リスナー監視付きお泊まり
翌朝。
カーテン越しに朝の光が差し込む部屋で、リエがうっすらと目を開けた。
「んんっ…朝…私…」
頭を振って記憶を辿ろうとするリエの身体を、温かいぬくもりがぎゅっと包み込む。
「ん…リエ…絶対離さない…ムニャムニャ…」
「えっ♡だ、抱きしめられてる!?えっ、今何時?スマホ、スマホ…配信ついてる…マジ!?」
リオンの腕の中で顔を真っ赤にしながら、机の上のスマホに目をやるリエ。
そこには、徹夜で配信を見守り続けていた数万人もの女子リスナーたちのコメントが流れていた。
『おはー』
『リエ、おはようwww』
『ふわぁ〜!やっと起きたか!』
『説明するとね、昨日の夜リオン君がマユを帰らせてから配信をつけたの』
『「リエの貞操を守るために♡」って言ってたわよw』
『「俺が襲わないように♡」』
『「みんなが見てたら我慢できるから見守ってて♡」だってwww』
『でも「抱きしめるくらいならいいかな?」とか言って』
『「くぅ〜〜っ♡可愛い♡好き♡」って一人で悶えるリオン様、超絶尊かった…』
『で、「ヤバい抑えられない」って言ってちょっと長いトイレに旅立つリオン君…』
『ぉっきしてたの見た?』
『見た』
『「ふぅ、ただいま♡」ってスッキリした顔で帰ってきたwww』
『そして「おやすみ」って言って、スン…って寝てた』
『賢者に転職したリオン様♡♡♡』
「えっ?えっ?みんな何言ってるの?全然理解できないんだけど…」
困惑するリエに、コメント欄の女子たちが諦めたように追撃する。
『うちらもだよ…』
『何なのこの神配信…』
『イケメンが寝てる間も美少女を抱きしめて撫で回すだけの配信とか!ごちそうさまでした♡』
理性を保つために公開監視配信をつけ、限界が来たら一人でトイレに籠もって自責処理(賢者化)して戻ってくるという、リオンの謎すぎるストイックさ。
内容を理解した瞬間、リエはリオンの胸の中で顔を真っ赤にして叫んだ。
「はぁ!?襲わないって何よバカ!!襲いなさいよ!!なんで襲わないで、我慢して一人で解決してんのよ!!」
『そうなるwwwww』
『そりゃ女子側からしたら「は?」ってなるわなwww』
『理性が強すぎる男www』
『リエちゃん、ご愁傷様ですwww』
リオンの男としての健全な理性の保ち方は、またしても逆転世界の女子たちの常識を気持ちいいほどに破壊したのだった。




