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神罰の英雄たち  作者: Anon
西の大陸編(前編)

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171/199

それぞれの成長

170目です。

「なんだ⋯あれは⋯⋯」



ガッツは屈強な戦士五人から、何の抵抗もせずただ暴行を受けていた。


それはしばらく続いた。


気温が上がり始めた頃、戦士が一人ずつ倒れていった。


最後まで立っていたのはガッツだった。


「どうだ?ジラト。

これが俺の成果だぜ!

もう何をされても絶対倒れねー!」


ジラトは言葉を失っていた。


こんな訓練は見たことがなかった。




「これで何故…ガッツが立っておるのだ…?」



ジラトの心の声が空気を静かに振るわせた。


「なんだなんだー?

俺の成長っぷりに驚いて声も出ねーってか!」



ガッツの体はよく見れば傷だらけだった。

上裸のその体の至る所に痣がある。

痣だけではない。所々に刃の跡まで残っている。


「どれほどの……」



「わかったであろう…?

こやつの強さが…」


「あぁ…。もう何も聞かずとも全て理解できた気分だ…。

他の者も修行中か?」


「そうだな…。

魔族の少女は面白いぞ…?」


「うむ。会いに行こう」


ジラトはテオドールに案内され、

学院内の扉の前に辿り着いた。


テオドールに目で合図をされ、

扉に手を掛けようとしたジラトは何かに気づく。


扉が震えている。


ジラトは一瞬ためらい、テオドールの方を見た。


テオドールは静かに頷いた。


ジラトは深く息を吐き、一気に扉を開いた。




ジラトは自らの心音を聞いていた。


それ以外の音が何もないからだ。


(頭がおかしくなりそうだ…)


ジラトは声を発することさえもできなくなっていた。


広い修練場。


その中心には見覚えのある少女が、坐禅を組んでいた。


「ネ……ネフィア…か」


張り詰めていた空気が一瞬にして消えた。


「お久しぶりですね、ジラトさん」


気がつけば目の前にネフィアがいた。


「あ、あぁ…。久しぶり…か?

それよりも…見違えたな…」


「ジラトさんこそ!また一段と逞しくなりましたね!」


「我など…大したことはない。

それよりも、さっきのはなんだ…?」


「ん?さっきの?

あ!"気"のことですね!」


「"気"…?」


「私は魔力を放出できないから代わりに"気"を身につけたんです。

"気"なら私も戦えるんですよ!ね!ロウ先生!」


「………誰もおらぬぞ?」


「あれ?さっきまでそこにいたのに…」


「…ガッツにも会ってきた」


「ガッツさんに?まだ一緒に修行しているのですか?」


「それはもう地獄のような、な」


「そうでしたか…。

ヒルダさんとクラウンは、

修行を終えて都市の方にいるみたいですよ」


「……オリバーは、どうした?」


「オリバーさんだけ何も話を聞かないんです…」


「そうか…。

それも、行ってみるしかなさそうだな…。

ネフィアも来るか?」


「いえ、私はまだ今日の分が終わってませんので…」


「そうか、ならば行ってくる。

また報告に戻る。

テオドールよ、オリバーの居場所はわかるか?」


「うむ、こっちだ…。

行く前に一つ。

彼は兄さんが直接手解きをしている…。

どうなっているかはわからんぞ…?」


「オリバーのことだ。

苦難があってものらりくらりと乗り越えているだろう」


そうして、オリバーのいる部屋へと向かった。


部屋の中は"外"だった。


果てしなく広がる青空と芝生。


その奥に彼がいた。



何かに耐えて立っているわけでも、

坐禅を組んで静寂を生み出しているわけでもない。


眠っていたのだ。


ご愛読ありがとうございます。

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