表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/47

26:任務を達成しました

 建国祭のあと、メーテルはアルシオとともにベツィリアの離宮へ向かった。

 薄暗くなってきた庭を進む。


(これで任務は完了しました)


 これでアルシオから頼まれた役目は終わった。

 エマに着替えさせてもらい、メーテルの本来の姿に戻る。


「ありがとうございます、エマさん」

「お礼を言うのはこちらのほうですよ。ベツィリア様を助けてくださって感謝します」


 言うと、エマはテキパキとドレスを片付けにいってしまった。


(やりきった感じはありますけど。寂しい気もしますね)


 それに、仲良くなってしまったからこそ、アルシオの今後が心配でもある。


「それにしても、まさか私が発見した怪しい男性が、ハインリー様の命を狙っていたとは。顔をしっかり覚えていてよかったです」

「一般の使用人に化けたり、給仕に化けたりと器用な奴だったな。捕まってよかったが、メーテルが飛び出したときは冷や冷やした」


「すみません。ハインリー様のこととなると、放っておけなくて……」

「まあそれが、メーテルのいいところだよな。本当に兄上はいい侍女を得たと思う」


 メーテルに心配されていることを知らないアルシオは、離宮の居間に到着すると、騎士らしく跪いてメーテルに礼を言った。


「メーテル、感謝する。おかげで、建国祭を乗り切ることが出来た。俺の寿命も延びたよ」

「そんな、アルシオさん、立って下さい。私のほうこそ、お世話になりました」


 役立たずなメーテルだが、ベツィリアの影武者として彼の役に立てて嬉しかった。

 必要としてもらえた。


「あの、ベツィリア王女は、今後は……?」

「予定通り、徐々にフェードアウトさせていくつもりだ。婚約者のエルロンことは……少し心配だけどな」


 立ち上がったアルシオは、何か気がかりな様子を見せている。

 メーテルはそんな彼が心配だった。


「こ、困ったことがあれば、いつでも声を掛けてくださいね」

「ありがとう、この礼は追って……」

「また離宮に顔を出してもいいですか?」

「もちろんだ」


 メーテルはただの侍女で、ベツィリアは王女。

 本来、おいそれと遊びには行けない身分差だ。

 それでも、彼が友人のように受け入れてくれて嬉しかった。


「それじゃあな」

「はい、失礼いたします」


 ちょっと寂しいけれど、これから先も、アルシオとしての彼と会うこともあるだろう。

 メーテルは軽い足取りで、離宮をあとにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