【第二篇の主な登場人物紹介】
* アレク・ハルトマン
本作の主人公。十五歳。アルベルトの小姓。前世は三十歳の会社員・佐藤恒一で、戦国史を好んでいた。第二篇では戦場だけでなく、市場税、物流、橋、倉庫、帳簿などの問題にも前世の知識を応用する。ただし、自分一人の知識では解決できないことも経験し、職人・商人・役人など現場の人間と相談しながら考える姿勢を身につけていく。
* アルベルト・ヴァレンシュタイン
アルヴェイン大公。アレクの主君であり、彼を育てようとしている人物。第二篇でも答えを直接教えるよりアレク自身に考えさせることが多い。戦だけではなく領政にも携わり、アレクをアルヴェインブルクの領政会議へ同行させる。
* ゲオルク
アルベルト配下の騎士。アレクと行動を共にすることが多く、護衛や教育役に近い立場でもある。アレクとアルベルトのやり取りを見守りながら、必要な時には現実的な助言をする。
* トーマス
アレクと年齢の近い友人。身分の高い人物が増えていく中でも、アレクが気兼ねなく話せる存在。第二篇でもアレクの仕事に巻き込まれることがあり、ヴァイスブルクでの日常を支える人物の一人。
* ヨハン・ケストナー
ヴァイスブルクの財務官。金、帳簿、財政に非常に厳しい実務家。アレクが何かを提案するたびに「財源はどうする」「誰が管理する」と現実的な問題を突きつける。一方でアレクの考えを徐々に認め、自らもその発想を取り入れるようになる。若い頃にはアルヴェイン中央で働いていたことも示唆されている。
* エリーゼ・フォン・ヴァレンシュタイン
アルベルトの姪で、亡き先代大公世子フリードリヒ・ヴァレンシュタインの娘。アレクと同年代の十五〜十六歳ほどで、淡い金色の髪と青い瞳を持つ。大公家の令嬢らしく振る舞える一方、気を許すと頬を膨らませたり叔父を心配したりする年相応の可愛らしさを見せる。亡き父から「民の暮らしを見ること」を教えられており、市場の物価にも関心を持つ。アレクとの出会いが今後の彼の人生を大きく変えていくことが示唆されている重要人物。
* レオンハルト・フォン・グランヴァルト
グランヴァルト王家の傍流にあたる第一王弟。第二篇でグランヴァルト側の重要人物として登場する。高い身分と政治的な影響力を持ち、今後のグランヴァルト内部の争いとアルヴェインを巡る情勢にも深く関わっていく人物。
* マティアス・クレーマー
グランヴァルト側で頭角を現している人物。兵站、商業、人や物を動かす能力に優れ、アレクが自分とは異なる種類の才能を感じる相手。アレクが将来的に強く惹かれ、仕えることになる重要人物でもあり、物語全体でも中心人物の一人になっていく。
* ハインリヒ・フォン・エーベルハルト
アルヴェイン大公国の家政評議会議長。六十歳前後の厳格な人物で、大公国全体の政治・財政・領政を見る中央の重臣。アレクを無条件に評価するのではなく、その考えが中央でも実際に使えるのかを確かめようとする。
* ロタール・フォン・ブレヒト
アルヴェイン北部に領地を持つ貴族。ヴァイスブルクで成功した制度を、そのまま全国へ広げることに反対する。ただしアレクを敵視しているのではなく、地域ごとの事情の違いを指摘した現実的な反対意見を持つ人物。アレクの「失敗も記録する」という考えには興味を示す。
* バルドゥル・ケラー
アルヴェインブルクの中央倉庫長。倉庫の実務に精通する現場の責任者。アレクと一緒に、ヴァイスブルクで試していた在庫確認方法を中央倉庫向けに調整する。アレクに「制度を考える者より、実際に使う者の方が詳しいこともある」と改めて実感させる人物。
* クララ・フォン・ローゼンフェルト
エリーゼと親しい同年代の令嬢。栗色の髪と深い緑の瞳を持つ端正な少女で、エリーゼより落ち着いた性格。大人びて見えるが、エリーゼやアレクとの会話では年相応に笑うこともある。エリーゼの行動を抑える役でもあり、アルヴェインブルクでアレクと初めて知り合う。




