきて、シャランに声を掛けてきた。
「副ギルド長!!」
「まずは無事でよかったと言っておきましょう。時間がありません。付いてきてください。途中で説明します!!」
シャランが何か喋る前に、副ギルド長はギルドを出ていき、西門に集結していた冒険者達をかき分け、前の方に歩いて行った。
副ギルド長が説明を始める、その説明によれば、今回の作戦では騎士団が魔王達を分断。分断された魔王を足止めしているすきに、勇者二人による各個撃破するという物だ。この作戦の為に集められた騎士達に代わり、門の警備を冒険者がするというものであった。
門を出て、魔の森の手前に整然と並ぶ騎士達の前に何人かの人影が見える。
「よう、シャラン。無事で良かったよ。」
「ジャナサン、お前にそんな笑顔は似合わないぞ。」
ジャナサンは安堵した笑顔で話しかけてきたが、シャランにバッサリ切り捨てられた。
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