第三話 遊園地に潜む悪意――激突 ディストレイVSピエロ
「ギャアアアア!」
雷がピエロの体をある程度貫くと、雷は収まり雷雲は黄色の結界へと変わり広がる。
そして炎の柱は一瞬で氷になり、その中から現れたのは全長十メートルを超える巨神――ディメンダム、ディストレイ。
紅蓮の装甲に身を包んだ巨人は氷の柱は粉々に砕いて、この世を乱す敵を睨みつける。
「柿谷! 森山さん! 全員、こっちだ!」
「ちょ、ちょっと、一体あれは何なんですか!」
「説明はあとで、ゲートオープン」
狼狽えて説明を求める森山を制しして、ディストレイのコクピットへと繋がるゲートを開く。
「なっ、今度は何なのよ!」
「おお、これはコクピットへ行けるのでは」
そのまま全員漆黒の穴へ落下。
次に目を開けると、そこはディストレイのコクピットにいた。
「状況は把握しているな、相棒!」
『もちろんだとも』
「なら、話は早い。終わらせるぞ」
目の前に広がる立体スクリーンには、異形と化したピエロの姿が映っていた。もはや、元の姿はどこにもない。ただの怪物だ。
「みんな、無事か?」
振り返ると、柿谷と森山、そして三人の生存者が、コクピットの後方で座り込んでいた。
柿谷は歓喜し、森山は驚愕していたが、あとの三人はまだ意識の混濁が見られている。
「相変わらずすごいな、コクピットから見る光景は」
柿谷が目を輝かせる。
「これで、あの怪物を倒せるのね」
森山が妹を抱きしめながら叫ぶ。
「もちろんです」
私は操縦桿を握り、正面のスクリーンを見据えた。
「さぁ、行こう! ディストレイ!」
『うむ』
巨神が一歩を踏み出す。その足音が、地響きとなって劇場を揺らした。
怪物と化したピエロが、無数の眼球を一斉にこちらに向ける。
「ギ……アア……アソボ……アソボ……!」
もはや意味をなさない言葉を吐きながら、ピエロが飛びかかってきた。
「まずはその無駄な触手、切り落とす!」
ディストレイの右手の甲から、浄化の炎を纏ったオリルフィアが飛び出す。真紅に燃え上がる刀身が、ピエロの触手を一閃の元に斬り裂いた。
「ギャアアア!!」
ピエロの断末魔が劇場に木霊する。ピエロの断末魔が劇場に木霊する。浄化の炎を纏ったオリルフィアが、背中から生えた触手の半数以上を一瞬で焼き斬った。切断面から黒い霧が噴き出すが、それも浄化の炎に触れて蒸発していく。
「ア……アソボ……アソボヨ……!」
それでもピエロは止まらない。いや、止まれないのだ。
おそらく、強制的に『受肉』された影響で破壊衝動が、ピエロ自身の意思を完全に塗りつぶしているのだと思う。無数の眼球が一斉に私を見据え、鉤爪の生えた両腕がディストレイの胸部目掛けて伸びてきた。




