↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
67/70

第10章 その8 別れ 出発

ドゥルゥゥゥゥゥゥゥン!……

EXPのエンジンが鳴り響く中、ドラゴノイド達に見守られてエクスプローラーズは乗り込んで行く。

ルーシー「あーー、楽しかったなーー。また絶対に来ようね〜」

皆それぞれに現実離れした、この地の余韻に浸っている中、1人の男は不安と不満でいっぱいであった。

「計算上は可能だが、少しのズレも許されない。失敗したら真っ逆さま」

ブツブツ

ヴィクターは、リアムに離着陸の方法を提案されて計算を担当した。

可能とは答えたが、それが如何に難易度が高いことかも理解してるので不安で仕方なかった。

ドゥルゥゥゥゥゥゥゥン!……

バババババババババ!!……

エンジンとプロペラ音が入り交じり、爆音を放つEXP。

外を見るとドラゴノイド達が、こちらを見て手を振っているが、もう声は届かない。

リアム「では!出発します!!」

更にエンジン音は高まり、プロペラの回転速度が上がり、EXPはゆっくり前進し始めた。

ガッ…

ガーーーーーーーー

車輪は地面を蹴り加速して行く。

バババババババババババ…!

プロペラ音と共に次第に加速していく。

見送るバムは、外から眺めながら言った。

「これがもうすぐ飛ぶのか。凄いもんだな。」

リヨ「そうね、楽しみ」

ババババババババババババババババ

ガーーーーーーーー

リアム「行くぞーー!行ける!行ける!」

(行けるってなんだ?離陸するだけだろう?)

自身のズボンを強く握り、ヴィクターが言う。

「むーーー。やはり微妙なところだ……」

EXPは加速しながら、次第に岩山の断崖絶壁に近付いて行く。

ここへ来て、飛行機に別に詳しくない他のメンバーも気付いた。

「なんか遅くねぇ?」

リアムは、皆の心配をよそにめいいっぱい加速して機体を進ませる。

その時。

ガッ……

EXPは、崖から離陸した。

ルーシー「ねえ!ねぇ!!これ!なんか落ちてるよね!?」

加速が足りずに、機体はやや下方向に落ちている。

ヴィンス「あ、ああ!これヤバいよな!リアム!落ちるぞ!」

機内騒然となりながら、EXPは重力に引っ張られグングン加速している。

「うわーーーーー!!!!」

リアムは、皆の騒ぎを気にも止めずにレバーを操作した。

「今だ!!!!」

出発直前に増設した、可動式翼が角度を変えて落下による空気抵抗を受け止めた。

ビュオーーーーーーーー

フワッ………

30mほど降下したものの、機体は前へ、そして上へ舞い上がった。

その様子をドラゴノイド達は呆気に取られるように一部始終見ていた。

リヨ「ねぇ?思ってたのと違くなかった?なんか落ちてた様な気が……」

バム 「あ、あぁ…俺も、そう思った。リアムが翼竜での飛び方説明してたのとだいぶ違っていた……」

ババババババババババババババ…

ビュオーーーーーーーー

リアムはEXPの体勢を持ち直して安定飛行に入った。

「よーし!上手く行ったぞーー!成功だー!」

エドワード「ふーーぅ肝を冷やしたが、ほぼ想像通りだったな!」

機体は安定したものの、心拍数が極限まで上がり、呆然とした状態でヴィンスが口を開く。

「待て待てー!上手くいった!?想像通り!?なんだ今のは!死ぬかと思ったぞ!」

リアムは興奮気味に嬉しそうに言った。

「あーいえ、50mでは加速距離が足りないんで、落下の加速を足せる設計にしたんですよ。上手く行きました!!」

ヴィンス「ほぉーー。凄いな3枚目の翼は、その為に……

って、そこじゃねーよ!俺達は何も聞かされてなかったぞ!」

額に手のひらを当てて、リアムは答えた。

「あちゃ、すみません。ヴィクターさんに聞いたら50%くらいの確率で成功出来ると言ってくれたので」

な、な、なに!?

「50%!?半々じゃねーか!?」

自身の胸を押えて、ヴィクターが話に入った。

「50%ではない。48.64%だ」

減ってる……。

ヴィンス「なんで事前に教えてくれなかったんだ?先に知ってれば」

と言いかけたところを被せるように、リアムが聞いた。

「やめました??事前に説明したら行くのやめる人、ここに居ませんよね?

でも、これから何か変わった性能作ったら事前に説明しますね。すみませんでした」

リアムは論破する気も悪意もなーーんにも無いが、ヴィンスはリヨに続きリアムにまでやられた様な気持ちになり、ぐうの音も出なかった。

クイクイ

「死ぬかと思ったけど、めっちゃ楽しかったよ〜やるじゃん!リアム!」

クイクイ

「上手く行って良かったよ、怖が らせてゴメンね!ルーシー」

EXPは、旋回し南へ向けて飛び立って行った。

一言も発さずに静かに、何も言わずに余裕を見せていたガントは人知れず暫く失神していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。