第五話 金獅子に贈る二挺
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
王の誕生日を祝うため、アレクたちは王城の大広間へ向かいます。
王城へ入ったアレクたちは、大広間へ向かう前に、献上品の確認を受けた。
長い包みと、装飾を施した箱。
係の者は届け出の書状と照らし合わせ、そばに控えていた近衛の士官も、中身へ目を向けた。
騎兵用の銃を見た時には、落ち着いた顔をしていた。
だが、箱の蓋が開くと、その視線が止まった。
「こちらも、銃でございますか」
「はい。どちらにも、弾は込めておりません」
アレクが答えた。
士官は頷き、確認を続けた。
扱いを確かめた後、二挺はそれぞれの包みと箱へ戻された。
「献上の際に、こちらからお運びいたします」
「よろしくお願いいたします」
アレクは礼を述べた。
箱を預かった者が、慎重に持ち上げる。
その様子を見届けてから振り返ると、マティアスが待っていた。
「済んだか」
「はい」
「では、行くぞ」
隣にいたエリーゼが、アレクへ小さく頷いた。
二人はマティアスに続き、大広間へ向かった。
◇ ◇ ◇
扉の向こうから、多くの声が聞こえていた。
大広間には、すでに諸侯やその家族が集まっている。
窓から入る光が磨かれた床へ差し、壁際には花が飾られていた。奥には国王の席が設けられているが、まだ主の姿はない。
招待された者たちは、いくつもの輪を作っていた。
久しぶりの再会を喜ぶ声がある。
互いの領地について尋ねる者もいる。
アレクは、その間を進むマティアスの後ろへ続いた。
入口近くにいた男が、こちらを見た。
すぐに話を止め、頭を下げる。
「クレーマー侯爵閣下」
その声に、周りの者も振り返った。
マティアスが頷いて応じる間に、行く先が空いた。
礼をする者が続き、広間の奥からも数人が近づいてくる。
「ご無沙汰しております」
「先日は、書状にお返事をいただき、ありがとうございました」
マティアスは足を止め、一人ずつ言葉を返した。
名前を呼び、領地の様子を尋ねる。
短い返事でも、相手は姿勢を正して聞いていた。
アレクはエリーゼとともに、少し後ろへ控えた。
戦場でも、王宮でも、マティアスのもとへ人が集まる姿は見てきた。
それでも、こうして祝いの席へ入るだけで周囲の空気が変わるのを見ると、自分の主君が担う立場を改めて感じた。
挨拶を終えた諸侯が下がる。
入れ替わるように、次の者が前へ進んだ。
アレクは、その様子を見ながら待っていた。
「ハルトマン伯爵様」
横から声がかかった。
顔を向けると、一人の男がこちらへ礼をしていた。
先ほど、マティアスと言葉を交わしていた子爵だった。
「このたびは、我が家の鉄砲隊の育成にお力添えをいただき、ありがとうございました」
アレクも礼を返した。
「こちらこそ、兵の教育を支えてくださり、ありがとうございます」
「派遣された教官から、伯爵様のお話をよく聞いております。一度、お目にかかりたいと思っておりました」
子爵はエリーゼにも挨拶を述べてから、アレクへ向き直った。
「教官には、随分と世話をかけております」
「報告は届いています。訓練に使う場所も、早くに整えてくださったと」
子爵が少し目を見開いた。
「そこまで、お聞きになっておられましたか」
「はい。雨の後でも兵を集めやすくなったと、書かれていました」
「以前の場所では、足元が悪くなってしまいまして」
子爵の声が、少し和らいだ。
「伯爵様に、そのようなことまでご覧いただいているとは思いませんでした」
「兵が学べる場所を用意していただけなければ、教官も教えられませんので」
アレクが答えると、子爵は深く頷いた。
その後ろで、別の男が会話の切れ目を待っていた。
