百八十七.仕事だと割り切ること
曹嵩と陶謙は、今、徐州城の宴会場で2人仲良く談笑していた。
「よく来てくださいました、曹嵩殿。今宵はこの城でごゆるりとお過ごしくださいませ。」
「いえいえ、こちらこそお世話になり申す。」
2人は杯を合わせて乾杯を取った。
そして、陶謙は曹嵩の機嫌を取るべく、彼の息子である曹操についての話題に触れた。
「曹嵩殿の息子さんの曹操殿の活躍はよく耳に届いております。立派な息子さんを持たれて羨ましい限りですわい。」
「ほ、ほほう・・・息子の活躍が徐州にも届いておりましたか。」
「ええ、もちろんですとも。『秀外恵中!生気溌溂!今を時めく絶世の貴公子!その名は曹孟徳!』と国中でもっぱらの噂ですぞ。」
「そ、そうですか!そうですか!いや~あやつはですな~子供の時から優秀ででしてな~・・・。」
陶謙の世辞を聞いて曹嵩は上機嫌となった。
クドクドとベタベタとアンアンとルンルンと曹嵩は息子の自慢話を延々と続けた。
それを上手に聞き入れ、適度の相槌で曹嵩の機嫌を取る陶謙。
聞き上手の陶謙により、曹嵩の機嫌は最高潮となったのであった。
それから数日後、曹嵩は陶謙のもてなしに深々と感謝をして徐州を出発した。
その際、陶謙は部下の張闓に500の兵隊をつけて道中の護衛を任せることにした。
「張闓よ。途中で間違いのないように、曹嵩殿を兗州に送り申し上げるのだぞ。」
「・・・わかりました。(チッ!気に入らねえな!!)」
張闓は顔には出さなかったものの、内心ではこの任務が気に入らなかった。
(こんな老いぼれジジィを送り届ける必要がどこにある!アホ臭くて堪らんわ!あ~めんどくせぇ!!)
張闓はグチグチと文句を言いながら兵を配備し、曹嵩の護衛を務め始めたのであった。




