11 復活の魔王と、女になった魔王。
本日と明日は二話しか更新できないかも。何とか三話更新してみます。
雷鳴が轟き、所々で稲光のあと轟音と共に木々に落ちる。太陽は厚い黒い雲に隠され、太陽が頂点に達する時間だと言うのに、まるで夜のように闇に覆われていた。
木々を抜けると、草原に出る。その草原は円形の形をしており、その中心地には、この世の混沌を凝縮したような荘厳な城が建っていた。
魔王城《シュランク城》と呼ばれる城は、魔物と呼ばれる闇の住人達の主の居城だ。その最上階、玉座の間には今、玉座しかなかった。いや正確には玉座の背凭れの部分が折れ落ちており、座と脚の部分しかなかった。その前に美女が蹲っており、自分の手を見ていた。
「なっ…。」
何かつぶやいた。信じられないものを見たかのように、口をもごもごさせ、やがて決心がついたように口を開いた。
「何じゃっ、こりゃぁぁーーーーーー…!!?」
叫び声だった。
「うげほ、ぐほっ、ごっほ、何だこれはっ!?」
魔王メイズによって遥か彼方に飛ばされた女性化玉は、奇跡的に割れずに、勇者ウオイスが城を出るときに使った壁の穴に飛び込んだ。女性化玉は、魔王(雑魚)がちょうど光になって消えていく瞬間に玉座にぶつかった。玉座の背凭れは、十数本の聖剣によってボロボロであり、ましてやメイズの全力で飛ばされた玉の威力を受け切る事が出来なかった。当然背凭れは、座から離れ、後ろに倒れこむ。煙は座の部分で巻き散らかされ、ちょうど復活を果たした魔王(雑魚)が煙に巻かれる。何が何だか判らないまま、咽ていると煙がはれてきた。
「げほっ、あぁ~酷い目にあった。むっ、何故死なない。うん、おわっ…。」
聖剣に貫かれているはずの自分が何故か浄化されないことを疑問に思いながら、背凭れに凭れようと、後ろに体重を移動させた瞬間後ろにこけた。そして聖剣の持ち手側で背中を強打し、痛みに悶絶する。
「いっつ~~~~、そうか、背凭れが取れて、背凭れに刺さっていた聖剣が移動したため我は死ななくなったのか。」
慌てて、振り向き倒れた背凭れを見て、全ての疑問が解けた。
「むっ、誰だっ!?」
しかし、振り向いた瞬間、黒い影が視線の隅を横切った。勇者達に酷い目にあわされたと言っても、自分は魔王だ。完全に消滅していない以上、監視の一人でも居ると思っていた。その監視役が、自分の視界に入らないように、逃げているのだと最初は思った。
右に振り向けば右回りに逃げ、左に振り向けば左に逃げる。
「………、こうじゃっ!!」
腰から180度近く曲げて、股の間から反対側の景色を見る。壊された壁から外が見えただけであった。
「むっ、なかなか、やりおる。まさか我がこうも翻弄されるとは。」
魔王(雑魚)は感嘆の声を上げながら、起き上がる。視界に黒いブラインドが掛かった。
「なんじゃ、これは?」
黒く細い糸を纏めて握り、引っ張った。
「いたたたたたっ。」
頭がグイっと引っ張られ激痛が走る。
「はっはっはっ、なんだ、我が髪か。………髪ぃ!!」
自分の髪の毛であると気づき、自分の髪はこんなに長くない事に叫ぶ。
「ちょ、おま。どういうこったぁーーーー…。」
叫んで、少々冷静になったらしい魔王(雑魚)は、視界に入れながらも態と意識しなかった事柄に触れた。膨らんだ胸を触ってみたのだ。
「あん…。」
なんか変な声が出た。触った瞬間、電気が走ったようになって、力が抜けたのだ。思いついた現状に真っ青になりながら、股間を確かめる。感触がなかった。ロープの中を、恐る恐る確かめる。
思わず地面に手をついて蹲った。
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