【第五話時点での登場人物紹介】
第五話までの登場人物をまとめます。
カタカナの名前は覚えにくいのでご参照ください。
『第一篇 乱世黎明』第五話終了時点 登場人物まとめ
アレク・ハルトマン
初登場:第一話「知らない空の下で」
年齢:15歳
前世:佐藤恒一/30歳・日本の会社員
立場:ラーデン村で保護された素性不明の少年 → ヴァイス男爵軍の徴集兵
本作の主人公。現代日本では平凡な会社員として暮らしていたが、事故によって死亡。本来死ぬ予定ではなかった神側の「手違い」により、異世界へ十五歳の少年として転生する。
前世では戦国時代が好きな、いわゆる「戦国オタク」。専門家ではないものの、戦国武将、合戦、戦略、兵站、政治などに幅広い知識を持つ。
転生時、神から「卓越した剣の才能」「高い身体能力」「この世界の言語を理解し話す能力」「人の感情を読み取る力」「前世で得た知識を完全に思い出せる能力」を与えられた。
本人は英雄や天下人になることを望んでおらず、第一の目的はあくまで「生き残ること」。
第四話で初めて人間を三人殺害。第五話では十三人の実働兵を使い、三十〜四十人規模のベルン軍略奪隊を策によって撤退させる。
第五話終了時点では、単なる徴集兵でありながら、ゲオルクから「剣だけでなく頭も使える異常な十五歳」として強く認識され始めている。
マルセル
初登場:第一話
年齢:60歳前後
立場:ラーデン村の教会の神父
アレクが異世界で最初に頼ることになった人物。村の外で倒れていたアレクを教会に受け入れ、食事や寝床を与えている。
表面上は気難しく口も悪いが、本質的には非常に面倒見がよい。アレクが「記憶喪失」であると信じ、この世界の政治制度や領主制度、戦争について説明する最初の案内役となる。
徴兵命令が出た際には、アレクは村人ではないのだから逃げても構わないと本気で説得する。出陣時には薬草、布、旅の守りを持たせ、「死ぬな」「帰ってこい」と告げた。
アレクとの関係:保護者・恩人に近い存在。
アレクにとって、この世界で初めてできた「帰る場所」を象徴する人物でもある。
他人物との関係:トーマスとは同じラーデン村の住人で、彼の好戦的な性格を知っている。ゲオルクには、アレクが村外で発見された記憶喪失者であることを説明している。
トーマス・ベッカー
初登場:第二話「十五歳の剣」
年齢:16〜17歳程度
出身:ラーデン村
立場:農民の少年 → 徴集兵
赤毛でそばかすのある少年。アレクが異世界で初めて作った、同年代の友人と言っていい存在。
明るく楽天的で、戦争で手柄を立て、農民から騎士になることを夢見ている。父親も戦争に三度参加しており、三度目の出陣で帰らなかったため、「父親ができなかったことを自分が成し遂げる」という思いを持つ。
一方、母親からは「手柄などいらないから帰ってきてほしい」と願われている。
第二話ではアレクと木剣で戦い二度完敗。これによってアレクの剣の異常な才能が初めて周囲に知られることになる。
第四話では故郷ラーデン村が襲撃される可能性を聞き、母親を心配して単独で戻ろうとする。第五話ではアレクの指揮下に入り、偽装兵力作戦に参加する。
アレクとの関係:友人・戦友。
アレクに対して遠慮がなく、互いに軽口を叩き合える関係。アレクの剣の強さや知恵を素直に認めている。
他人物との関係:母親とは親子。ゲオルクとは上官と徴集兵。エミール、ヨハンとは同じラーデン村から出征した戦友。
ゲオルク・バウマン
初登場:第三話「戦場へ」
年齢:30代後半程度
立場:ヴァイス男爵家騎士
役割:ラーデン村徴集兵の指揮官
第五話までに登場した人物の中で、アレクに最も大きな影響を与え始めている人物の一人。
派手さはないが、装備の手入れや立ち姿だけでアレクが「強い」と判断するほどの実戦経験者。少なくとも十二回以上の戦場経験がある。
現実的かつ冷静な軍人であり、「剣より先に頭を使え」「人を殺すことには慣れる。だが慣れた自分を好きになるな」「人を動かすのが怖くなくなった時、お前は人の上に立つべきではない」など、戦争と指揮官の責任についてアレクに重要な言葉を与える。
第五話ではアレクの「敵を大軍と錯覚させる」という作戦に、偽の増援情報と敵の逃走路を意図的に残す発想を追加。アレクの知識とゲオルクの実戦経験が組み合わさり、作戦を成功へ導く。
アレクとの関係:上官から、指導者・師匠に近い関係へ発展中。
ゲオルクは当初からアレクを「妙な十五歳」として警戒していたが、剣術、兵站への理解、策を考える能力を見て強い興味を持つ。第五話ではついに「お前、何者だ?」と問いかけるまでになる。
アレク側もゲオルクを、前世知識だけでは分からない実戦を教えてくれる人物として信頼し始めている。
他人物との関係:ハンスは部下。トーマス、エミール、ヨハンら徴集兵の上官。ヴァイス男爵は主君。
ハンス
初登場:第三話
年齢:不明/成人男性
立場:ヴァイス男爵家の兵士
所属:ゲオルクの部下
ゲオルクとともにラーデン村へ来た兵士。アレクの剣の力量を確認するため模擬戦を行い、訓練された兵士でありながらアレクに敗北する。
