16 爆弾の投下、最強の魔王とメイド服。
本日最後の投稿です。
ガツガツと女性に有るまじき汚さで、目の前の食べ物の山を文字通りに消化していくシャラン。内容は御粥や、果物を摩り下ろした物、油部分を完全に取り除き口に入れるだけで融けてしまうような肉といった具合に、病人食だったが。それでも、その食べる速度と、量は常人の何倍もあった。
「…うむ、ご馳走様でした。」
「お粗末さまでした。」
シャランが一通り食べ終わり、挨拶をすると、それまでニコニコ笑顔で世話を焼いていたメイズがそう返した。
「ふむ。メイズ、すまんが食器返すのを頼んでいいかね。」
「はい、いいですよ。」
シャランがメイズの笑顔に居心地悪くなり、メイズに頼みごとをする。メイズは笑顔のまま承った。
「ふむ。メイズ、すまんが幾つか質問してもいいかね。」
「はい、いいですよ。」
シャランは、食器を洗い場に持って行って帰ってきたメイズにそう切り出す。メイズは笑顔のまま承った。
「その前に…。」
「はい?」
「ふむ。メイズ、すまんがメイド服を着てもらえないかね。」
「は…、着ませんよっ!!」
勢いのままシャランが押し、メイズが返事を返しそうになる。ニコニコ笑顔が引きつり、却下した。
「…ふむ、五日も寝てしまったか。」
「はい、しかし、何があったんですか?皆さんが居て、退かなければいけない事態になるなんて。」
気を失っていた期間を聞くと、少々残念なような、後悔するような表情をする。メイズは慰めようかと思ったが、長年の付き合いの経験から女装させられると判断。元々思っていた疑問をぶつける。一人は一線を退いたといえ、勇者二人に勇者のパーティメンバー、更にその二人に追随できる実力を持つシャランがいて、こんな結果に終わることになった。
普通はあり得ないのだ。それこそ本気になったメイズが遊ばなければ。全力では無い所がメイズの実力が隔絶している事を思わせる。
「…ふむ、ああ、メイズにならいいか。……魔王が四人程いたのだ。」
一瞬迷ったシャランであったが、目の前の存在は最強と呼ばれる存在だったことを思い出して、爆弾をさらりと投下したのだった。
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