07-Ⅱ
サルキオス様かぁ……。
………………うん、サルキオス様にだよね。
リーヴィはワイト団長から受け取った書類を大事に抱えながら、聖の騎士団院への道を足取りも重く進んでいた。
聖の騎士団院は、王宮の傍。
王宮に並立するように建てられていて、王宮からの急な呼び出しにも騎士たちがただちに馳せ参じられるように直通の門もある。
それだけに警備も厳重で、身分証の提示よりも顔パスでなければ通れない場所だった。
騎士数名が、使い走りをさせられる為に登録をする。
リーヴィもその数少ないうちの一人で、お使いを頼まれることが多かった。
王宮の警備と王の命令の為に常に控えているので、蒼、紅、緑の三騎士団とは違って、聖の騎士は別名王宮騎士団とも呼ばれている。
ため息を何度ついただろうか?
これが団長直々に頼まれた聖の騎士団関係の仕事でなければ、同期の騎士に頼むことも考えたかもしれない。残念な事に、道すがらそんな事を頼めそうな騎士は見当たらなかったけれど。
サルキオス様に会う事は今のリーヴィにとっては本当に大変なことだった。
あの話を聞いていなければ。
……こんな気持ちにならなかったのにな。
「あの話」を聞いたからこそ、恥ずかしすぎて仕方ない気持ちに先ほどから支配されていたリーヴィだったのに、すぐにでもその元凶とも言える人物に会いに行かなければならなくなるなんて。
いや、その話が無くても。
ほとぼりが冷めるまで、数日は会いたくなかったけれど。
そんな気持ちでぐるぐると頭の中で考えているうちに、顔が青くなったり赤くなったり、逃げ出したい気持ちでいっぱいになる。
いや、もうサルキオス様はなんとも思ってないっていうか。
私の顔なんて覚えてないだろうしっ!!
そう自分に言い聞かせて、足が止まりそうになるのを誤魔化しつつ、先ほどの同僚ヒルデとの会話を頭の中から排除しようと、リーヴィは頭を振った。
先ほどの会話というのは……。




