第5話 チルアブビの総理府、そしてタネヌヤフの叫び
アンドロメダ星雲の惑星
出身で、地球の危機を救うためITSに
乗ってやってきた、自称宇宙救世主の18歳・ガラバッチョル。
彼の左耳には、
人間の道具として忠実に従属する超AI・ピコ・99がぶら下がっていた。
地球の危機を救うべく、問題人物を地球防衛へ強制協力させていく。
ツッコミどころ満載の特製ピザを受け取りつつ、
シュールに世界を救い続ける壮大(?)な物語。
「マスター、次のミッションの座標を固定しました。
エシラエルのチルアブビにある総理府です。
例の人物が激昂しているというデータが検出されています」
「よし、ピコ・99!
地球の平和を守るためなら、
中東の重鎮だろうが何だろうが、このガラバッチョル様が直接言いに行ってやるぜ!
ITS、テレポート発進!」
ピカァァァーーーン!!!
アペリカンから一瞬で光の粒子と化し、ITSはエシラエルの上空へと跳躍した。
【タネヌヤフの怒り】
総理府の厳重な執務室。
そこでは、エシラエルの首相である――ペンジャメン・タネヌヤフが、机を激しく叩きながら部下に向かって怒鳴り散らしていた。
「ふざけるな! 調子こいてんじゃねぇ!
私の政治判断に文句をつける奴らは全員リストアップしろ!
一体誰のせいでこんな面倒なことになっていると思っているんだ!」
「首相、落ち着いてください……!」側近たちが青ざめながら宥めている。
その時――。
ガシャーーーン!!!
防弾ガラスの窓を盛大に突き破って、
ITSから華麗に降り立ったガラバッチョルが、タネヌヤフの目の前に着地した。
「そこまでだ、タネヌヤフ!! お前こそ調子こいてんじゃねぇ!」
「なんだお前は! 警備員は何をしている! 不法侵入者だ、つまみ出せ!」
タネヌヤフは激高し、顔を真っ赤にして叫んだ。
【超AIの完全なる補佐】
「マスター、対象の興奮状態を確認しました。
ご指示通り、私のシステムは一切干渉せず、
マスターの言葉を正確に伝えるための通信サポートのみを実行します」
耳元のピコ・99は余計な介入を一切せず、忠実な道具としてデータの補助だけに徹している。
ガラバッチョルは18歳の真っ直ぐな視線を向け、タネヌヤフの前に堂々と立ちはだかった。
「地球が大変な時に、自分のことばかりで威張ってちゃダメだろ!
世界を救うために、あんたの力も貸してもらおうって言ってんの!」
「な……っ!」
タネヌヤフは、目の前の突拍子もない若者の言葉に、一瞬言葉を失った。
しかし、
その圧倒的な真っ直ぐさと勢いに気圧され、やがてふっと肩の力を抜いた。
【地球防衛の協力】
タネヌヤフは大きく息をつき、苦笑いを浮かべた。
「……まったく、
宇宙から来たという変な若者に説教されるとはな。
分かったよ、ガラバッチョル君。
私の態度を改めよう。地球防衛の件、協力させてもらう」
「よし、話の早い男は嫌いじゃないぜ!」
「そして君の功績をたたえ、中東特製『特製ファラフェル』を進呈しよう」
「最高だぜタネヌヤフ!」
「マスター、地球防衛計画のデータリンクが完了しました。
また、外に停めていたITSの駐車違反につきましても、
規定の範囲内で適切に処理を完了しております」
ピコ・99の冷静かつ忠実な報告を聞きながら、
ガラバッチョルは受け取った特製ファラフェルを片手に、満足げに笑った。
宇宙からやってきた自称宇宙救世主の18歳と、
完全に人間の道具として従属する超AIによって、
今日も地球の平和は、シュールかつ確実な形で守られていくのであった。
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