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第9章その7 降りたり登ったり

バム 「よーし。焼けたぞ。食ってみるか?」

レオン「はい、いただきます!」

肉の焼ける匂いと、物珍しさで他の連中も集まって来ている。

真っ先にレオンが、かぶりついた。

レオン「う、美味い!!独特なクセが強いが、めちゃくちゃ美味いです」

ヴィンス「ほぉ、そんなに美味いのか?俺も貰って良いか?」

バム「そのつもりだ。皆で食ってくれ」

ヴィンスに便乗してアルベルトも食べる。

ヴィンス

アルベルト 「クセあるなーーーー」

ヴィンス「独特だが、美味いな。食った事ない味だ」

リアム「俺もいただきます!……うん、美味い、美味いです」

続けて、エドワード、ヴィクター、ガントも食べたがお気に召さなかった様だ。

レオン 「もう1枚良いですか!?美味い」

バムが少し嬉しそうに言う。

「あぁ、全部食べても良いぞ狩りに行けば良い」

結局、レオン3kg ヴィンス、アルベルト1kg リアム500gほど平らげた。

ついでにグンも3kg程食べていた。

バム 「わかるか?実はこれは好みだけじゃないんだ。コンディションなどに寄り身体が欲すると美味く感じる」

エドワード「なるほど元々肉体派の彼らと我々で違うんだ。更にレオンは身体を動かしたから、大量に身体が欲した」

ヴィクター「ですね。それだけ栄養価が高く回復に効く。ドラゴノイドが、この環境で生き抜く助けになっていますね」

※経口補水液を想像してもらうと、わかりやすい。脱水症状になると身体が欲して飲みやすくなる。

レオン「ちょ…待って下さい!なんだか筋肉が回復してる感じがします」

バム「あぁ俺達も疲労してる時に食べると回復が早い気がする。詳しくはわからんが、あってると思うぞ」

ーーーその頃。

リヨ 「お、バム達が肉焼いてるよ」

ルーシー 「え?なんで?わかるの?」

リヨ 「ん?焼いてる匂いするでしょ」

窓際に立って、大きく息を吸ってみるがルーシーにはわからない。

リヨ 「食べに行く?」

ルーシー「あ……あそこに戻らなければならないんだった!」

先程まで、泣いて居たことなど忘れるかの様に現実に戻された。

リヨ「あそこは10m置きに、待避所があるから自力で登れる?ゼグに引き上げて貰う方法もあるけど」

ルーシー「………どっちも怖えーーー。どうしよ」

そうは言っても、ルーシーはそんじょそこらの女性ではない。どこか楽しそうに悩んでいる。

……あ。

その前にここから降りなければならない。

リヨ「とりあえず降りようか。ゼグに声掛けるね」

リヨが入口に立ち、下を見下ろすとゼグが小型の恐竜を背後から締め上げている。

リヨ「お!ゼグが狩りをしてるよ!」

ルーシーが、小走りで見に行くと、なんとリトルボーイを後ろから締め上げて既にグッタリしていた。

「えーー!?あいつマシンガンでどうにか倒した奴じゃん!ゼグって、あんなに強いの!?」

リヨ「うん、ドライムの中でも素手でDodを倒せるヤツは、あまりいないよ。武器が要る。ルーシーが来てるから静かに終わらせる為に、ああしたんだと思うよ」

ルーシー「わー優しいんだね。あのバムって人でも素手じゃ無理なの?」

リヨ「バムは倒せるけど、派手だね。私がヴィンスを蹴った時の蹴りをバムがやると、あれくらいの奴だったら、一撃でくの字になるよ」

ルーシー「うへぇ……あの人やっぱり物凄いんだね〜ヴィンスがリトルボーイ蹴った時はビクともしなかったよ」

リヨ「え?蹴ったの!?なんで?無理なの解るはずよね!?」

(私を助ける為に、自分に気を引かせる様に……)

