竜王の懐
155話目です。
―――やはり…戻ってきよったか…。
ジュゲ=ル=アンヴァス=ディラト=ヴォルグ=ライン=カナンよ。
―――力が欲しいか?
「あの時は…何も言わず師の下を去ったこと…
申し訳なく思っております…。
我が力を得るには…貴方のお力をお借りするしかありませぬ」
―――力を得てどうするというのだ……?
「我が師を…竜王を討伐致す…」
空間が割れるほどの轟音が鳴り響いた。
―――久方振りに笑うたわ…。
―――我を殺す相手を育てよというのか…。
―――おもしろい……良いだろう。
―――しかし、あの頃のように甘くはないぞ…?
―――ジュゲ=ル=アンヴァス=ディラト=ヴォルグ=ライン=カナンよ。覚悟はよいか…?
「いえ……一つだけ……」
―――なんだ…!
「我は、ジュゲ=ル=アンヴァス=ディラト=ヴォルグ=ライン=カナンではない…!
"ジラト"である…!
友がくれたこの名でここまで生き延びてきた…!」
―――ほう……真名を捨てるか…。それもよいだろう…。
―――…もう言い残すことは…ないな…?
そうしてジラトも、ジラトの道を歩み始めた。
ずっと旅をしてきた6人全員が、それぞれの場所に散らばった。
全員が漏れなく過酷な道を行く。
今までの旅が、冒険が、可愛く思える程の修行が今始まった。
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