外伝4 逃げた魔王、勇者と待ち合わせ。
ここから外伝となります。今日中には外伝を終わらす予定ですが、予定より話が伸びてしまえば明日になるかも。この外伝が終われば本編は第二章に入ります。
漆黒の闇を切り裂き、太陽が顔を出す。宿屋《魔王城》にも朝が来た。瞬間、ドタバタと複数の人が駆ける音がする。腐腐腐なお姉様方だ。今日はメイズがウオイスに町を案内する日だ。当然お姉様方はメイズを女装させようと待ち構えていた。
ここは宿屋である。朝も開けた瞬間からこんなに騒いで、泊まっている客の迷惑にならないのだろうか?答えはならない。何故なら、女性陣は全員、メイズを着替えさせようと起きており、男性陣の一部はメイズが行動するのを阻止しようと待ち構え、残りはメイズの女装姿を見ようと起きていたからだ。客は全員起きていることになる。
「あああぁ~~~~~!!」
女性陣の叫び声が聞こえた、緊急性のあるものではなく、どちらかといえば残念とか、やられたという意味の方が強い叫びだった。
女性陣がメイズの部屋の扉を開けて見たものは、蛻の殻になったベットであった。
「わるいっ、待たせたか!?」
「いえ、今来たとこですよ。」
このやり取りだけ見ると、カップルのデート待ち合わせのようだが、実際はウオイスとメイズ、どちらも男である。例え片方が女装コンテストで優勝していようとも、そこに邪な物は入ってはいない。
何処かで盛大に舌打ちした女性陣がいたり、何故かメイズの背中が寒くなったりしたが気のせいであろう。
「でも、なんでこんなに朝早いんだ。」
ウオイスの疑問にメイズは遠くを見てフッと笑った。
「だって、いつまでもあそこに居ればどんな格好をさせられたか…。」
「……すまん。」
哀愁漂うメイズの言葉に、謝ることしかできないウオイスであった。
「何時までもこうしては居られませんからね。さぁ行きましょうか。」
気まずくなった空気を変える様に、メイズが誘う。
「ふっ、そうだな。道案内宜しく頼む。」
「ええ、任せてください。」
ウオイスもまた、それに同意すると、二人は往年の友人のように、待ち合わせ場所だった中央広場を歩き出すのだった。
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