第六話 王に願う縁
マティアスに胸の内を明かしたアレクは、王都へ向かいます。
今度は国王の前で、自分の願いを伝える番です。
マティアスから呼び出しを受けたのは、帰還した兵の引き渡しと、負傷者の報告を済ませた後だった。
アレクが部屋へ入ると、マティアスは開いていた書状から目を上げた。
「陛下から返事が来た」
アレクは足を止めた。
「お会いしていただけるのですか」
「ああ。俺と一緒に王都へ来い」
「承知しました」
返事をしてから、アレクは握っていた手を開いた。
兵を率いて出陣する時とは違った。
連れていく人数も、敵の位置も、考える必要はない。それなのに、王都へ向かうと聞いただけで、胸の奥が落ち着かなくなった。
マティアスは書状を畳んだ。
「顔が硬いな」
「何をお尋ねになるかと考えておりました」
「聞かれたことに答えればよい」
「それは、そうなのですが」
「答えを全部用意してからでなければ会えんという相手ではない。分からんことまで、分かった顔で話すな」
アレクは頷いた。
「はい」
「領地を空ける間のことは、家宰へ伝えておけ。今回は軍を動かすわけではない。必要な護衛だけでよい」
「オスカーに申し伝えます」
マティアスは次の書類を取った。
話は済んだということだった。
アレクは頭を下げ、扉へ向かった。
帰還してから、領地へ持ち帰る報告や、工房へ確かめることが幾つもあった。城に戻れば、オスカーから判断を求められることもある。
それらを任せられる形にしてから、王都へ向かわねばならなかった。
自分の願いのために出かけるのだから、なおさら留守を曖昧にはできない。
アレクは廊下を歩きながら、伝えるべきことを頭の中でまとめた。
ただ、何度考えを戻しても、最後にはレオンハルトの前で口にする言葉へ行き着いた。
◇ ◇ ◇
旅の支度を整え、マティアスとともに王都へ入った時には、軍の凱旋を迎えるような人垣はなかった。
街道を進んできた馬と護衛が門をくぐり、荷車や商人の列の間を抜けていく。
アレクは馬上から、通りの店先を見た。
布を広げて客へ見せる商人がいた。籠を抱えた女が、その隣を通り過ぎる。王都の人々は、こちらが何を話しに来たのかなど知らず、それぞれの用事を続けていた。
その当たり前の光景に、少しだけ気が楽になった。
翌日、王宮へ向かう前に、アレクは上着の襟を整えた。
「曲がっております」
身支度を手伝っていた者に言われ、手を下ろす。
直してもらったところを、自分で何度も触っていたらしい。
「すみません」
「こちらで整えますので、そのままで」
アレクは顎を上げ、動かずに待った。
剣帯を締め、手袋を取る。
軍装ではない服で王に会うことにも、まだ慣れたとは言えなかった。
部屋を出ると、待っていたマティアスが一度だけアレクを見た。
「支度はよいか」
「はい」
「では、行くぞ」
それ以上、服について何も言われなかったことに、アレクは少し安心した。
王宮では、侍従が二人を奥へ案内した。
大勢の諸侯が並ぶ広間へは向かわなかった。廊下を曲がり、扉の前で足を止める。
「陛下がお待ちです」
侍従が中へ取り次いだ。
扉が開く。
レオンハルトは、窓に近い卓のそばにいた。卓上には数通の書状があり、広げていた一通を閉じて顔を上げた。
「来たか」
アレクはマティアスとともに進み出て、頭を下げた。
「お時間をいただき、ありがとうございます」
「座れ。そんなところに立っていては話が遠い」
示された椅子へ向かい、アレクは腰を下ろした。
マティアスが隣に座る。
侍従が飲み物を置いて退出すると、部屋には三人だけが残った。
レオンハルトは、まずアレクへ視線を向けた。
「アルヴェインの件は聞いている。よく道を取り戻したな」
「皆の働きがあってのことです。兵糧も、無事に届けることができました」
「ああ。アルベルトからも礼が来た。あの男が、ずいぶん丁寧に書いて寄越した」
レオンハルトが卓上の書状へ目を向ける。
