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人魚の雫  作者: 麻婆
あたたかい食事

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48/49

あたたかい食事-5

 

───

──

 

 

「(あの連続不審死には、恐らくあの人が関与している。そんな気がしてならない。

あの人は、何がしたくて逃げたのだろう。

もしあの人が事件に関与して、警察に私のことを話したら、私はどうなるんだろう)」

 

 

 渚が考こんでいると、スマホからポップな音が鳴った。

 

 画面には椿からのメッセージ通知が表示されている。

 

《夕飯、どうする?この前テレビでやっていたサラダ屋さんの近くにいるから、テイクアウトしようと思ってるんだけど》



 メッセージを読んだ渚は、渚はビルトイン冷蔵庫の扉を開けて、じっと中身を確認した。


《じゃあ、帰ってくる時間に合わせて、チキン焼くよ!》

《了解!》

 

 

 渚は気持ちを切り替えるように伸びをして、息を思い切り吐くと、鶏肉を焼く準備を始めた。


 下味をつけた鶏肉を、フライパンにそっと寝かせると、ジュワッと焼ける音と、油がパチパチと跳ねる音が重なっていく。

 

「(料理って楽しいな。聡馬は私が台所に立つのも嫌がったから)」

 

 鶏肉が焼ける香ばしいにおいで、渚はホテルに潜伏していたときに食べたものを思い出した。

 

 

 

 椿に出会えるまでに、ネットカフェで食べたソフトクリームと、メロン味のフローズン、コンビニのハムカツ、興味本位で食べた肉が3枚入っているチーズバーガー。


 そして、椿の家に来たばかりのとき「怒る人は誰もいない」と言ってもらって食べた、フライドポテト。

 

 

 ジャンキーで罪悪感があったけど、自由の味がした。

 

 

 

 

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