ルーシー 「知らなーーい。馬鹿なんだと思うよ!勝てると思ったんじゃない?」

リヨ 「ふーーん。そんなのわからない奴には見えないけどなー」

ルーシー「あはは、アイツらバカばっかりだよ!戻ろっ」

リヨ 「ゼグーー!!今降りても大丈夫ー!?」

ゼグ 「大丈夫だ!今のハントの気配で暫くDodは寄って来ない」

大型の恐竜は話が変わって来るが、ゼグのヤバい気配を察してリトルボーイは寄って来ない。彼らもまた生きようとしているのだ。

リヨ「ルーシー来て、さっきの付けるから」

「よしっ」と、ルーシーの背中を優しく叩いた。

リヨ「ゼグーー!OK!降ろしてーー!」

ルーシー「んと……これ、一旦自分でぶら下がるのよね?

」

リヨ 「いや、ちがうよっ」

リヨは、そう言うとルーシーもろとも飛び降りた。

ルーシー「え?あっ、うわーーーー!」

勢い良く落下し始めたが、中腹から失速し、次第にゆっくりになり最後には、自重がふわっと脚に乗った。

ゼグの力加減で、素早く且つ安全にルーシーが壊れない様に加減した降ろし方だった。

リヨ「馬(に似た恐竜)居るのよね?近いけど馬で行こう。安全だしルーシーも楽しめるでしょ」

ゼグ 「あぁ近くに居る。呼ぶな」

キィーーーーーーーー…

声??

翼竜を呼んだ時の指笛とは明らかに違う高音をゼグが鳴らした。

ブルゥッ……

近くに居たと言うだけあって、気付くとルーシー背後に2頭の馬の様な生き物がいた。

ルーシー「おっおぉぉ……強そうな馬!近くで見ると迫力あるね」

リヨは、スっと馬の背中に乗ると手を差し伸べた。

「行こうっルーシー」

リヨとルーシーが乗った馬が先に、ゼグは後ろから見守れる様に少し遅れる様に岩山に向かった。

ーー到着

何事もなく、断崖絶壁の岩山の麓(ふもと)に着いたものの……

ルーシー「OK!これなら登れるよ!キツかったら待避所で休む」

リヨ 「お、行ける?私が先に行くね。ゼグは下から守ってくれるから」

ガシッ

バパババババッ

瞬く間に、最初の待避所にリヨは上がって

「ルーシー!!とりあえずここまで!来てみて」

ルーシー「OK!行くね」

ガシッ

当然、リヨの様なスピードは無いが力強くスムーズに第1待避所まで登り切った。

ルーシー「ふぅ〜。これ後4回かなかなか効くね」

※10mのロープ登りを侮ってはいけない。現代の建物で言うと4階のフロアに相当する。

リヨ「どう?まだ行ける?休み過ぎると最後まで持たないよ」

ルーシー「OK!もう次に行こう!」

……そのまま、20m 30m 40mと登り切ったが、ルーシーの握力は限界を迎えていた。

ルーシー「ヤバい……握り込む力が入らない。そして、ここすげー怖ぇ!」

握力だけではなく、背中や脚に疲労を溜めた状態での手すりも何も無い地上40m。

落ちるイメージが湧くのだろう。

リヨ「危なかったらやめよう。ここまで来れば滑車でも上げやすいから、上にバム達も居るし上げるよ」

ルーシー「……んーー。自分で上がる。アイツら上に居るから」

ルーシーの負けず嫌いにスイッチが入ってしまった。

リヨ「あはは、わかったよ先に上に行くね」

と言いながら、すぐ下にいるゼグに合図をした。

ゼグは、理解している様子で小さく頷いた。

万が一の場合は、ゼグがキャッチすると言う保険があるから、リヨは承諾したのだ。


ルーシー「よし!!じゃあ行こうか!」

気合いを入れ直して、ルーシーは最後のロープを登り始めた。

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