師弟
165話目です。
城のバルコニーで夜風に当たりながら、外を見つめる人影があった。
そこに、もう一つの影が近づいた。
和装から少し見える獣のような手足、月明かりを映す眼光…。
「何見てんだ?シェイン」
「あ?なんだ、ギンか」
「なんだとはなんだよ!」
「悪い悪い。
ま、ちょっと弟子を思い出しててな」
「弟子?"どの"弟子だよ。
今までどれほどの人数に手解きしてきたと思ってんだ」
「ま、確かにな。
その中でも"最強"の弟子だよ」
「お前に最強と言わせるなんてな…。
俺も言われてーよ…」
ギンはそう言いながら頭を抱えて俯いた。
「そういや、ギンは知らねぇんだっけか?
俺が最近見始めた新しい弟子」
「最近帰ってきたんだから知るわけねーだろ。
で、どんなやつなんだ?その最強の弟子ってのは」
シェインはギンから目を切り、再び遠くを眺めた。
「さぁなー…。
今はどの"大陸"でどこまで強くなってんだろうな…」
「え、"大陸"って……。
俺ら以外で気づいた奴がいんのか!
…マジで最強なんじゃねーか!?」
「だから言ったろ?
俺が楽しいと思えるほど戦える奴だった」
「ふーん。俺も一回会ってみてーな」
「アイツは、必ず戻ってくるよ。
この中央大陸に…ヴェルネイド王国に」
「そこまで言い切れるってすげーなソイツ。
ほんとお前は弟子にも仲間にも恵まれてるな」
「ヴァルカンには常に命狙われてるけどな」
「アイツはあれでいてお前を信頼してんだよ」
「へっ…!どうだか…。
あー、そう言えばさ…」
「なんだ?シェイン」
「やっぱ弟子じゃねぇわ、アイツ」
「あ?最強の弟子のことか?
え、弟子じゃねーの!?
あんなに耽ってやがったのに…。
じゃあ"最強"の何なんだよ!」
「…"最強"のか…。おもしれぇな。
そうだな…。ソイツは…」
「"最強"の…戦友だ」
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