コンビニバイトの彼女と肉まん半分こ
「よし!今日はコンビニに行こう!」
放課後、俺は以前開催されたビンゴ大会で見事に上位入賞を果たした女の子、アカリさんが働くコンビニへと向かった。
近くのコンビニでバイトをしていると聞いていた俺は、居ても立ってもいられず店へと足を踏み入れる。
「アカリさん、来ちゃっいました♡」
レジに立っていたアカリさんは、一瞬目を見開いた後、パッと笑顔を弾けさせた。
レジの奥にはスマホが立っていた。
◇◇◇
アカリの配信コメント欄:
『来ちゃった♡(CV:リオン)』
『ヤバい破壊力♡』
『天下のリオン様がレジに降臨したぞ!!』
『直球で「来ちゃった♡」は全女子落ちるだろwww』
「イートインで仕事が終わるの待ってますね。一緒に帰りましょう」
「ふふ、すぐ終わるから待っててね♡」
◇◇◇
アカリの裏配信コメント欄:
『バイト終わるまで待つ男子なんて神すぎる……』
『店長さん!今すぐシフト代わって早く帰らせてやれよ!!www』
『こんなイケメンがイートインで待ってたらバイトどころじゃねえwww』
数十分後、バイト上がりの帰り道。
彼女は手に慣れた手つきで自撮り棒を持ち、画角を調整しながら俺と並んで歩いていた。
夕暮れ時の肌寒い空気の中、お店で買ったアツアツの肉まんを半分に割る。
ふんわりと白い湯気が立ち上り、ジューシーな肉の香りが広がる。
◇◇◇
アカリの裏配信コメント欄:
『肉まん半分こ♡』
『羨ましすぎる!』
『画角が完全に青春恋愛ドラマなのよ』
『自撮り棒でこの距離感撮影できるアカリ強すぎwww』
「リオン君、私の肉まん…まだ二つ…ここにもあるんだけど…食べてみたくない?」
半分に割った肉まんを、アカリさんは「はい、あーん♡」と俺の口元へと差し出してきながら、キュッと胸元を寄せて豊かな膨らみを強調して見せた。
「あーむっ…んん、美味しすぎる!もちろんアカリさんの肉まんも食べたいです♡」
「ふふっ、良かった♡リオン君の顔、すっごく幸せそう。じゃ、家すぐそこだからね♡」
◇◇◇
アカリの裏配信コメント欄:
『今日もゴミ箱には捨てないのよ(※しっかり肉まん完食済み)』
『リエちゃんの「ゴミ箱に捨てるから評判落ちる」の悩みが無駄に解決されてて草www』
『でもこの女も彼女にはならないという謎』
『シズカといいアカリといい、なんでリオン様の彼女枠には誰も収まろうとしないんだよwww』
『推し/配信ネタとしての関係を楽しみたいヒロイン勢www』
『たまに配信に出てね♡』
『リオン様、都合の良い最高のお持ち帰り男子になってて草www』
◇◇◇
お見合い大会が終わり、図書委員のシズカさんやコンビニのアカリさんなど、次々と魅力的な女子と親密になっているはずの俺。
しかし、放課後の配信中、俺はふとした疑問をリエに投げかけていた。
「ねえ、リエ?なんか…圧とかかけたりしてない?」
「え?どうしたのリオン?」
画角を調整していたリエが、不思議そうに首を傾げる。俺は顎に手を当て、真剣な表情で言葉を続けた。
「いや、最近…モテてるようでモテてないような気がするんだよな。なんていうか…都合の良い男子みたいな?」
シズカさんには太ももを吸わせてもらい、アカリさんには肉まんをあーんしてもらい、そのまま部屋にまで上がらせてもらった。
なのに、なぜか彼女たちからは。
「彼女にはなりません。配信をたまに盛り上げてください!」
「推しなので…」
と固辞され、一向に正式な彼女候補(ハーレム枠)が増える気配がないのだ。
「何言ってるのよもう♡リオンは最高にカッコいいよ♡自信持って♡」
リエは俺の腕に抱きつき、トロけるような笑顔で優しく励ましてくれた。
「そ、そうかっ♡俺、カッコいいんだな」
チョロすぎる俺は、愛しの彼女からの言葉一発で「まあいっか!」となるのだった。
◇◇◇
リエの公式配信コメント欄:
『リオン様……』
『自分の置かれている状況に薄々勘づき始めてて草www』
『都合の良い男子みたいな?www大正解ですwww』
『シズカとアカリとユカリが裏で種だけ持って帰ってるからだよwww』
『リエちゃん、圧はかけてないけどみんな勝手に満足して去っていってるのよww』
『彼女にはならないけどメロン&太もも&肉まんは頂けるという最強の都合の良い関係www』
『カッコいいよ♡で一瞬でドヤ顔に戻るリオン様チョロすぎて可愛いwww』
『このまま、なぜか彼女候補が増えない不思議なハーレムを突き進んでほしいwww』




