秋風ユウタとアイヤン村
アイヤン族が、秋風村を襲って、勝利した。アイヤン族の棟梁は、秋風村の人々のほとんどを、捕虜としてアイヤン村で働かせることにした。この中には、戦いの当時5歳であった、秋風村の村長の息子・秋風ユウタが含まれていた。
戦いの5年後。
秋風ユウタが10歳のとき。
秋風ユウタが、村から脱走した。
すぐにそのことが知られたわけではなかった。なぜなら、脱走したのは夜だったからだ。
秋風ユウタは学校に通っていた。脱走の翌日、秋風ユウタは学校に来ていなかった。無断欠席。連絡もつかない。だから、アイヤン族は脱走と判断した。
脱走とわかったとき、アイヤン族の棟梁は、怒っていた。命を助けて、居場所を確保して、学校にまで行かせてあげているのに、なんで逃亡したのだ、と。
「大変なことになりましたなぁ」
そうやって棟梁に声をかけてきたのは、魔王あいうえお。5年前、秋風村に勝てたのは、魔王あいうえおのおかげといっても過言ではない。戦いのあと、アイヤン村には、一部の魔物も正体を隠して生活していた。そのため、秋風ユウタなどは、魔物の存在を知らなかった。
「どうしましょうかねぇ」
魔王あいうえおは、棟梁にどうするかの回答を求めた。棟梁は、このことについて決めない、などという選択肢はない。
「決まっているだろう。秋風ユウタを捕獲せよ!」
こうして、アイヤン族+魔物は、秋風ユウタを捕まえることになったのである。
第一話に続く。
次回「三人」