「兵糧が届いた後は、兵たちも落ち着いたとあります」
マティアスが言った。
「街道の守備は、すべて向こうへ引き継いでおります」
「分かった。負傷した者の手当ては続けろ」
「手配しております」
短いやり取りの後、レオンハルトは椅子へ座り直した。
「さて」
アレクの背が伸びた。
マティアスは口を開かなかった。
前に言われた通り、自分の願いは、自分で話すことになっていた。
アレクは一度息を吸った。
「陛下。私は、アルヴェイン大公家のエリーゼ様との結婚を望んでおります」
言い終えても、目を伏せなかった。
レオンハルトはアレクの顔を見て、それからマティアスへ一度だけ視線を移した。
「マティアスに言わせず、自分で話しに来たか」
「私からお願いするべきことですので」
「そうだな」
口元に浮かんだ笑みは、からかうようなものではなかった。
レオンハルトは、アレクへ向き直った。
「エリーゼには伝えたのか」
「まだです。まず、マティアス様と陛下にご相談したいと思いました」
「アルベルトにも、まだ話しておらんのだな」
「はい。結婚を望んでいるとは、申し上げておりません」
「では、今日ここで聞いたことを、向こうがすでに知っていると思わずに話を進めねばならんな」
レオンハルトは頷いた。
アレクは膝の上の手を緩めた。
少なくとも、願いを口にすることはできた。
だが、王の返事はまだだった。
「なぜ今、結婚を望むと話しに来た」
レオンハルトが尋ねた。
アレクは少し考えてから答えた。
「この先も、エリーゼ様と一緒にいたいという気持ちが変わらないからです」
王は黙って聞いていた。
「お会いするたびに、次はいつ会えるかを考えてきました。ですが、これからもずっと、それだけでよいとは思えなくなりました」
「伯爵になり、城を持ったからか」
「それも、あります」
アレクは否定しなかった。
「以前より、エリーゼ様をお迎えした後の暮らしを考えられるようになりました。ただ、伯爵になったから、この縁談が認められると思っているわけではありません」
レオンハルトの指が、椅子の肘掛けから離れた。
「何が気になる」
「大公家との家柄の違いです。私が望んでも、それだけでは……」
言いかけて、アレクは言葉を切った。
できない理由から話し始めないと決めていた。
だが、聞かれたことを隠すのも違う。
「私との縁談を、大公家の方々が受け入れてくださるか、不安はあります」
正直に答えた。
レオンハルトは、すぐには何も言わなかった。
その沈黙の間、アレクは視線を動かさずに待った。
「家柄の違いはある」
王が言った。
「だが、俺が伯爵にした男を、釣り合わぬという一言で片づけられては困るな」
アレクは顔を上げた。
レオンハルトは、冗談で言っているのではなかった。
「領地を治め、兵を率い、命じた役目を果たしている。アルヴェインへ向かった時もそうだ。助けたい者がいるからと、勝手に兵を連れ出したわけではない。俺の命を受けて行き、道を開き、兵を連れて戻った」
「はい」
「その働きに対して与えた地位だ。伯爵という名だけを借りているような顔をするな」
アレクは、返す言葉を失った。
領地も城も、まだ自分には大きすぎると感じることがある。
城の者に頭を下げられることにも、伯爵として遇されることにも、完全には慣れていなかった。
だが、レオンハルトは、その地位を与えた王だった。
自分に何を任せられるかを見極めたうえで、伯爵に取り立ててくれたのだ。
「……ありがとうございます」
アレクは頭を下げた。
「礼を言うより、覚えておけ」
「はい」
レオンハルトは、卓に置かれた杯を取った。
「もちろん、それで大公家が何も言わず頷くとは限らん。向こうには向こうの考えがある」
「承知しております」
「それに、俺が認めれば、エリーゼの返事まで決まるわけではない」
アレクは、はっきりと頷いた。
「御本人のお気持ちを、確かめたいと思っています」
