ギャル配信者だらけの教室
一晩中理性を保つという過酷な試練を乗り越えた俺は、なぜか不満そうな顔をしているリエと一緒に登校していた。
…俺、何か悪いことしたかな?
首をかしげつつ、配信中のリエの隣に並び、そっと彼女の腕に自分の腕を絡めてみる。
「んっ♡ちょ、リオン…急に腕組んで…配信中なんだけどっ♡」
顔を真っ赤にしてモジモジし始めたので、どうやら本気で怒っている訳ではなさそうだとホッと胸を撫で下ろす。
『朝から腕組みきたあああああ!!』
『甘える事もできる男の子』
『これは守ってあげたくなる♡』
『リエの不満顔が一瞬で乙女の顔になったwww』
『チョロすぎるだろリエwww』
『「手を出してくれなかった」って怒ってたのに腕組まれただけで許してて草』
そのまま校門をくぐる。
校庭にいた全校生徒の女子たちから、地鳴りのような特大の歓声と拍手が巻き起こった。
「「「リオン様ーーっ!!!無事の生還おめでとうございますー!!!」」」
「…ん?あ、俺が昨日の『試練』を乗り越えたのを称えてくれてるのか?今日も頑張るよ、リエちゃん♡」
「…う、うん♡(※絶対違うと思うけど可愛いから黙っておこう…)」
『絶対に違うwwwww』
『試練(一人賢者タイム)を称えられてると思ってるの草』
『男子の「今日も頑張るよ♡」の破壊力ヤバい』
『全校生徒が聖父を崇める宗教画みたいになってる』
疑問を抱きつつも教室の扉を開けた、その瞬間。
「…なんだよ、皆…」
目の前に広がっていたのは、異様な光景だった。
なんと、クラスの女子全員が…髪を明るい茶髪に染め、ブラウスのボタンを大胆に開け、スカートを極限まで短くし、手には三脚付きの自撮り棒を握りしめていたのだ。
「はぁ!?あんたたち何なのその格好は!?真面目が取り柄の委員長まで何やってんのよ!」
驚愕するリエの問いかけに、クラスの女子たちが一斉にポーズを決めて叫んだ。
「「「リオン君!!こういう女の子(派手な配信者)が好きなんでしょ!?」」」
「「はぁぁぁぁぁ!!????」」
あまりに極端すぎるイメチェンに、俺とリエのツッコミが見事にハモった。
『ウケるwwwww』
『全員マユとリエのハイブリッドになってて草www』
『委員長までギャル配信者化してんの腹痛いwww』
『マユちゃん!ライバルが一気に30人増えたよ♡』
『カオスすぎるだろこれwwwww』
「…俺の好み、いつの間に『ギャル配信者』ってことになってんだよ!?」
「違うの?」
「……」
クラスメイトがゾンビの次はギャル配信者になった。




