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第10章その2 想像の上のそのまた上

ウガオォォォォォォォォォォ!!!…… 木々の枝葉が、揺れる様な凄まじい咆哮。 威嚇行為だ。 これだけの群れの前で咆哮すると萎縮して、動きが止まる個体を見極めてソイツを喰らおうとする。


バム「レオン!!左回りでヤツの背後に回り込め!!狙われるぞ!!」


レオン「はい!!」 猛烈なダッシュで、どうにか「コイツ」と判断されずに済んだレオン。 一定の距離を保ち、周りを取り囲むドラゴノイド達。 これは、レックスがアクションを起こしても届かない距離を理解して自分の方に傾いてきたら回避できる距離だ。


バム「レオン!!コイツにフィジカルで勝てる事があるとしたらなんだ!?」


レオンが上を見上げながら答える。 「え……スピード?…勝てるかな?……」 「あ!!小回り!小回りです!!!」 バム「そうだ!お前は常にコイツの後ろにいろ!シッポに巻き込まれるなよ!ぶっ叩かれたら死ぬぞ!」


レオン「ハァハァ…はい!!」(なんで俺の上官は、こんなヤツばっかりなんだ??) ドラゴノイド達が、面倒な距離を保っている為に様子を見るレックス。


「レオン!槍を構えろ!刃先は下に向けろ」


そう指示を出すと、バムはレックスの正面に立った。


「コイツだ。」そう決めたレックスは、バムに襲いかかった。 バムの身体より巨大な口を開け、かじりつこうとした瞬間…


グゥゥゥゥン


レックスの上体は起き上がり、バムからその顔が離れて行く。


ゼグを先頭に数名のドラゴノイドがしっぽに飛び乗ったのだ。 この手の恐竜は、巨大なシッポで前後のバランスを保っている。シッポに重みが加わるとシーソーの様に起き上がってしまう。


ゼグ「レオン!!ここだ!!地面ごと貫け!!振り払わられる前にだ!」


レオン「…えっ、なんで毎回ギリギリで言うんだ!」


レオンは、槍を大きく振りかぶってシッポの先端近くの細い部分を目掛けて全力で突きおろした。


グッサッ

槍は、地面ごと貫いた。 バム「レオン!離れろ!暴れるぞ!!」 クッ… 慌てて、距離を取った時には周りのドラゴノイド達は既に離れている。 ゼグを除いて。 バチィーーーーン! ゼグは、ハンマーを振り下ろし槍を更に地中へと打ち付けた。 これでレックスは、簡単には動けなくなった。


レオン(なんなんだこれは。ほとんど指示もなく勝手に皆動いてるじゃないか)


ウガォォォォォォォォ!!…


レックスは、明らかに怒り狂って周囲を見渡す。


バム「ここからだ!グン!お前が行け!」 初めて指示らしい指示がレオン以外に出された。


グンは大きく深呼吸をして答えた。「はい!!行くぜ!!」


グンは、レックスの後ろに回り込みレオンの前を通り過ぎながら言う。 「怖えぇ。俺初めてだ」 レオンにだけ聞こえる声で言うと、レックスの背中を駆け上がった。 「うおぉぉぉーー!!!」 そのまま背中の上で前方宙返りをすると、その勢いを利用してレックスの背中に突き刺した。 チクッ あれだけの勢いで、突き刺したにも関わらず僅かに皮膚に刺さっただけだった。


バム「よーし!良いぞ!!そのまま離すなよー!!」 「ゼグ!!」 バムとゼグも後ろに回り込み、ぜグは腰を落としてバムの足を両手に乗せた。


ゼグ「行くぞ!!」 ドギューーーーン!!… ゼグの持ち上げる力を利用して、バムが空高く舞い上がった。 そのまま、グンの持つ槍目掛けて急降下。 着地の瞬間更に蹴り足を伸ばし、力を加えた。 グサァァァァ… ドゴン!! 槍は奥深く突き刺さり、更にバムの体重の乗せた蹴りがレックスに炸裂した。 ゴロゴロゴロゴロ 急に持つ所の無くなったグンは下に転げ落ちる。 レオン「危ねぇ!!」 ガシッ 転げ落ちるグンを抱きとめて、その場から引き離した。


グガオォォォォォォォォォ!… 威嚇の時とは違い、明らかに苦しそうな咆哮が鳴り響く。


レオン「や、やったか!?」 バム「油断するな!!」


ボッコォォォォォ ブゥーーーーン… 躍起になったレックスは、シッポに刺さった槍を力任せに抜いて振り回した。 近くにいるドラゴノイドに襲いかかった。 しかし彼らは、レックスの両脇をすり抜け後方に回った。 大型の割にはスピードがあるが、レックスは方向転換が苦手だった。 バム「レオン!!!レックスの後方をキープしろ!」 ……その時。 ブオォーーーーーン ドガァッーー!!


大岩が振り子のように現れ、レックスの側頭部を直撃した。


ズゥゥゥゥゥンン… 地響きを鳴らし、その場にレックスは横たわった。


彼らは、たまたまここで待っていた訳ではなく大木を利用して大岩の罠を仕掛けてあるここにおびき寄せて戦ったのだった。

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