拉致されたリオン
「リエ、クレープでも食べて帰ろうか。ん?なんだあのリムジン…すげぇな、初めて見たよ」
放課後の商店街。
クレープ屋に向かって歩いていた俺たちの前に、漆黒の高級リムジンがキーッと滑り込んできた。
後部座席の窓がスッと開き、中から金髪縦ロールの令嬢が顔を出す。
露出の激しい胸元はユカリさんにも負けてない。
「リオン様!ユカリが大変なのですわ!さあ、早くお乗りになって!!」
「えっ!?あのGカップのユカリさんが!?分かった!リエ、ごめん先行ってて!」
「え!?ちょっとリオン!?」
俺は友情と男気を見せ、突如現れたお嬢様のリムジンへと飛び乗った。ドアがバタンと閉まり、リムジンは猛スピードで走り去っていく。
リエの公式配信コメント欄:
『ねぇ、本当に大丈夫!?』
『あの女!お嬢様界隈で最近評判悪いって噂のやつよ!』
『ユカリさん、この配信見てない!?』
『見てたらコメントして!!』
『ユカリ』
『ユカリさん!!』
リエは焦ってスマホを掲げ、疾走するリムジンを追いかけながら配信を続けていた。
「誰かの配信にあのリムジン映ってないの!?と、特定班、はやく!!」
リエの公式配信コメント欄:
『どれだけこの街に配信者いると思ってんの!?見つかるかい!』
『リオン様に会いたくて街中に配信者爆増してるから、どの配信見ればいいやらwww』
『特定難易度高すぎるwww』
その頃、ユカリの本家・大邸宅。
大型モニターでリエの緊急配信を見ていたユカリと、その母親である当主(現・財閥トップ)の顔色が変わった。
「お母様!あたくしの名を語って、あの女がリオン様を拐いましたわ!!」
「何だと!あの時、お前に極上の『種』を残し、我が家の未来を救ってくださった英雄・リオン様を拉致するとは万死に値する!!」
そう、かつてリオンに抱かれ、身も心も救われたユカリの実家にとって、リオン様はもはや神と同義の絶対的恩人。
「ただちに我が家のヘリと護衛部隊、および系列の監視カメラネットワークを全稼働させよ!リオン様を全力でバックアップし、不届き者を破滅させるのだ!!」
「「「はッ!!!!」」」
リエの公式配信コメント欄:
『うわあああああ!!空からヘリが何機も飛んできたぞ!?』
『ユカリさん家の家紋付いてる!!』
『ユカリさんの実家が動いたぁぁぁ!!』
『ユカリ:種を残して我が家を救ってくれたリオン君を助けます!』
『ユカリさん、リオン様のこと信奉しすぎてて草www』
『お嬢様VSお嬢様の全面戦争開幕www』
◇◇◇
…そんな大騒動が巻き起こっているとは露知らず、走るリムジンの車内にて。
「はじめまして、あの…ユカリさんの知り合いなんですよね?…失礼ですが…あの」
「あら、わたくしの名前かしら?」
高級革張りシートに深く腰掛けた俺は、隣に座る令嬢の豊かな胸元を見つめながら素直な疑問を口にした。
「いえ、お胸のカップを聞いても?」
「ユカリと同じ、Gカップですわ!」
自信満々に胸を張り、ニッコリと微笑むお嬢様に俺は…




