10 夜の騒動、デートのお誘い?
本日最後です。活動報告に掲載予約時間、乗せた方がいいですかね?
感想とアドバイス待ってます。それではまた明日。
「いらっしゃいませ。安らぎと安眠を提供する宿屋《魔王城》へようこそ。」
「いろいろと可笑し過ぎるっ!!」
太陽も完全に隠れた夜の始まり、扉を開けて入ってきたのは勇者ウオイスであった。メイズは笑顔を振りまきながらいつもの常套文句を口にする。しっかりとウオイスにツッコまれたのだった。
「ほんと、メイズ君。その格好、似合ってるね。」
「リナさん、……やめてください。」
メイズはまだ女装中であった。店内には優勝者に贈られるトロフィーが飾られている。確りと二年連続優勝を果たしたメイズであった。
優勝したものは、百歩譲って、まぁいい。だが、何故まだこんな格好で接待しなければいけないのか。それは、あれだけ人気を博した白いワンピースのメイズちゃんを客寄せに使わない手はない!と、この宿屋《魔王城》の支配者女将の一言で決まったのだった。
メイズの今の格好は、金髪のカツラを着け、白いワンピースの上から宿屋のロゴが入った黄色いエプロンを着用している。
「…失礼しました。お泊りですか、お食事ですか?」
これ以上は自分がダメージを受け続けると判断したメイズは仕事を再開させる。
「泊まりたいんだが、食事もできるかな?」
「はい、可能ですよ。お食事はお部屋にお持ちしましょうか?それともお食事処でなさいますか?」
「後で、降りてくるよ。」
勇者が代表して答え、鍵を受け取る。鍵番は二階の部屋を指しており、後で食事処まで降りてくる事を告げた。
「ほんとうに此処のお肉は美味しいわね。」
「ふむ、マジで美味いし。魔物の肉と聞かされた時はどんなゲテモノ料理が出てくるのかと心配したが、名物になるわけだ。」
リナルールは肉に齧り付き、勇者が感心していた。流石に食事処は人が混雑しており、ウオイス一行は別れて別の人と相席していた。ウオイスはジャナサンのテーブルに厄介になっていた。
「ああ、そうだ。メイズ君、明日休みだって聞いたんだが、よかったら町を案内してくれないかな?これだけ代わっていると迷いそうで…。」
「あっ、はい。いいですよ。」
ウオイスがメイズに町案内を頼み、メイズが快く笑顔で引き受けた。
一瞬で食事処の音が無くなり、無数の視線がウオイスとメイズを射抜く。
「ど、どうしました?」
ウオイスがその視線に気圧されながら聞く。
「……デートか。デートなのか。メイズちゃんとデートなんだなっ!!」
「うぇ、ちょっ、ちがっ!!」
ジャナサンが血の涙を流しながら、ウオイスに詰め寄り、いやジャナサンだけではなく、食事処に居た男共が詰め寄ってきていた。あちらこちらで、女性の黄色い悲鳴が上がる。
メイズが商店街等の町興しの中心人物の為、町の案内人としても間違ってはいないのだが、如何せん今のメイズの格好は美少女だ。そういう邪推も仕方がないだろう。
メイズも女性陣に捕まり、明日の服装をあれやこれや勝手に選ばれる。全て女性物だが。
そんな騒動は食事処を閉店しに来た女将さんによって強制的に終了させられるまで続いたという。
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