外伝6 魔王の悲鳴と全力の魔法行使。
本日最後です。
なんとか、外伝は終わらせました。明日からは第二章です。
明日の更新時間は活動報告を見てください。
メイズとウオイスは一度、中央広場まで戻ってきていた。中央広場には商店で買った物を食べられるようにベンチが設置されているからだ。二人はベンチに座って買ってきた推理パンを食べている。推理パンとは一見メロンパンのようだけど、判らないように中身が入っており、中身を当てられると一個おまけしてくれるという物だ。ウオイスはオレンジのジャム、メイズは漉し餡クリームであった。
「北と南はよろしいですね。大通りになっただけですし、東も基本は宿屋だけですし。やはり案内するとしたら西側。ギルドは知っていると思いますので、商店中心にお教えしますね。」
「ああ、助かる。」
食べ終わり、メイズの考えも纏ったのか、そう提案してきた。二人はまた西側に歩き出す。
「結構、繁盛しているんだな。」
「はい、店舗を固めただけで売り上げが上がっている所もありますし、週に一度は在庫処分市も開きますから。」
一通り案内し終え、今、西門側から中央広場側に帰っている所だ。武具店の前を通った時、2年前までは、閑古鳥が鳴いていた武具店に人が何人か居るのが見て取れて、ウオイスは驚きながら感想をもらす。メイズが相槌を打ちながら、花見街の所まで歩いてくると。
「メイズちゃん発見。」
フタハに見つかり、二人が首を傾げていると、胸毛が見えている懐に手をやり小さな笛を吹いた。
辺り一面にピーピーピーと甲高い音がする。すると共鳴したように、近くからピーピーピーと甲高い音が返され、次の瞬間、どどどっと地鳴りがしてきた。
「ちょっ、なんだ、えっ、なんなんだ!?」
「……まさか!?」
ウオイスが狼狽え、メイズが真相に行きついたのか、目を見開く。
瞬間、土煙を上げながら、大量の人々が走ってきた。女性陣の手には、女性物の衣服とカツラ等が握られ、男性陣の手には棍棒が握られている。
「ちょっ、うえっええ!!」
「まずっ、逃げますよウオイスさん。」
メイズの予想では、男性陣の目的はウオイスをタコ殴りにする為だろう。
ウオイスと離れ、メイズは妖艶なお姉様方に囲まれていた。やはり筆頭はシャランという。
「…なんで、そんな格好させようとするんですか!?僕は男ですよ!!」
「ふっふっふ、それも問題がなくなる。このランから貰った女性化玉でな。」
囲まれたメイズが涙ながら訴えると、シャランが一つの玉を取り出した。それは魔法の道具で、その玉を割ると煙が吹き出し、その煙を浴びると一定時間、女性になってしまうという物だ。
「さぁ、覚悟しろ魔王。」
「都合のいい時だけ、魔王にしないでください。」
ウキウキと顔に出ており、更に玉を持っていない方の手はワキワキと動いている。シャランは凄腕の冒険者としての能力を無駄に使いながら、メイズに向かって玉を投げた。
もし女性になれば何をされるか判らない恐怖で涙目のメイズは……。
「いっやぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー……!!」
悲鳴を上げながら、魔法を行使。力場操作の魔法と風の魔法を組み合わせ、全力で遥か彼方に玉をやってしまった。
「はぁ、はぁ、これで諦めてくださいね。」
メイズは勝ったと思った。
「いや、無理だろう。そのまま着せれば済むことだし。」
メイズの二回目の悲鳴が響き渡った。
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