逆転した口と指、そしてお泊まりの誘い
「あっ…危ない!」
本を棚に戻し終えて脚立を降りようとしたその時、バランスを崩したシズカさんの足がフッと宙を泳いだ。
脚立から足を踏み外したシズカさんが、俺に向かって落ちてくる!
まるでスローモーションのように…
真っ白ですべすべな太ももと、地味な白いアンダーウェアが、俺の顔面めがけて一直線に迫ってきた!
ぐにゅっ、と柔らかく暖かな感触が俺の顔面全体を包み込む。
「うぷっ…ふはぁっ、顔が幸せ♡…はっ、そ、それよりシズカさん!大丈夫!?怪我はない!?」
俺の顔の上に重なるように倒れ込んだシズカさんを抱き止め、慌てて声をかける。
(ポチポチポチっ)
『主:う、うん』
スマホには一言だけ打ち込みつつ。
彼女の口からは、普段の大人しい声からは想像もつかない限界オタクの歓喜の叫びがそのまま漏れ出てきた。
「はぅん♡リオタンの温かい鼻息が太ももにかかってるぅ♡お願いだからもう少しこのままでいてぇ♡」
◇◇◇
シズカの裏配信コメント欄:
『おい!シズカ!間違ってる!!www』
『リアル(口)とコメント(指)が逆!!wwwww』
『心の声!漏れ出てるどころか大音量で出てる!!www』
『wwwwwwww』
『ウケる(笑)』
『ポチポチで打つはずのキモヲタ文章を口で言っちゃったwww』
しかし、シズカさんの太ももに顔を挟まれた状態の俺は、前世の男子高校生としてのフェティシズムが限界突破し、彼女のうっかり発言を受け入れの許可だと都合よく解釈していた。
「い、いいのか!?いや〜、このすべすべの太ももに、素朴で白いパンツがたまらないんだよな♡実は太ももに顔を挟まれるのずっと憧れててさ…リエには絶対に言いづらかったんだよね♡」
太ももの感触を全身で堪能しながらデレデレと本音を漏らす俺。
(ポチポチっ)
『主:はい』
指では素っ気なく『はい』とだけ打ち込みながら…シズカさんの口からは、さらに危険な本音がダダ漏れてくる。
「はぅはぅ♡リオタン満足するまで好きなだけ挟まれてぇ♡もうっ、こんなの…こんなの感触だけで濡れちゃうよぉ♡」
◇◇◇
シズカの裏配信コメント欄:
『あっ』
『あっ(察し)』
『シズカ人生終了のお知らせwww』
『乙wwwww』
『リオン様の前で何言ってんのこの子www』
『「感触だけで濡れちゃうはアカンwww』
「ヤ、ヤバいって!!そんな太ももで挟みながら刺激的なこと言われたら、俺っ!もうっ!シズカさん!今日、俺の家に来ないか!?泊まりに来なよ!!」
理性のタガが外れた俺は、太ももの感触をさらに堪能したい一心で、大胆すぎるお泊まりの提案を繰り出した。
すると、今までボソボソ喋るか無言でスマホをポチポチしていたはずのシズカさんが、一瞬でスマホから手を離し、パァッと目を輝かせてはっきりと生声を響かせた。
「えっ!?いいの!?!?(※超高音&クリアな生声)」
「…へぇ、声可愛いんだな、シズカさんは」
ふと漏れ出た不意打ちの褒め言葉。
「はぅ♡(※撃沈)」
◇◇◇
シズカの裏配信コメント欄:
『おい!そこはポチポチしないのかよ!!wwww』
『即答で生声で食いついてて草wwww』
『「声可愛いんだな」の破壊力よ……』
『シズカがリアルで「はぅ♡」って溶けてて草www』
『えっ?マジでお泊まり!?!?』
『図書室で太もも挟まれてそのままお持ち帰りかよwww』
『リオン様、無意識に欲望のまま攻め込んでて凄すぎるwww』
『シズカの陰キャオタク設定が崩壊してて腹痛いwww』
「もちろんいいよ!今日はリエの腰が壊れて休んでて家にいないし、シズカさんの太ももを…じゃなくて、図書室の作業の続きを早く終わらせて、うちに行こうよ!」
「いくいく!絶対いくぅぅ♡(ぽちぽち忘れて完全生声)」
コメント欄:
『リエちゃんの腰が壊れてる!?www』『スイートのお仕置きしたのが逆に激しくされすぎたのかwww』
『さらっと恐ろしい爆弾発言を混ぜるなwww』
こうして、大人しい図書委員(※裏では限界妄想オタク裏配信者)のシズカさんは、俺の欲望剥き出しの誘いと持ち前の食いつきの良さによって、あっさりと自宅へお泊まりすることが決定してしまうのだった。




