女の闘い- 2
一方、その頃。
椿の元カノの梨花は、自分のSNSのコメント欄を見ながら、悦に浸っていた。
《独り相撲に見える》
《椿で売名お疲れ様》
《TPOを知らないの?》
先日、往来の真ん中で、わざと椿に抱きついて、観衆に写真を撮らせて以来、梨花のSNSにはこのようなコメントが続いている。
「フフッ。だから何〜?あんたらは、椿と知り合うこともできないんだから、匿名で指咥えて梨花を見上げてな?」
梨花は、高笑いをしながら、コメント欄をスクロールしていく。
アンチコメントばかりだが、少しだけ知名度が上がったのも事実で、たくさんの人に嫉妬されることが快感でたまらなかった。
だが、あるコメントが目に入ると、梨花の指は止まった。
『椿は乃上 葵とお似合い』
「はあ?」
《自称女優と本物女優の葵ちゃんなら、葵ちゃんに行くでしょう》
《葵ちゃん、ドラマ出演決まったね。ところであなたは…?》
カチンときた梨花は、髪をグシャグシャにしながら頭を掻きむしり、がなり声を上げた。
「あ゛ー!気分悪い!」
そして、八つ当たりでクッションを壁に投げつけたとき、スマホのアラームが鳴った。
梨花は、肩で息をしながら、現実に引き戻された。
「…オーディション行かなきゃ」
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