↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/45

高級レストラン、男の覚悟

放課後。


「リエちゃん!配信したままでいいからついてきて!」


「あ、うん!」


俺がリエを連れてきたのは、普段の高校生には少し縁遠い、おしゃれな女性たちが行き交う高級街だった。


ブランドショップや格式高そうな店がずらりと並んでいる。


その中でも一際存在感を放つ、超高級フレンチレストランの前で俺は足を止めた。


「今日は、ここでディナーを食べよう」


「は、はいっ!」


普段のガサツさはどこへやら、圧倒的な高級感に呑まれて背筋をピシッと伸ばすリエ。


コメント欄:

『リエちゃんガチガチで草www』

『ここめちゃくちゃ高い店じゃん!?』

『私、去年のボーナスが出た時に一回だけ行ったことあるわ…』

『高校生が入る店じゃないのよwww』


店内へ足を踏み入れると、身なりの整った支配人風の女性店員がサッと立ちふさがった。


「お客様、大変恐れ入りますが、当店では学生服でのご入店、および店内の生配信はお断りして…ん?ちょっとチーフ…なに?…ええっ!?同、同時接続数二十万人!?…えっ、リオン様!?はっ!!大変失礼いたしました!すぐにご案内いたしますわ♡♡」


掌を返してウットリとした目で頭を下げる支配人。


コメント欄:

『支配人ーーーっっ!!www』

『頭の中のそろばん弾く音聞こえたぞwww』

『ナイス判断だぞチーフさん!!』

『リオン様って聞いた瞬間の目の色の変わりようよwww』



案内された豪華なテーブル席で、運ばれてきたコース料理を前にリエは固まっていた。


「ナイフとフォークは外側から…ナイフとフォークは外側から…」


「ふふ、リエちゃん。なんか呪文でも唱えてるみたいだな」


「わ、笑うな!!いきなり、こんなお店に連れて来られて…緊張してんのよっ!」


「あはは、可愛いなリエちゃん」


コメント欄:

『可愛いwww』

『リエちゃん頑張れwww』

『マナー必死に思い出してて愛おしい』

『わかるよ』


そんな微笑ましいやり取りの途中、俺はグラスを置き、表情を引き締めた。


「…それでさ、ちょっと真面目な話なんだけど…」


「えっ?」


「俺たち…まだ『付き合ってない』んだよな?」


「は、はぁぁぁぁ!!???」


俺の唐突な確認に、リエは素で素頓狂な声を上げた。


コメント欄:

『【悲報】付き合ってなかった』

『ええ〜〜っっ!?それはないってリオン様!リエリエ可哀想過ぎるって!』

『あんなお泊まりしておいて付き合ってないの!?』

『ってことは私にもワンチャンスあるってこと!?♡』



「だからさ…」


俺は椅子を引いてガタッと立ち上がると、迷わずリエの隣へと歩み寄った。


周りの客や店員たちの視線が集中するが、そんなものはどうでもいい。


俺はリエの目をまっすぐに見つめ、ハッキリと、堂々と頭を下げた。


「リエちゃん!いや、リエ!俺と、付き合ってください。お願いします!」


「えっ?え、ええ〜っ♡♡♡♡♡」


あまりの真っ直ぐな男気に、リエは両手で顔を覆い、今にも溶け出しそうな笑顔で崩れ落ちた。


そして、その歴史的瞬間を目撃した配信画面は、もはやコメントの文字すら判別できないほどの特大爆発(サーバー落ち寸前)を起こしていたのだった。


コメント欄:

『ぐわあああああああああ!!!!!!』

『なにこれ!!!!映画!?!?』

『男子側から高級店で堂々と告白とかカッコよすぎて無理♡』

『「リエ」って呼び捨てにしたあああああ(尊死)』

『はい♡はい♡私が付き合います♡♡(幻聴)』

『全女子が泣いたっ!』

『末永くお幸せにーっ!!!(血涙)』

『リエリエよがっだぁ~!』


〜こうして、配信越しに数十万人の女子たちが見守る中、俺たちの正式な交際がスタートした〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。