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四十五話

 



 隔絶している無差別戦闘地域内を進軍している国防軍、日本決死隊、他地区増援

 住民の部隊は、夥しい数の鬼獣群の襲撃を受けて交戦している最中に、本部からの「進軍停止」命令という現場からすればとうてい理解出来ない通達で、混乱が生じていた。

 強攻(?)を行おうとする部隊に対しての警告、決して大げさではない

損害報告、 新手の鬼獣群についての注意喚起、砲撃支援要請のための防衛軍の

電波が飛び交い、恐怖が魔物の様に防衛軍の上に漂った。




 そのような状態でも、鬼獣群は容赦も情けも無く襲いかかってくる。

 幾つかの部隊は、鬼獣群の包囲されてるのや、その包囲を突破して部隊の

3分の1が死亡するという損害を受けていたりした。

 国防軍の一指揮官が、鬼獣群の猛攻撃にさらされながらも本部に悲痛な報告を

上げた。

「鬼獣の野郎ども、四方八方のとんでもない所はがりから出現していますっ

 現場はもう限界ですっ、航空支援をっ!!大至急航空支援をっ」

 それは、魂からの叫び声だった。




 そのある現場では、大型鬼獣「デバステーター」、従来型鬼獣「ソルジャー」で

 構成された鬼獣群に囲まれている部隊があった。

 その部隊は、国防軍将兵、日本決死隊隊員、他地区からの増援住民で構成されているが、恐らく現場での鬼獣群との交戦で壊滅した部隊の生き残りが合流したの

 だろう。

 そして、誰一人健全な者はいなかった。

 全員が泥にまみれで汚れ、破損した重火器類は及ばず、大半が銃器を

失っている。

 その凄惨な姿だが、眼には恐怖の光はなく、憎悪と怒りでぎらついている。

 満身創痍になっても戦意がまったく衰えないのは、日本国内の「ファースト・

 コンタクト」以降に日本国民全員が軍隊式特殊部隊訓練の義務化された影響が

 ある。

 そのため、日本国民全員は運転免許以上にレンジャー資格を保有している。




 日本国内の「ファースト・コンタクト」以降、小学校低学年から苛烈な基礎訓練が叩き込まれおり、練兵では個性を徹底的に否定し、団体の一員として活動および命令に対する即座の服従を嫌になるほど叩き込まれる。

ご時世がご時世だけに、ついてこられない者が容赦なく民間社会に投げ戻される

事はない。

 それが、良いのか悪いのかはおいておくが。

 中学以上からは、レンジャー教育・訓練プログラムが開始される。

 大学や社会人になっても、訓練に終わりはない。

 日本全国各地域で週末には。空挺訓練、射撃訓練などが行われている。




 その影響があるため、絶望的な状況下であっても、誰も戦意は喪失していない。

 取り囲んでいる鬼獣の何体(匹?)かはじゅるりと舌を舐めた光景を見ても、

「なめやがって・・・・・!!」

 誰かが怒りの孕んだ声で呟くのだ。

 鬼獣が今にも一斉に飛びかかろうとした時――――――――――




 背後から人間のシルエットが凄まじい速さで接近する。

 突然現れたのは、派手なアロハシャツと短ズボン、麦わら帽子と黒いサン

グラス、 そしてサンダルという服装で現れた人間だった。

 この場所にいる者達には、まったく見覚えのない人物なため、誰も彼もが

唖然とした。




「通りすがりの露店主、尚文真一郎――――――見参」

 その奇妙な服装の人物は、囲まれている彼らに接近するまでに、数十体(匹?)

 の鬼獣を斬り裂いた。

 左手には長剣が握られており、右手には三匹のペンギンのシールが貼られている

 ハードアタッシェケースを持っていた。

 また、背中には大型リュックサックを背負っている。




「見たところ銃器が必要みたいだが、買わないか?」

 笑みを浮かべながら尋ねながら、周りを取り囲んでいる鬼獣を睨めつける。

 誰一人、尚文の質問に応えない。

「ん、どうしたどうした? 俺は銃器を売りに来たんだ。そんな冷めた態度だと、

 商売する俺は困るんだがな。

 さあ、もっと熱くなれよ、そして銃器を買えよ ここは戦場だろ?」

 そう再び告げながら、ポケットから袋の入ったちくわを取り出し、袋を開けて

 ちくわを咀嚼する。



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