七十四話
「糞っ、地上の奴らランボーを気取ってやがる!!」
17地区へと増援住民を輸送を行っているヘリの一機を操縦している、中年の
機長が副操縦士や乗員に聞こえるように、インターコムで罵る。
「早川、最前線の現場とは逆の場所に着陸してお客さんを下し、帰投するという
予定にした方がいいな」
副操縦士に、そう指示を行う。
「お客さん、これから向かう場所の責任者に連絡してもらえませんか?
現場を中心とする半径で、緊急制限空域に指定するように指示してもらえると助かるんですが。
この制限を敷くにあたって、我々が連絡担当責任者を務めます。
9分たっても実行されないときは、国際緊急周波数を使って一方通信で発信し、
現場周囲で交戦中の連中に、一時交戦中止警告するので・・・・くそ、
まったく、なんというていたらくだ!!」
中年の機長が、続いて増援住民の指揮官に向かって告げる。
「手野テレビに嗅ぎ付けられますよ」
副操縦士が、苦笑いを浮かべながら尋ねる。
「そんなことはどうでもいいっ!! おれは、「戦鬼」を飲んで精神爆上げ中の
地上の連中が、血迷って着陸しようとする味方に発砲するんじゃないかと、
心配なんだ」
中年の機長が苛々した口調で応える。
無線通信から流れてくる情報は、現場は鬼獣群と猛烈な戦闘を繰り返している
戦況を伝えていた。
「あー、それなら、2号機と3号機の連中もなんとかするべきじゃないですかね」
副操縦士がそう応える。
17地区へと増援住民を輸送を行っているヘリは、この一機だけではなく、あと
二機が随伴していた。
すくなくとも国防軍関連機体ではないことは確かな事だろう。
三機の機体は、漫画・アニメ・ゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行うなどして装飾して
いるからだ。
おそらく民間機だ。
「ほっとけっ、流れ弾に当たってもあいつらの自業自得だ」
中年の機長が苛々した口調で応える。
「二号機と三号機は、ずっと音楽流しばなっしですよ・・・。同じ曲繰り返し
繰り返し・・・。特に三号機の奴は、糞ど下手でどこかのがき大将みたいな
音痴で歌っているんですよ!!」
副操縦士が、ため息まじりに告げる。
問題の三号機の輸送ヘリには、幽霊を退治するハリウッド映画に使われていた
ロゴマークの様に、鬼獣の「ソルジャー」と禁止マークを組み合わせた
マークを 張り付けている。
そこからは、同じく幽霊を退治するハリウッド映画に使われていたテーマ曲が
大音量で流れている。
「あいつの趣味だ。少なくともこれから退治するのは、幽霊とかではないがな」
中年の機長が苛々した口調で応える
「せめて、二号機の奴には自重するように言ってくださいよ。手野ラジオで
流れていたなんかのバンドの曲を気に入って、繰り返し流しているんですよ?」
副操縦士が不機嫌な表情を浮かべながら告げる。
「たしか、今宵がなんとかという曲だったな。くだらない事で注意するつもりはない」
中年の機長が、この話題は終わりだという口調で、短く応える
映画「ゴーストバスターズ」のテーマ曲とポルノグラフィティー 「今宵月がみえずとも 」を流し続けているのデス




