表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/40

最強令嬢と、完璧な執事(婚約者)

リナによる一連の騒動から数日後。

王城の応接室にて、事後処理の話し合いが行われていた。


「……というわけで、リナ嬢については、魔力を封じる腕輪を装着の上、教会北部の修道院にて厳重に管理することとする。これで良いだろうか、アリア嬢」


国王が疲れた顔で確認を求める。

アリアは優雅に頷いた。


「ええ。被害を受けたのはディーン様と王家の威信ですもの。陛下のご判断にお任せいたしますわ(私に関わらない場所ならどこでもいいです)」


本音は括弧の中にあるが、表向きは従順な令嬢を演じる。

要は、もう興味がないのだ。リナという「経験値にもならない障害」には。


「それで、アリア嬢。今回の功績に対し、教会側から謝罪と賠償の申し出があるのだが……」

「あら。では、以前からお願いしておりました件を」


アリアの瞳がキラリと光った。

待ってましたとばかりに、アリアは一枚の羊皮紙を取り出す。


「教会が管理する世界各地の『聖域ダンジョン』への通行許可証。および、中央大聖堂の地下書庫――禁書エリアを含む――への無制限の閲覧権限。これをいただけますか?」


「……それだけでいいのか?」

「ええ。知識と経験こそが、私にとって何よりの宝ですから」


国王は安堵のため息をついた。

領地や金銭を要求されるより余程マシだと思ったのだろう。

だが彼は知らない。

その「聖域ダンジョン」には、まだ見ぬ古代魔法や伝説級の装備が眠っており、「禁書」には世界を揺るがす真実や禁断の術式が記されていることを。

アリアにとっては、国家予算をも上回る価値があるのだ。


(ふふっ……これでまたレベルが上がるわ。新しい魔法も覚え放題……!)


アリアが内心でほくそ笑んでいると、甘い香りが鼻をくすぐった。


「アリア、どうぞ。アッサムのセカンドフラッシュだ。温度も完璧にしてある」


隣に控えていたディーンが、流れるような所作でティーカップを差し出した。

その手つきは洗練されており、王宮の筆頭メイドですら裸足で逃げ出すレベルだ。


「ありがとう、ディーン様。……うん、美味しいわ」

「よかった。昨日の練習の成果が出たよ」


ディーンは嬉しそうに微笑む。

かつてはアリアに怯え、震えていたヘタレ皇太子はもういない。

数々の修羅場(アリアとの特訓)を潜り抜け、精神的にも技術的にも成長した彼は、今やアリアの最高のサポーターとなっていた。

もっとも、その関係性は「婚約者」というより、「有能な執事」に近い気もするが。


「さて、ディーン様。このお茶を飲み終えたら、早速教会の書庫に行きましょうか。荷物持ちをお願いできます?」

「ああ、もちろん。……また新しい魔法を試す実験台が必要かい?」

「ふふ、察しがいいですね。でも大丈夫、今回は『回復魔法』の実験ですから。痛くはないはずですよ(多分)」


「はは……お手柔らかに頼むよ」


ディーンは苦笑しながらも、その目には確かな信頼と、諦めにも似た愛情が宿っていた。

アリアの手首には、あの日贈ったブレスレットが輝いている。

それだけで、彼はどんな地獄でもついていく覚悟ができていた。


窓の外には、どこまでも広がる青空。

一度目の人生とは違う、鮮やかで刺激的な未来が待っている。


「さあ、行きましょう。世界はまだ、知らないことで溢れていますわ」

学園編と言うより、アリアが悪役令嬢でリナが主人公、ディーンやカイル、ベルンが攻略対象のゲームが終わった感じです。これからは同じ世界線が舞台の違うゲームに乱入します。アリアがこの国だけで満足するはずがないのです。閑話を挟んで、続きもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