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迷宮~新聞記者 津雲京介  作者: 村越 京三


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292/304

彷徨う出来事No.142~いちむじんに

少し前の出来事のお話である。

筆者は所用で病院へ伺った際に

懐かしい人物を見かけたので

思わず声をかけてしまった。

およそ10年ぶりの再会だからである。成長した姿を拝見すると

それだけ齢(よわい)を重ねたのだと

改めて実感している。

その人物は生まれた時から

腎臓に重たい病を抱えており、

激しい運動は禁止であると

医師からは告げられていた。

この重たい病を完治させるには

成長して手術しなければ完治するのは極めて難しいとされているからです。その後空気が澄んでいるとされているとある地方へと家族で移住をして、

転院を考えていたが地域には

大きい病院や専門医がいないため、

診察治療のために時間をかけて

病院へと出向いている

生活をしていました。

その人物は幼少の頃に家族で

地元のお祭りへ行った際に、

ある踊りを見て感動し参加したいと

思うようになった。この事を伝えると当然ながら猛反対であった。

激しい運動をすれば命の危機はおろかこの世から旅立だたねばならない

可能性が極めて高くなるからだと、

それでも生きた証として

何かを成し遂げたかったのかも

知れませんと話していた。

その後、その話を聞いた

踊りとあるチームが参加できるように

献身的にサポートをして、

練習を日々積み重ねて

当日無事に踊る事が出来ました。

のちにこの人物は手術を受けて

奇跡的な回復をして成長し

一昨年に結婚して、友人の出産の

お祝いと赤ちゃんの顔を見に病院に

来ていたのであります。

久々に都会に来られて嬉しかったと

朗らかな笑顔で話していたのが

印象に残っている。

このお話には少し続きがある。

それはこのお話を実写化しようという動きがあり多少なり脚色を加えた

映画が2010年(平成22年)9月に

“君が踊る、夏”というタイトルで

上映されました。

映画の中では病を抱えた少女が

最後に生命を全うするという形で

描かれていたが、

その辺は違うと言えるだろう。

映画の中では踊りのシーンを

撮影するために県や市や祭りの委員会のあらゆる人達へ協力を依頼し、

3日の道路封鎖という

交通規制をしたのである。

映画を通してこういったお祭りを

知ってもらいたいという

気持ちもあるのだろう。

踊りというのは日本全国各地だけではなく、世界のあらゆる国々と地域にも多種多様に存在しています。

一方で少し寂しい話もあります

人口減少や迷惑行為や

苦情等により、これまで培ってきた

伝統が途絶えてきている事も

紛れもない事実なのです。

昔の言葉で踊る時は“バカになれ!”と言われた事があります。

今なら何事だと騒ぎになりそうですがこの瞬間(とき)の想いを大切にして

一生懸命(いちむじん)に踊りを

楽しみなさいという意味合いが

含まれているのです。

日々の生活に翻弄されて

余裕を失っている人達が増えている

そんな時こそ、みんなで踊って

久々の懐かしの顔と顔とまでは

いかないかも知れませんが

思い出してみてはいかがでしょうか

踊りも間違える事もあります

忘れてしまっても時が経てば

童心に帰り身体が動いていく

ものでもあるのですから

最後に再会した人物の隣には

男性が付き添っていた。

どこか面影を感じていたが

あの時一緒に踊っていた○○ですと

挨拶された時は正直驚いた。

こうなるとは思わなかったと

○○は少し照れていたが

本心はその頃から想いを

寄せていたのだろう。

踊りを通して出会いと別れを

繰り返しながらたどり着いた

人生という歩みは、

まだ始まったばかりなのであります。

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