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神罰の英雄たち  作者: Anon
西の大陸編(前編)

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160/199

虚無

159話目です。

「何とか間に合ったようじゃな」


「なに!?ここどこよ!教会は!?」


「一応ここも協会の中と言えば中じゃ…」


「はぁ!?どういうことよ!

咄嗟に飛び込んだはいいけど、なんっにもないじゃないの!」


ヒルダがいたそこは、壁も床も空さえもない場所だった。


「もう少し教会で話せれば良かったのじゃが…。

お嬢ちゃんが教会と外界を繋いだことで、

儂の居場所を嗅ぎつけられてしまったようじゃな」


「え?命狙われてるの…?」


「まあそんなことはどうでもいいじゃろう。

お嬢ちゃん、お名前は?」


「ヒルダよ」


「ヒルダ嬢よ。

まだ上手くその力を使いこなせていないようじゃな」


「そんなことない…と思う。

ちゃんと仲間の傷は癒せるし、支援もできてる」


「じゃがな、その力…化けるぞ?」


「ふーん、何か知ってるのね」


「よく知っておるぞ。

特に、祝福についてはな…」


「なんで祝福については特に詳しいのよ」


「かつては…数千年前までは…儂が与えておった力じゃった」


「与えてた…?どういうこと…?」


「ヒルダ嬢、神に祈りを捧げたことはあるかの?」


「もちろんよ。

アウレリア家は代々聖職者の家系だから、

小さい頃から祈るのが当たり前だったわ」


「左様か。じゃが、神罰を受けてしまったということは、

"今"の神に反発でもしたんじゃろう」


「…おじいさん、やっぱり…」


「神というのは、反発されても感謝をされても、

等しく祝福を与えるものなのじゃ…。

儂もかつてはそうしておった…。

とある種族との争いに敗れ、天上から落とされるまではな…」


「そっか。信じられないけど、やっぱり神様なんだよね?」


「"元"じゃがな…」


「アルケインっておじいさんは何者なの?

元神様を知っていて、私と引き合わせるようなことまでして…」


「あやつもまた変わった存在じゃな。

何年生きておるのか…思い出すのも億劫になるわ」


「そんなに…。

長くなりそうだからまた改めて聞かせてもらうわ」


「うむ。それがよい。

さて、"我々も"始めるとするかの」


「始めるって…何をどうするのよ」


「そこは、神の仰せのままに…。じゃよ」


「"元"神様なんだから偉そうにしないでよ?」


「おっと、なかなか手厳しいのう。

冗談はさておき…覚悟はできておるな?」


「……やるしかないんでしょ。

やるわよ!何でもかかってきなさい!」

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