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七十五話

 


 17地区の地上で、鬼獣群と死にもの狂いで闘っている防衛側が、ランボー

 気取りで闘っているのかはともかくとし、接近してくる鬼獣群に至近距離から砲火を浴びせるため、巧妙な偽装を行っていた。

 死力を尽くす防衛軍の戦術は巧妙で、鬼獣群の側面や背後を狙い撃ちを繰り

 返す。




 太陽は中央から照り付け、17地区やラブホ建設予定地の最前線には夥しい

 鬼獣の死骸や防衛軍側の車両が点々と燃え上がっていた。

 る装甲車や戦車、弾薬やガソリン缶が引っ切り無しに炸裂している。

 右腕に赤十字の腕章を付けた住民が、戦場を右往左往して助けを求める

 負傷者を探し、毛布や天幕で死者を覆っていた。




 ラブホ建設予定地付近に展開しているM1 エイブラムスで構成されている

 戦車大隊も例外ではなかった。

 この戦車大隊の全ての車体に、漫画・アニメ・ゲームなどに関連する

 キャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けられている。

 間違いなく民間人の所有する戦車だろう。




「弾薬を節約しろっ!! 露店に電話注文するのにも時間がかかるっ!!」

 戦車大隊の隊長がそう吼えるように告げた。

 その瞬間、戦車大隊の隊長のうわずった声を通信手が聞いた。

  「砲塔十字の方向より鬼獣――――――!! 糞がっ、新種鬼獣一体(匹?) 

 撃て――――――――!!」

 吼えるように告げる

「命中!!」

  砲手が怒鳴るように返答した。

  砲火を浴びた新鬼獣は、強靭な胴体、獅子と山羊の頭、蛇の尻尾を持ち、

 闇夜より暗い漆黒の個体だ。




 砲火を浴びた新鬼獣は、身震いをするように身体を震わせ、恐ろしい唸り声を

 発する。

 そして、新鬼獣は動き出し、まっすぐに戦車大隊へと向かってくる。

 M1 エイブラムスは、狂った様に火を吐いた。

 20メートル 10メートル、5メートル・・・・。

 新鬼獣は、5メートル付近でようやく動かなくなった。

「なんて化け物だ・・・」

 戦車大隊の隊長は呻くように呟く。

 無線やネットなどからの情報によれば、ラブホ建設予定地付近では善戦して

 いたものの、17地区公園などの現場では新鬼獣の出現などで決死戦と化しているらしい。




 特に、ある熱狂的なアイドルの追っかけグループが被害を恐れる事もなく

 反撃につぐ反撃を繰り返しているらしい。

「らしい」という表現も、ネットや無線から流れてきている情報のためだ。

 また、その追っかけグループの増援も続々と17地区入りしているらしく、

 ネット掲示板では、それらの情報の書き込みなどでカオスと化している。

「しかし・・・こんな化け物相手にも怯える事もなく、進むアイドルファンはなんというか・・」

 戦車大隊の隊長は、ため息まじりに呟いた。




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