「望まぬと言われたら」
胸の奥が、わずかに縮んだ。
マティアスにも伝えたことだった。
それでも、王の前で答える時には、同じだけの覚悟が要った。
「受け止めます。陛下やマティアス様のお力をお借りして、無理に承諾していただくつもりはありません」
レオンハルトは杯を置いた。
「ならばよい」
声が、少し和らいだ。
「エリーゼが望まぬなら、この話は進めん。だが、二人が望むなら、俺は後押しする」
アレクは息を止めた。
聞き間違いではないかと、王の顔を見た。
レオンハルトは、まっすぐにこちらを見ていた。
「陛下が、ですか」
「その相談に来たのではないのか」
「はい。ですが……」
「嫌なら、今の言葉は取り消すぞ」
「いえ。お願いいたします」
思わず返事が早くなった。
隣でマティアスが、小さく息を漏らした。
笑われたのだと分かり、アレクの頬が熱くなる。
レオンハルトも口元を緩めた。
「ようやく、何を望んでいるかが顔にも出たな」
アレクは背を正したまま、もう一度頭を下げた。
「ありがとうございます」
今度は、王も礼を止めなかった。
◇ ◇ ◇
「陛下」
マティアスが口を開いた。
「この縁談がまとまれば、両国の関係にも影響します。大公家へ話を通す際には、その点も考えておく必要があるかと」
「同盟のことか」
「はい」
アレクは二人へ視線を向けた。
自分の結婚の話だったはずなのに、国と国の話へつながっていく。
前にマティアスから言われていたことだったが、実際に王の前で話が始まると、その重さが違った。
「今回、援軍を出すまでにも、向こうからの知らせを受け、陛下の命令を待ち、国境で案内役と合流する必要がありました」
マティアスが続けた。
「救援そのものは間に合いました。しかし、次も同じだけの時間があるとは限りません」
レオンハルトは頷いた。
「アレク。現地で困ったことは何だ」
突然話を向けられ、アレクは顔を上げた。
「現地ですか」
「道を開くまでだけではない。向かう途中も含めてだ」
アレクは、出陣前に見た地図を思い出した。
「届いている知らせが、今の状況と同じとは限らないことです。敵がどこを押さえ、荷車がどこまで進めるかは、現地で確かめ直さなければなりませんでした」
「それをなくすことはできんな」
「はい。ただ、国境で知らせを受け取る相手や、使者が立ち寄る場所が決まっていれば、途中でも新しい報告を受けやすくなると思います」
マティアスが頷いた。
「連絡先を、その都度探さずに済むようにするということだな」
「はい。敵が街道を押さえたと分かった時に、どこへ知らせればよいかを、向こうの守備隊も知っていれば助かります」
レオンハルトはマティアスを見た。
「国境の異変と、敵軍の動きか」
「まずは、その知らせを早く共有できるようにすることです」
マティアスは、持参した紙へ短く書き留めた。
「次に、援軍を求める時の手順です。誰の要請を正式なものとして受け、どこを通り、誰が兵糧と飼葉を用意するのか。大枠を決めておけば、出兵が決まった後の支度を早められます」
「求められれば、必ず兵を出すという約束ではないな」
「はい。兵を出すかどうかは、双方が判断する必要があります」
レオンハルトは頷いた。
「そこは曖昧にするな。片方が始めた戦へ、何も聞かずにもう片方まで入ることになっては困る」
アレクは、今回の任務を思い出した。
命じられたのは、補給街道を取り戻すことだった。
アルヴェインの兵がその先の城へ向かうからといって、自分たちも一緒に進んでよいわけではなかった。
「援軍が何をするために来たのかも、先に伝わっていた方がよいと思います」
アレクが言った。
「今回も、補給路の確保と引き継ぎについて、向こうの指揮官と確かめました。帰還する時にも、その役目を終えたと分かっていただけましたので」
「援軍が来たのだから、どこまでも使えると思われては困るということだな」
「はい」
