あたたかい食事-5
───
──
─
「(あの連続不審死には、恐らくあの人が関与している。そんな気がしてならない。
あの人は、何がしたくて逃げたのだろう。
もしあの人が事件に関与して、警察に私のことを話したら、私はどうなるんだろう)」
渚が考こんでいると、スマホからポップな音が鳴った。
画面には椿からのメッセージ通知が表示されている。
《夕飯、どうする?この前テレビでやっていたサラダ屋さんの近くにいるから、テイクアウトしようと思ってるんだけど》
メッセージを読んだ渚は、渚はビルトイン冷蔵庫の扉を開けて、じっと中身を確認した。
《じゃあ、帰ってくる時間に合わせて、チキン焼くよ!》
《了解!》
渚は気持ちを切り替えるように伸びをして、息を思い切り吐くと、鶏肉を焼く準備を始めた。
下味をつけた鶏肉を、フライパンにそっと寝かせると、ジュワッと焼ける音と、油がパチパチと跳ねる音が重なっていく。
「(料理って楽しいな。聡馬は私が台所に立つのも嫌がったから)」
鶏肉が焼ける香ばしいにおいで、渚はホテルに潜伏していたときに食べたものを思い出した。
椿に出会えるまでに、ネットカフェで食べたソフトクリームと、メロン味のフローズン、コンビニのハムカツ、興味本位で食べた肉が3枚入っているチーズバーガー。
そして、椿の家に来たばかりのとき「怒る人は誰もいない」と言ってもらって食べた、フライドポテト。
ジャンキーで罪悪感があったけど、自由の味がした。




