↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
117/163

第五話 森山花蓮の受難――次の日

 翌朝、午前八時。

 まだ店を開けるには早い時間だったが、私はすでにカウンターの奥で準備を整えていた。

 テーブルの上にはドリームパークの時に使用した『対霊用特製銃弾』十五発と、ディストレイと共同で開発をした一度だけあらゆる呪いを防ぐという古いお札が一枚。そして、柿谷用に『浄化の炎』入りのマッチの箱と、同じお札をもう一枚用意してある。

 カチリ、と時計の針が八時を指した瞬間店のドアベルが鳴った。

「おはようございます、紅さん」

 入ってきたのは森山花蓮だった。

 昨日より少し痩せたように見える。一晩中眠れなかったのだろう。目の下には濃い隈ができていた。しかしその背筋は真っ直ぐで、刑事としての気迫を失ってはいない。

「おはようございます。よく来てくれました」

 私は彼女をカウンター席に招き、用意していた品を差し出した。

「これは、ドリームパークの時に使った対霊用特製銃弾です。一発一発に私の力が込められています。そしてこちらが、一度だけあらゆる呪いを防ぐお札です。肌身離さず持っていてください」

「ありがとうございます……」

 花蓮は弾丸とお札を慎重に受け取り、ジャケットの内ポケットにしまった。

 その時再びドアベルが鳴り柿谷信也が入ってきた。彼はすでに現状を把握しているらしく、その目には強い決意の光が宿っている。

「よぉ翔太、森山さん。お待たせ」

「来たな」

「柿谷さん、わざわざすみません」

「いいんですよ。俺もオカルトライターの端くれだ。こういう時に役に立たないと」

 柿谷に『浄化の炎』入りのマッチの箱とお札を渡す。彼はそれらをショルダーバッグにしまうと、私の顔をまっすぐ見た。

「で、俺たちは何をすればいい?」

「二人には、あの赤いワンピースの女性について調べてほしい。私は写真の謎をこちらで引き受ける。手分けして、明日の夜八時までに何か手がかりを見つけたい」

「わかった。マンションの周辺を当たってみる。住人に聞き込みもする」

 花蓮が力強く頷く。

 刑事としての顔に戻っている。

「私も同行します。オカルト的な視点と、警察の情報網両方使えるはずです」

「お願いします。何かあればすぐに連絡をください。私はこの写真の数字の謎を解き明かします」

「ええ」

 二人は揃って店を出て行った。

 ドアベルが鳴り、店内に静寂が戻る。

 私は写真の入った封筒を手に取り、改めて三枚の写真を見つめた。

 30と54の数字。

 そして真っ黒に塗りつぶされた写真。

 この数字が何を意味するのか。

 被害者は必死に調べたがわからなかったという。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。