「私からも、お礼を申し上げてよろしいでしょうか」
アレクは顔を向けた。
次に進み出たのは、アーノルドに属する領主だった。
「我が家へ来た教官も、伯爵をたいそう尊敬しております」
「そうですか」
「剣を持たせても、とても敵わぬ方だと申しておりました」
アレクは、返事に少し困った。
「訓練で、手合わせをしたことはありますが」
「それだけではありません。兵の話をよく聞かれるとも」
男は笑った。
「皆、口を揃えて褒めるものですから、どのような方かと」
隣で、エリーゼが静かに微笑んでいた。
アレクは気づいたが、そちらを見る余裕がなかった。
さらに別の諸侯が近づいてきていた。
◇ ◇ ◇
「射撃の時には、列が揃うようになりました」
子爵が言った。
「ですが、移動させると間隔が乱れます。教官からも指摘されているのですが、なかなか直らず」
「指揮を任せる者は、毎回同じでしょうか」
アレクが尋ねると、子爵は少し考えた。
「訓練へ出せる者が、日によって違うことがあります」
「では、まず教官と相談して、隊を動かす役の者が続けて学べるようにしてみてください。兵も、命令を出す者がそのたびに変わると、戸惑うことがあります」
「なるほど」
子爵は頷いた。
隣の領主が、口を開く。
「我が家でも、人を選ぶところで苦労しております。腕の立つ者なら任せられると思っていたのですが」
「剣の腕と、隊をまとめる力は同じではありませんからな」
後ろから声がした。
フーゴ・フォン・ヴァルテン伯爵だった。
アレクを見ると、親しげに頷く。
「先日は世話になった」
「こちらこそ。兵の様子は、いかがですか」
「帰ってからも、あの訓練の話をしている。うちの隊長は、以前より教官へ質問するようになった」
「それは、よかったです」
「ただ、次に同じように動けと言われて、すぐできるとは思っておらん。まだ、教わることが多い」
フーゴはそう言い、周りの諸侯へ顔を向けた。
「私は、この伯爵の訓練場を見せてもらった。銃を渡されただけで、同じ隊ができると思ってはいかんな」
聞いていた男たちが頷いた。
「ぜひ、私どもも一度」
「我が家の隊長も連れて伺えれば」
声が重なり、アレクは軽く手を上げた。
「日程を相談させてください。こちらも、各家の状況を確かめてからお話しできればと思います」
祝いの席へ来たはずだった。
それがいつの間にか、訓練場の話になっている。
アレクは笑みを浮かべた。
「今日は陛下のお祝いですので、詳しい相談は、改めて」
「これは、失礼いたしました」
子爵が頭を下げる。
フーゴも笑った。
「私も、人のことは言えんな」
少し離れたところで、マティアスがこちらを見ていた。
アレクと目が合う。
主君は何か言うでもなく、わずかに頷いた。
そして、そばにいた諸侯との会話へ戻った。
アレクは、もう一度周りの者たちへ向き直った。
以前なら、自分もマティアスへ尋ねる側だった。
今は、答えを求めて待つ者がいる。
分からないことまで、分かったように話すことはできなかった。
だが、聞いて持ち帰り、教官やギルベルトと確かめることはできる。
アレクは、後日書状を交わすことを約束した。
隣で待っていたエリーゼへ目を向ける。
「お待たせしました」
「いいえ」
彼女は小さく首を振った。
「皆様、アレクとお話ししたかったのですね」
「私だけでは、答えられないこともあります」
「それでも、お話を聞いていただけて、安心されたように見えました」
アレクが返事をしようとした時、広間の奥で人が動いた。
◇ ◇ ◇
扉の近くにいたユリウス侯爵が、侍従からの合図を受けた。
一歩前へ進む。
大広間へ、よく通る声が響いた。
「レオンハルト国王陛下がお入りになります!」
会話が止まった。
アレクを囲んでいた諸侯も、それぞれの位置へ戻っていく。