マティアスが書き加える。
アレクは、その筆先を見た。
戦場で困ったことが、次の取り決めを考える材料になっている。
王と宰相が話しているからといって、自分に何も言えることがないわけではなかった。
「商人の通行も、併せて話せるでしょう」
マティアスが言った。
「兵糧を送る道は、普段は商人が使う道です。荷を通すたびに話をつけ直さねばならん場所があれば、軍のためにも交易のためにも改める余地があります」
「双方の領主が取っているものまで、何もかも取り上げる話にはするなよ」
「承知しております。まずは現状を確かめます。商人に同じ説明を何度もさせることや、理由もなく荷を留めることを減らすだけでも、違いは出ます」
レオンハルトは椅子へ背を預けた。
「知らせを早くし、援軍を出す時の手順を整え、荷を通しやすくする。話の柱としてはよい」
マティアスは頷いた。
「細目は、向こうの意向を聞いてから詰めます」
「武器の扱いは別に考えろ。縁談があるからといって、何でも渡す話にはせん」
「そのように進めます」
アレクは二人の話を聞きながら、少しずつ表情を硬くしていた。
同盟が強くなることは、よいことだと思う。
今回のように兵糧が届かなくなり、兵が追い詰められる事態を減らせるのであれば、なおさらだった。
だが、エリーゼへ気持ちを伝える前から、あまりに多くのことが決まり始めているようにも感じた。
レオンハルトが、アレクへ目を向けた。
「何か言いたそうだな」
「申し訳ありません」
「謝る前に言え」
アレクはマティアスを見た。
マティアスも、続きを待っていた。
「同盟の話が進んだ後では、エリーゼ様が断りにくくならないでしょうか」
言い終えてから、喉が渇いた。
王が後押しすると言ってくれたばかりだった。その場で、進め方に不安を口にしている。
それでも、ここで聞かなければならないと思った。
「私との結婚を断れば、両国の関係に悪いことがあると、思わせたくはありません」
レオンハルトは、しばらくアレクを見ていた。
やがて、短く頷いた。
「それでよい」
アレクが目を瞬かせる。
「その心配は、忘れるな」
王はマティアスへ顔を向けた。
「条約と縁談を、引き換えにはしない。今の話は、同盟国として整えるべきことだ。二人の縁が結ばれるなら、その時に両国の結びつきも示せるよう考える」
「はい。まずは、それぞれの意思を確かめます」
マティアスが答えた。
レオンハルトは、アレクへ視線を戻した。
「エリーゼを嫁がせねば交易を止めるなどと言い出したら、縁談ではなく脅しだ」
「はい」
「俺が支持するというのは、二人が望む縁を、国の側から支えるということだ。結婚しろと命じるためではない」
アレクは、ようやく肩の力を抜いた。
「ありがとうございます」
「ただし、二人の気持ちだけ分かれば、後は何もせずに済むということでもないぞ」
レオンハルトは続けた。
「大公家が何を心配するかは、聞かねばならん。こちらも、領主としての役目を投げ出すわけにはいかん。双方が納得できる形に整えるのは、これからの話だ」
「承知しております」
今度の返事は、最初より落ち着いていた。
難しいことがなくなったわけではない。
だが、その難しさを理由に、最初から願いを引っ込める必要はないと分かった。
マティアスは、書き留めた紙を卓へ置いた。
「まずは、アレクからエリーゼ様へ気持ちを伝えさせてはいかがでしょう。大公家への申し入れは、お二人の意思を確かめてからがよいかと」
「そうだな」
レオンハルトは頷き、アレクへ向き直った。
「エリーゼも望むなら、改めて俺に知らせろ。その時は、俺からアルベルトへ書状を送ろう」
「ありがとうございます」
アレクは頭を下げた。
大公家へ結婚を願い出る時には、王が力を貸してくれる。その約束は心強かった。
だが、その前に、自分で伝えなければならない言葉がある。
マティアスがアレクを見た。
