第10章 その3 惚れるバカ惚れられるバカ
レオン「はぁはぁはぁっ…やったのか?」
巨大なレックスが横たわっている。
バム「あぁ、よくやったな。しかし油断は出来ん。」
バムとゼグが、レックスに近づいて行く。
2人が頭部に乗って、武器を構えると…。
ガッ
ドゴォ!………
ガッ
ドゴォ!……
レオン「うぅわっ」
バム「もう大丈夫だ各自、必要な肉を持って帰ってくれ」
ドラゴノイド達は手際よくレックスの肉、皮、骨に至るまで持ち帰って行った。
呆然としながら、レオンが質問する。
「この余った肉は、どうするんですか?」
バム「お前達の夕飯だ。必要な分、持って帰れ。それからコイツのキバを1本持って帰れ。俺達の中では勇気の証になる」
グン「俺も良いかな!?ちゃんと参加したのは初めてだから」
バムは、グンの頭に手をぽんと置いて言った。
「あぁ、そうだな。1番デカイやつを取ると良い」
グンは、鼻の下を人差し指でこすりキバを取り始めた。
レオン「バムさん、これはどの辺を取れば良いですか?」
バムは、指を指して言った。
「この辺だな。こいつの脚は発達していて栄養価が高いし、味も美味いぞ。多めに持っていけ。向こうにお土産になるぞ」
レオンは、自身のナイフを取り出すと肉を切り始める。
その様子を見ながら、バムは皮を剥ぎ、切り始めた。
レオン「これくらいですかね!」
バムに言われた通りレオンは、30kg程の肉の塊を切り取った。
バムは、それを一旦受け取ると手馴れた手付きでレックスの皮で包み、レオンに背負わせた。
「これで歩けるか?」
レオン「大丈夫です!」
戦場で武器を持ち歩き、サバイバル経験も豊富なレオンにとっては、言わば通常の装備みたいなものだった。
ーーー岩山では。
ヴィンス「静かになったな。レオンは大丈夫か?」
アルベルト「バム達と一緒だから大丈夫だろ?何が起きていたんだ?」
リヨが、2人の会話を聞いて割って入る様に言う。
「狩りをしてたんだよ。多分レックス」
ヴィンス「レックス?レックスってなんだ?」
リヨ
「大型のDodで肉食で、腕が小さくて、10mくらいで…」
ヴィンス「………いっ!?デビルじゃねーか!!あんな装備で倒せるのか!?」
リヨ「大勢で狩るんだよ!グンが先に言ったのは仲間を集めに行ったの」
ヴィンスとアルベルトは、顔を見合わせて、呆気に取られた。
ルーシー 「アイツすげーなー、バムさんなんで連れてったんだろう」
リヨ「今まで、バムに目をかけられたヤツはその後リーダーになってるよ。ヴィンスの様になれると思ったんじゃない?」
ヴィンスは頭を掻き、照れくさそうに言った。「俺は、そんな大したもんじゃないけどな。アイツが色んな経験をするのは大賛成だ」
ーーー再び地上
バム「陽が落ちる前に岩山に戻るか。一旦一緒に行こう」
レオン「はい!ありがとうございます!」
…………っておいっ。
これ背負って、50mの岩山をロープで登るのか?
負けず嫌いのレオンは、そんな事も言い出せず岩山に向かう。
道中バムが、レオンに話しかける。
「そこの川で顔を洗って水を飲んでおけ。飲みすぎるなよ」
タタタタタ
川に駆け寄り、顔を洗うレオン。
「おぉ冷たいな、気持ちいい。 美味ーーー」
……バッシャーーーーー!!
水中からワニが、現れレオンを襲った。
「おっ、うわぁーー!!」
慌てて身をよじり間一髪後方に回避した。
バム「あ、そこのワニはいきなり襲って来るから気をつけろよ。肉の匂いがしたんだろう」
レオン「は、はいっ!あっぶねぇ」(先言えよ!死にかけただろ!)
そんなアクシデントは、あったが岩山に到着した。
バム「グンは先に登れ。その後、俺、レオン、ゼグの順番で登る。」
グン「わかった!先に行ってます」
軽快にロープを登り、グンはあっという間に頂上に到着した。
レオン「さてと…」
グッ
そこは、フィジカルモンスターレオン。30kgの「オモリ」をものともせずにぐんぐん登って行く。
ゼグ「ほぉ〜大したものだな。人間で、ここまで出来るものか」
順調に30m付近の待避所まで、到着したがレオンの身体が悲鳴をあげはじめる。
手のひらの擦り傷、握力の低下。30kgのオモリで肩に食い込むロープ。
全てが重くのしかかる。
バム「レオンいけるか??無理はするなよ!」
レオン「大丈夫ですよ!!今そっちに行きます!」
グッ
「オラアァァァァァ!!」
なりふり構わず、叫びながら登り始めるレオン。
残り2m 1m……
到着。残り10m。
上から覗き込む、あの3人。
アルベルト「おぉ、登ってきたぞ〜流石だな。」
ヴィンス「あぁ、ん??アイツなんか背負ってないか?」
ルーシー「なんか恐竜の皮みたいなヤツ背負ってるね」
リヨが笑いながら寄って来た。
「あはははレオンくん肉背負わされてるよ!」
バム「あぁ、帰還時の土産の分も持っていく様に言ったら30kgくらい取ってたよ」
ヴィンス「……え?アイツ30kg背負って、そこまで登って来たのか?」
アルベルト 「本当に面白いヤツだな!うちの軍にくれよ!」
ヴィンス「ダメだ。やらん」
周りは意味がわからないが、二人で大笑いしている。
その様子を下から見上げるレオン。
「はぁはぁ…クソォあいつら、何笑ってやがるんだ?はぁはぁ…」
………はっ!
「俺が登れなくて、参ってると思ってるんだな? 絶対負けられん。」
レオンの謎の緊急用エネルギーが発動した。
「ウオラァァァァ!!!」
最後の10mは、ハシゴ作りになっている。
比較的に安全に登れる。
ハズなのに、何故かロープだけ使って登り始めたレオン。
アルベルト「ん?アイツ、ハシゴ使ってないぞ」
ヴィンス「ホントにアイツだけは……」
笑いの止まらない二人。
レオン「なんだ?クソ!!遅いのか?遅いんだな!?オラァァァァァァァァァァァァァ!!」
ザッ
ドタンっ
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…」
レオン無事制覇。
ヴィンスが笑いながら言った。「お前すげーな!最後、なんなら加速したよな?」
レオン「はぁはぁ…ヴァ、ヴァンダイン少佐…あなたにだけは、かっこ悪いところ、見せられませんから…はぁはぁ」
アルベルト「ヴィンス!やっぱりレオン、うちにくれよ!!」
ヴィンス「絶対にだめだ!」
今度は、皆の笑いが鳴り響いた。