衣擦れの音が広がり、やがて静まった。
アレクは姿勢を正した。
隣のエリーゼも、まっすぐに前を向いている。
扉が開いた。
レオンハルトが姿を現した。
鎧は着けていなかった。
国王としての装いに、金の獅子が光っている。
戦場で見慣れた歩き方だった。
だが、居並ぶ諸侯が一斉に頭を下げる中を進む姿には、また違う重みがあった。
アレクも深く礼をした。
王の足音が、広間の奥へ進んでいく。
席の前で立ち止まり、レオンハルトが振り返った。
「皆、よく来てくれた」
顔を上げると、王は広間を見渡していた。
「今日は、祝いのために集まってもらった。遠方から来た者もいるだろう。どうか、ゆるりと過ごしてくれ」
落ち着いた声だった。
諸侯から、祝いの言葉が上がる。
ユリウスが進行を引き継ぎ、式典が始まった。
◇ ◇ ◇
祝辞が述べられ、献上の品が順に運ばれた。
見事な織物があった。
細工を施した杯や、領地で作られた品を贈る者もいた。
レオンハルトはそれぞれの説明を聞き、礼を返していた。
アレクは、自分の番を待ちながら、その様子を見ていた。
何度も考えた言葉が、頭の中を行き来する。
銃を作ってくれた職人たちの顔も浮かんだ。
ロルフは、使うための物だと言った。
飾りを手がけた者たちも、銃としての扱いを損なわないよう、何度も確かめてくれた。
その仕事を、きちんと伝えたかった。
名前が呼ばれた。
アレクは一歩前へ出た。
エリーゼが、静かに頷いて送り出してくれる。
王の前まで進み、礼をした。
「アレク・フォン・ハルトマンにございます。陛下の御誕生日を、心よりお祝い申し上げます」
「ありがとう、アレク」
レオンハルトが答えた。
「今日は、何を持ってきた」
少し楽しげな声だった。
アレクは顔を上げた。
「陛下にお使いいただきたい品を、職人たちに作ってもらいました」
係の者が進み出る。
長い包みが、用意された卓上へ置かれた。
布が外される。
金獅子を施した銃が現れた。
レオンハルトが、銃へ目を向けた。
近くにいた諸侯も、金獅子の装飾を見ようと視線を寄せた。
アレクは銃を示した。
「火縄を使わず、火打石で火花を起こす銃です。陛下がお持ちになる一挺として、金の獅子をあしらいました」
レオンハルトは近づいた。
銃床の獅子へ目を留め、その周りの細工を眺める。
「よくできている」
王は言った。
それから、銃全体へ視線を移した。
「以前の物より、短いな」
「はい。馬上で扱いやすいよう、長さを見直した物です」
アレクは答えた。
「騎馬鉄砲隊の兵から、従来の銃は馬に乗るには少し長いと聞きました。その意見をもとに、職人たちが試作と確認を重ねて仕上げた物です」
「兵の話から、作り直したのか」
「はい。陛下も馬にお乗りになりますので、こちらをお贈りしたいと考えました」
レオンハルトは、もう一度銃を見た。
「飾るだけの品ではないというわけだな」
「はい」
アレクが答えると、王の口元が緩んだ。
◇ ◇ ◇
「陛下。併せて、銃の名称についてご報告がございます」
アレクが言った。
レオンハルトが顔を向ける。
「申してみよ」
「火打石を使う銃は、今後、フリント銃と呼ぶことにいたしました」
「フリント」
「火打石の産地である、フリント村にちなんだ名です」
王が頷いた。
アレクは続けた。
「通常の長さの物をフリント長銃。騎馬鉄砲隊向けの少し短い物を、フリント騎兵銃と呼び分けます。今回お持ちしたのは、フリント騎兵銃です」
「使う兵に合わせて、分けたのだな」
「はい。短くした物が、すべての場面で優れているわけではありません。それぞれの役目に合わせて使っていきたいと考えております」
レオンハルトは銃へ手を添えた。
確認を担当した士官が進み出て、弾が込められていないことを改めて告げる。