「会いに行くにしても、先方の都合を確かめてからだ。領地を空ける支度もしておけ」
「はい。留守中のことは、オスカーと相談しておきます」
アルベルトは、まだ前線にいる。エリーゼを訪ねるにも、大公家の受け入れを確かめ、日程を整える必要があった。
すぐに出発できるわけではない。それでも、会えた時に何を伝えるかは、もう決まっていた。
「陛下」
アレクは顔を上げた。
「何だ」
「エリーゼ様へ、手紙を書いてもよろしいでしょうか」
「俺に許しを求めねば、手紙も書けん仲だったか」
「いえ。そうではなく……今回のことを、どこまで書くべきかと思いまして」
レオンハルトはマティアスを見た。
マティアスが答える。
「陛下が支持してくださったと、先に知らせる必要はない。まずは、無事に戻ったことを伝えるとよい」
「はい」
「訪問の日取りが決まれば、その時に会って話したいと伝えられる。今から返事を急がせるような書き方はするな」
アレクは頷いた。
書きたいことは幾つもあった。
アルベルトが無事だったことも、救援の役目を終えて戻ったことも伝えたい。
だが、いちばん大切な言葉は、できるなら顔を見て伝えたかった。
「結婚のお願いは、お会いした時に、自分の口でお伝えします」
「そうしろ」
レオンハルトが言った。
王はアレクを見た。
「一つだけ、先に言っておく」
アレクの背が、再び伸びた。
「俺の名を出せば、よい返事がもらえるとは思うな」
「もちろんです」
「ならばよい。エリーゼが聞きたいのは、俺が何と言ったかではなかろう」
アレクは、ゆっくり頷いた。
王が認めてくれた。
マティアスが力を貸してくれる。
そのことは、心強かった。
だが、エリーゼへ伝える時にまで、その後ろへ隠れるわけにはいかなかった。
「私がどう思っているかを、お伝えします」
「ああ」
レオンハルトは満足したように頷いた。
マティアスが、同盟について書き留めた紙をまとめ、立ち上がる。
アレクも立ち上がった。
胸の中には、まだ落ち着かないものが残っていた。
だが、部屋へ入った時の不安とは違っていた。
大公家がどう答えるかは分からない。
エリーゼが自分の言葉を聞いて、どのような表情を浮かべるのかも分からなかった。
それでも、結婚を望んでよいのかと、一人で迷っていた時とは違う。今は、その願いを支えてくれる人がいた。
レオンハルトへ頭を下げる。
「本日は、ありがとうございました」
「帰って、また襟をいじり続けるなよ」
アレクは顔を上げた。
王の視線が、上着の襟元へ向いていた。
話をしている間にも、一度か二度、触ってしまっていたらしい。
「気づいておられたのですか」
「目の前に座っていればな」
隣で、マティアスが笑った。
アレクは襟へ伸ばしかけた手を止め、そのまま下ろした。
「次は、気をつけます」
「次に気をつける相手は、俺ではないぞ」
レオンハルトの声が和らいだ。
「俺に言えたのだ。次は、本人に伝えてこい」
アレクの頬が熱くなった。
だが、今度は言葉に詰まらなかった。
「はい。自分の口で、お伝えします」
レオンハルトは、ゆっくりと頷いた。
アレクはマティアスとともに部屋を出た。
廊下へ戻ると、先ほどまで待っていた侍従が頭を下げた。窓から差す光が、磨かれた床へ長く伸びている。
アレクは顔を上げ、前を向いた。
今度エリーゼに会えた時には、遠回しな言葉で済ませたくなかった。
会いたかったという言葉の先を、伝えたい。
アレクは王宮の廊下を、マティアスと並んで歩いていった。
第六話を読んでいただき、ありがとうございました。
伯爵として認められていても、恋の相談には緊張してしまうアレク。レオンハルトとマティアス、それぞれの立場からの支えも感じていただけたら嬉しいです。
少しでも面白い、続きが気になると思ってくださったら、ページ下部にある【ブックマークに追加】や【★★★★★】での評価で応援していただけると、執筆の励みになります!




