表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神罰の英雄たち  作者: Anon
西の大陸編(前編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

152/199

別れ

151話目です。

それぞれの心音。

歯が軋む音。

膝を揺する振動。


それだけが空間を満たしていた。


誰も空気を振るわせない。



そのうち、皆は静かにバラけていき、

それでも尚自分と向き合い続けた。



オリバーは、ベッドで寝そべり考えていた。


今、何かを変えたからといってどうにもならない。

小手先じゃない純粋な強さ。

ずっと気づいていた。

ずっとずっと前から。

強さが足りない。

どうすればいいかもわからない。

でも……。


『強く、なりたいな』


心の声が、空間を振るわせた。


皆は驚き、オリバーの方を向く。



「だよな、大将…」


『あれ…?出てた…?』


「そりゃあもう、ハッキリとな。

強くなりてぇか…。うん、そうだよな…」


『クラウンも同じ?』


「当たりめぇだろうが。

初めて大将の力になれると思ったら、あのザマだ…。

死にたくなったよほんと…」


『死ねないけどね』


「うるせぇよ。

…あー、ダメ元なんだが、宛がねぇこともねぇぜ?」


『ダメ元でもいい。

試せることは全部やろうよ』


「そうか。

ここから少し離れた所になるんだが、

"マギステリウム"という場所がある。

魔法技術の最高峰だ。

ここならみんな強くなれる…が…、

受け入れてもらえるかはわからねぇ」


『マギステリウム…。

いいよ、行くだけ行ってみよう。

みんなもいいかな…?』


「…俺は……。

…うん、強くなりたい。

ついて行くぜ」


「私もよ。

こんな所で止まってられないわ」


「私もです。

魔法はあまり使えませんが、やれることはあるはずです」



「…………」


『ジラト、どうしたの…?』


「……我も強くならねばならぬ。

オリバーたちに助けてもらった恩もまだ返せておらぬ。

それに……この世界の果てを共に見届けたいのだ」


『そっか!じゃあ……』


「我はここで抜ける。

マギステリウムへは行けぬ」


『ジラト…!なんで…!?

一緒に行って強くなろうよ…!』


「共には行けぬ。

我の修行の場はそこではない」


『じゃあどうするんだよ!

ここでお別れなんて嫌だよ!』


「何も今生の別れとは言っておらぬだろう。

少し落ち着け。

我は、師の元で稽古をつけてもらう。

受け入れてくれるかは分からぬがな」


『師の元って…!

あの巨竜のところに行くの!?』


「そうだ、あの者は見境なく殺すそこらのたわけ者とはわけが違う。

この世の誰よりも聡い。そして、誰よりも強い。

我が力を乞うのにはちょうど良い。

まあ…、何も言わず去ったことも詫びねばならぬしな…」


『そっか…。

多分この話の前から決めてたんだよね?

それなら仕方ない…。

僕たちは一旦ここでお別れだね』


「ああ。…すまぬな、我儘を言って。

それだけ本気なのだと受け取ってくれぬか?」


『うん、わかってるよ。

僕たち、強くなったらまた会えるよね?』


「当たり前だ。さっきも言ったろう?

この世界の果てを共に見届けたいのだ。

オリバーと共にな。

我は"千年竜の背骨"にある集落にて待つ。

良い頃合いになったら訪ねてくれ」


『うん、わかったよ。

お互い頑張ろう』


「ああ。キリもよい。我は先に行く。

……じゃあな」


「ジラト……。絶対会いに行くからね!」


「ジラト!ぜってー強くなってやるからな!」


ジラトは振り返ることなく錆びついた扉を蹴破り、

仲間のいる小屋を後にした。


「ジラトの旦那…カッコいいなぁ…」



『僕たちも行こうか。マギステリウムへ!』

ご愛読ありがとうございます。

これからの投稿の励みになりますので、

宜しければブックマークと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