王は頷いてから、銃を持ち上げた。
重さを確かめる。
銃口を人へ向けぬように持ち、手元の装飾へ目を落とした。
「なるほど。馬上で扱うことを考えた長さか」
アレクは黙って待った。
王はしばらく眺めてから、銃を卓上へ戻した。
「見事な品だ。アレク、礼を言う」
「恐れ入ります」
「作った者たちにも伝えてくれ。よい仕事をしてくれたとな」
「必ず、お伝えいたします」
アレクは頭を下げた。
近くの諸侯から、小さな声が漏れていた。
金獅子の細工を褒める者もいれば、火縄のいらない銃について隣へ尋ねる者もいる。
係の者が進み、献上品を下げる支度を始めた。
次の者が呼ばれるのを待ち、広間の視線が動きかける。
アレクは顔を上げた。
「陛下、もう一つございます」
レオンハルトの目が戻った。
「まだあるのか」
「はい」
アレクが合図をすると、別の係が箱を運んできた。
◇ ◇ ◇
卓上へ置かれた箱を見て、レオンハルトはアレクへ目を向けた。
先ほどの銃を収めるには、小さすぎる箱だった。
蓋には装飾が施され、留め具も丁寧に作られている。
アレクは箱の前へ立った。
ロルフが工房で開いて見せてくれた時のことを思い出す。
自分も、しばらく言葉を失った。
今度は、王へ見せる番だった。
留め具を外し、蓋を開く。
布の上に、小さな銃が収まっていた。
金の獅子が、光を受ける。
レオンハルトは、すぐには何も言わなかった。
箱の中を見ている。
近くにいたユリウスも、視線を落とした。
諸侯の間から聞こえていた声が、途切れた。
「……これも、銃なのか」
王が尋ねた。
「はい」
アレクは答えた。
「片手で扱える小さな銃です。フリント拳銃と名づけました」
「拳銃」
レオンハルトが繰り返した。
離れたところにいた者たちも、その言葉を聞いて箱へ目を向けた。
中身までは見えない者もいる。
それでも、王が何を見ているのかは伝わった。
先ほどの銃とは違う。
小さな箱へ収まる、もう一つの銃だった。
「これで、弾を撃てるのだな」
「はい。確認を重ね、実際に使える物として仕上げました」
アレクは答えた。
レオンハルトは、そばの士官へ目を向けた。
士官が一礼する。
「こちらも確認しております。弾は込められておりません」
王は頷き、箱へ手を伸ばした。
小さな銃を取り上げる。
その瞬間、周囲の者たちにも、大きさがはっきりと分かった。
長銃のように、両手で支える必要はない。
王の片手に、一挺の銃があった。
◇ ◇ ◇
レオンハルトは、銃を手にしたままアレクへ顔を向けた。
「これも、火打石を使うのか」
「はい。フリント銃と同じ方式です」
「長い銃と、同じように使えるのか」
「いいえ。遠くの敵を狙うための物ではございません」
アレクは、はっきりと答えた。
「長い銃を携えにくい時にも、身近に置ける物として考えました」
レオンハルトは、もう一度手元を見た。
銃の大きさを確かめるように、わずかに持ち替える。
アレクは説明を重ねすぎず、王の言葉を待った。
「なるほど」
レオンハルトが言った。
「長い銃を持てぬ時にも、手元へ置けるというわけか」
「はい」
レオンハルトは、銃を手にしたまま、開かれた箱へ視線を落とした。
「馬を下りた後でも、持っていけるな」
「そのためにも、携えやすさを確かめております」
「近くで身を守るための銃か」
「はい。そのような用途を考えております」
レオンハルトは頷いた。
ユリウスが、箱へ目を向けたまま口を開いた。
「長い銃を持つ兵を、常におそばへ置けるとは限りませんから」
「ああ」
王が答える。
その短いやり取りを、諸侯たちは聞いていた。
珍しい細工物を眺める時とは、空気が違っていた。
銃が小さくなった。
ただ、それだけの話ではなかった。
これまで銃を持たなかった者が、持てるようになる。
