暗闇の映画館ゼロ距離のASMR
「ぐあ〜っ!あれだけ水着美女が居たのに、彼女候補を探すの完全に忘れてた〜!!」
前回のプール企画を振り返り、自室で頭を抱える俺。
リエの公式配信コメント欄:
『www』
『はじまったwww』
『ウチらみんな知ってたよねwww』
『更衣室でメロン食べてたからでしょw』
「というわけで!今回はイベントとして、抽選で選ばれたリスナーさんたちと『映画館貸し切りデート体験』を企画しました!」
全館貸し切られた映画館。
暗転したスクリーンの光だけが揺らめく特等席で、俺は当選したリスナーやヒロインたちを順番に隣の席へ迎え入れていた。
「(小声で)…シ〜ッ。映画始まったから、小声で話そうね?…あ、ポップコーン食べる?はい、あーん♡」
暗闇×密着という最高のシチュエーション。
周りに迷惑をかけないようにと俺が耳元に寄せた吐息混じりの囁き声(ゼロ距離ASMR)に、隣に座った女子リスナーたちは一瞬で撃沈した。
「っっ♡♡♡リオン様の吐息が耳に!ポップコーンの『あーん』で手が唇触れた!アカン、声出したらあかんのに脳が溶ける♡」
リエの公式配信コメント欄:
『耳元囁き小声イケボの破壊力エグすぎるwww』
『ただの小声なのに完全に極上のASMRなんよwww』
『隣の当選者ちゃん、ポップコーンあーんで完全に白目剥いてて草』
『映画の内容が1ミリも頭に入ってこない件www』
順々に席が入れ替わり、ついに俺の隣の席にリエが座った。
スクリーンの中では、ちょうどロマンチックなクライマックス。綺麗な音楽と共に男女のキスシーンが映し出される。
暗闇の中、うっとりとした表情で俺を見つめてくるリエ。
「…リエ♡」
「…リオン♡ちゅ♡」
スクリーンからの光に照らされる中、俺とリエは自然と唇を重ね合わせた。
リエの公式配信コメント欄:
『きゃー♡♡♡』
『本気のキスシーンキターーーーー!!』
『画面越しなのに尊死する!!!』
『他の女にはキスしないのよリオンは♡』
『やっぱり正妻の壁が高すぎるwww』
映画上映終了後。
明るくなったロビーにて。
「ふぅ…すごく良い映画だったな!…あっ、暗くて女の子たちの顔ほとんど分からなかったよ。これじゃあ結局、彼女候補なんて選べないじゃん…とほほ」
がっくりと肩を落とす俺の横で、リエが満足そうにふふんと胸を張っていた。
リエの公式配信コメント欄:
『暗闇デートで顔が見えない痛恨のミスwww』
『とほほ…じゃないのよwww』
『安定のリエ勝ち確で草www』
『結局今回も彼女候補探しは失敗に終わりましたwww』
『でも全女子がリオン様のASMRで耳妊娠したからヨシ!』
『ヨシ!』




