百八十六.好機は逃さないこと
「なにっ!? そ、曹操が兗州にて私と共に暮らしたいと!!」
「Exactly(その通りでございます)。我が主様はご老公のことを大層に心配しております。使いの者風情の私が言うのもアレですが・・・家族は一緒に住むのが一番かと思われます。」
「おおっ!もちろんだとも!すぐに兗州に向かうとしよう!!」
応劭の話を聞いて、曹嵩は顔を綻ばせて大変に喜んだ。
「それみろ!やはり私の眼に狂いは無かった!どんなもんじゃい!!」
曹嵩は手を叩き、はしゃぎにはしゃいだ。
「あやつの叔父も親類も、皆口を揃えて、『あやつはうつけじゃ!キチ〇イじゃ!不良でチンでポンポコピーじゃ!!』と悪く言っておったが・・・ほれ見てみろ!あやつは立派に成長しおった!わしが予見していた通りにじゃ!わしだけが、あやつの素質を見抜いておった!!わしの眼に狂いはなかったんじゃーーー!!」
曹嵩は何度も、何度も繰り返し召使いたちに自慢して、その喜びを爆発させていた。
そして一通り喜んだ後、曹嵩は召使いたちに家財道具を車に積ませ、早々と兗州へと出発したのであった。
場面は変わり徐州にて。
徐州の太守『陶謙』は城内にて、とある話を耳にしていた。
「なにっ!? 曹操殿の父上君がこの地を通ると!!」
「左様です。曹嵩殿は曹操殿のいる兗州へと引っ越されるそうです。その過程でこの地を通るとのことにございます。」
「ほほう、なるほどなるほど。・・・これは曹操殿と誼を結ぶチャンスじゃわい。すぐに曹嵩殿をもてなす準備をするとしよう。」
曹操の盛名は世に広がっており、陶謙は以前より折があれば曹操と誼を結びたいと考えていたのだ。
そしてそのチャンスが訪れたとあって、陶謙は曹嵩をもてなす準備を始めたのであった。