長い銃を運びにくい場所へも、携えられる。
王の手元へ向けられる視線が、増えていた。
アレクは一礼した。
「扱いについては、後ほど改めてご説明させてください。実際にお試しいただく際も、場所を整えてからと考えております」
「そうしてくれ」
レオンハルトが答えた。
銃を箱へ戻し、布の上へ丁寧に置いた。
それから、先ほど献上した騎兵銃へ目を向ける。
二挺に施された金の獅子を、見比べていた。
◇ ◇ ◇
「馬上で使う銃と、身近に置く銃か」
レオンハルトが言った。
「はい」
「よく考えたな」
アレクは頭を下げた。
「形にしてくれたのは、職人たちです。何度も確かめ、手を入れてくれました」
「そうであろうな」
王は頷いた。
「だが、作らせる物を考え、相談したのはお前だ」
アレクは顔を上げた。
レオンハルトは、こちらを見ていた。
「職人の功を認めるのはよい。だが、お前自身の働きまで控えめに申すことはない」
「……ありがとうございます」
返事をすると、王は少し笑った。
「二挺とも、大切に使わせてもらう。職人たちにも、そう伝えてくれ」
「必ず、お伝えいたします」
レオンハルトは、もう一度箱へ目を向けた。
品を確かめていた時の厳しい表情が和らぎ、嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
「お前は、祝いの席でも俺を驚かせるのだな」
アレクは、少し困ったように笑った。
「お喜びいただける物をと、考えました」
「ああ。十分に喜ばせてもらった」
広間に、笑いが広がった。
アレクの肩から、ようやく力が抜けた。
深く礼をして、王の前を下がる。
係の者が箱の蓋を閉じ、二挺を慎重に運んでいった。
諸侯の視線は、その後を追っていた。
◇ ◇ ◇
エリーゼの隣へ戻ると、彼女は少し身を寄せた。
「喜んでいただけましたね」
小さな声だった。
アレクは頷いた。
「はい」
それだけ答えてから、ようやく息を吐いた。
エリーゼが微笑む。
「ロルフ様たちにも、早くお伝えしたいですね」
「帰ったら、すぐに」
アレクは答えた。
王の言葉を、できるだけそのまま伝えたかった。
銃を見た時の顔も。
手に取って、馬上で使う姿を思い浮かべていたことも。
拳銃を箱へ戻す時、丁寧に置いてくれたことも。
近くへ戻ってきたマティアスが、アレクを見た。
「二つ目は、あれだったか」
「はい」
「陛下が、すぐに試すと言い出さずによかったな」
「後ほど、場所を整えていただく予定です」
「そうか」
マティアスは、献上品が運ばれた方へ目を向けた。
それから、広間の諸侯たちを見た。
「今日は、この後も声をかけられそうだな」
アレクが顔を向けると、主君はもう別の者へ挨拶を返していた。
少し離れたところでは、フーゴがこちらを見ていた。
目が合うと、片方の眉を上げる。
後で聞かせてもらうぞ。
声に出さなくても、そう言われた気がした。
アレクは小さく笑った。
その周りでも、何人かの諸侯がこちらへ目を向けていた。
アレクが入場した時、彼らが尋ねてきたのは、それぞれの鉄砲隊のことだった。
今は、それとは違う問いを持つ者もいるようだった。
アレクは、隣のエリーゼへ顔を戻した。
彼女は、穏やかにこちらを見ていた。
まずは、贈り物を喜んでもらえた。
今は、それが何より嬉しかった。
だが、広間のあちこちでは、まだ新しい銃の話が続いていた。
金獅子を施した二挺は、王への祝いの品として運ばれていった。
その姿は、すでに諸侯たちの目に焼きついていた。
お読みいただき、ありがとうございます。
アレクの成長と、贈り物に込めた思いを楽しんでいただけたら嬉しいです。
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