第四話ではアレクと二人でグリュン村へ偵察。村人が暴行されているのを助けようとするアレクに、「戦場では、助けられない人間がいる」と諭し、戦争の現実を教える。
撤退中に左脚へ矢を受けるが、アレクはゲオルクから「危険ならハンスを置いて逃げろ」と命じられていたにもかかわらず、彼を見捨てなかった。
アレクが初めて三人を殺した際にもそばにおり、吐くアレクへ「最初はそれでいい」と声をかける。
アレクとの関係:先輩兵士・戦友。
偵察と初殺人を共に経験したことで、一気に距離が縮まった。アレクは命令に背いてまでハンスを救ったため、ハンスから見れば命の恩人でもある。
他人物との関係:ゲオルクとは上官と部下。冗談や軽口を交わせる程度には信頼関係がある。
エミール
初登場:第五話「十四人の軍勢」
年齢:30代
出身:ラーデン村
立場:徴集兵
アレクの四人組に配属された村人。三人の子供がいる。
戦争を恐れており、「死ねん」という極めて現実的な理由で生還を望んでいる。剣にも特別自信があるわけではなく、正面から敵と戦うより、アレクの策によって敵を追い払うことを支持する。
アレクとの関係:初めて指揮した部下の一人。
年齢ではアレクより遥かに上だが、「今だけはお前が俺たちの隊長なんだろ」と認める。アレクにとって、「自分の命令一つで家族を持つ人間が死ぬかもしれない」という指揮官の責任を実感させる存在。
他人物との関係:トーマス、ヨハンとはラーデン村出身の戦友。
ヨハン
初登場:第五話「十四人の軍勢」
年齢:30代
出身:ラーデン村
立場:徴集兵
アレクの四人組に配属された村人。前年に結婚しており、妻が妊娠中。春には父親になる予定。
アレクが自分の策によって仲間を死なせる可能性に怯えていることを察し、「俺たちはお前に無理やり連れてこられたわけじゃない」と声をかける。
アレクとの関係:部下・戦友。
エミールと同じく、アレクが初めて「指揮官として人の命を預かる」ということを実感するきっかけとなる人物。
他人物との関係:妻とは新婚で、現在妊娠中。エミール、トーマスとは同じラーデン村から出征した戦友。
神
初登場:第一話
アレクを異世界へ転生させた存在。若者とも老人とも取れない姿をしており、白い服を着た穏やかな男性の姿を取る。
アレクが死んだ原因について「本来なら、君がここへ来る予定はなかった」と説明しており、アレクの死は神側の手違いだった。
その償いとしてアレクへ、剣の才能、身体能力、言語能力、人間の感情を読み取る能力、前世の知識を与えた。「アレク」という新しい名前を与えたのも神。
アレクとの関係:転生させた張本人。
恩人でもあるが、同時にアレクを誤って死なせた存在でもある。アレク自身も「神様にはあまりいい印象がない」と語っている。
また神は「知識は君を勝たせるとは限らない」と警告しており、アレクの今後を象徴する言葉になっている。
アルベルト・ヴァレンシュタイン
名前初出:第二話
立場:アルヴェイン大公国の若き大公
第五話終了時点では、まだ本人は直接登場していない。
マルセルから語られた人物像は、若く、戦が非常に上手く、古いしきたりを嫌い、商人を城へ呼び、身分が低くても有能なら登用し、新兵器「火槍」を積極的に使用しながら領土拡張を進めているというもの。
これを聞いたアレクは、前世の戦国武将、特に織田信長を連想しかけている。しかし現時点では「似ているだけの偶然」として判断を保留している。
第五話の最後では、ベルン伯爵軍三千の侵攻を受け、アルベルト本人が援軍を率いて来ることが示唆される。
アレクとの関係:第五話終了時点では未対面。
アレクはアルベルトに対して強い興味と違和感を抱いており、この世界と日本の戦国時代との類似を考える大きなきっかけとなっている。
他人物との関係:ヴァイス男爵は家臣。ベルン伯爵軍とは敵対する側。
ヴァイス男爵
名前:未登場
立場:ヴァイス男爵領の領主
ラーデン村を治める領主であり、アルヴェイン大公アルベルト・ヴァレンシュタインの家臣。
ベルン伯爵軍の侵攻を受け、領内の村々へ兵役命令を発令。ラーデン村には十二人の兵を要求した。
第五話では約八百の兵を率いて、ベルン伯爵軍三千と対峙する状況にある。
アレクとの関係:直接面識なし。
アレクは現在、ヴァイス男爵軍の徴集兵として行動しているため、間接的には配下にあたる。
他人物との関係:アルベルト・ヴァレンシュタインとは主君と家臣。ゲオルク・バウマンとは主君と直属騎士。ベルン伯爵とは敵対関係。
ベルン伯爵
名前:未登場
立場:ベルン伯爵軍の指導者
第五話までにおける敵勢力側の中心人物。本人はまだ直接登場していない。
西方国境から侵攻を開始し、その本隊は約三千。国境の砦一つを陥落させ、ヴァイスブルクへ進軍している。
配下の三十〜四十人規模の略奪隊がグリュン村を襲撃したことで、アレクの初陣につながった。
アレクとの関係:直接面識なし。
現時点では、アレクが所属するヴァイス男爵軍にとっての敵軍総大将にあたる人物。
他人物との関係:ヴァイス男爵と敵対。アルヴェイン大公国側とも敵対している。




