【第七篇の主要な登場人物】
第七篇「乱世を越える黒獅子」の終了時点における、主要な登場人物を紹介します。第七篇の内容を含みますので、物語を読み終えてからご覧ください。
『第七篇 乱世を越える黒獅子』終了時点
第七篇に登場した主要人物をまとめます。以下には、第七篇の結末までの内容を含みます。
【中心人物】
◆ アレク・ハルトマン
前世の知識を持ち、マティアスに仕える青年。ロスヴァール遠征の功績により、子爵から伯爵へ昇った。
従来の火槍隊を「鉄砲隊」と呼ぶことを進言し、認められる。直属の百人を騎馬鉄砲隊として育て、馬で移動して下馬射撃を行うほか、状況に応じた騎乗射撃も用いる。
指揮する鉄砲隊には自分の兵だけでなく、レオンハルトとマティアスの兵も含まれる。遠征では野戦での射撃、敵援軍の阻止、新型大砲の運用、使者としての開城交渉に携わった。
神との再会を経て、銃を構えた時に予測される弾の道筋を捉える力を得る。大砲にも応用できたが、未来が確定して見える力でも、必ず命中させられる力でもない。
紋章は、林檎の花と、その周りの五つの蕾。ロルフから贈られた特別な装飾の火縄銃と装備を使う。
帰還後は新しい城と領地を引き継ぎ、家臣への褒賞、遺族への報告、兵の増員、技術開発や石炭の利用にも向き合う。直属兵を千人へ増やす計画は、第七篇終了時点ではまだ達成されていない。
最後には、補給線を断たれたアルヴェイン軍を救うため、再び出発する。
◆ マティアス・クレーマー
アレクの主君。ロスヴァール遠征後、伯爵から侯爵へ昇り、グランヴァルトの宰相となった。
開戦前にはカルディアへ赴き、ロスヴァールとの戦に限る協力関係を取りつける。遠征中は交渉と補給、降伏した城の引き継ぎを進め、軍が前へ進める状態を保った。
敵将アーノルドへ働きかけ、ロスヴァール王城を大規模な戦闘なしに開かせる道を作る。戦後は領地の再編と諸侯の処遇、カルディアとの境界の調整にも携わった。
宰相として王家と諸侯の政務を取りまとめ、西部の諸侯や街道の守りを調整する役目も任される。
アレクには、城を持つ伯爵として、家臣に仕事を任せる必要を説き、家宰となるオスカーを紹介した。アルヴェイン救援では、後方の連絡と補給を支える。
【グランヴァルト王国】
■ レオンハルト・フォン・グランヴァルト
グランヴァルト国王。「黒獅子」の名を持つ。
即位後、東の盟約に加わった者たちを裁く。東部の争いを裏から助長したロスヴァールへの報復を決め、かつてイグナーツが治めていた城を「ジークブルク」と命名し、侵攻の拠点に整えた。
ロスヴァール遠征では大軍を率い、野戦と攻城戦を進める。自軍の兵が敵領内で緊張を強いられ続けることも重く見て、返答を引き延ばす城には期限を切り、砲撃を命じた。
征服後は降伏した者の働きを認める一方、旧王には責任を取らせる。旧ロスヴァールの統治と本国の領地再編を進め、マティアス、ユリウス、アレクらへ新たな爵位と役目を与えた。
アルヴェイン軍の補給線が断たれた際には、街道を取り戻して補給を通すための救援を命じる。ベルン伯爵領への侵攻そのものへ加わる命令ではない。
■ ユリウス・フォン・カレンベルク
レオンハルトに長く仕える重臣。遠征後、マティアスと共に侯爵へ昇った。
ロスヴァールでは別働軍を率い、城を落として本隊と合流する。戦後は王国軍を統率し、各地の軍を動かすための指揮と備えを取りまとめる役目を任された。
古くからレオンハルトに従う兵だけでなく、先王に仕えた者や新たに帰順した者も含めて軍を支える。
【マティアスに仕える五人】
アレクと、以下の四人。各々が兵と領地を持ちながら、マティアスの下で役割を分担する。
● ヴィクトル・フォン・ドルンハイム
ロスヴァール遠征後に子爵となり、領地を加増された。
城門から兵を進め、後続が入る場所を確保するなど、正面に立って軍を動かす。若い当主としての責任を負いながら、実戦で経験を重ねてきた。
第七篇末のアルヴェイン救援では、現地で軍全体をまとめる役を任され、ロベルトと共に本隊を率いる。
● エイドリアン・フォン・モルゲンフェルト
ロスヴァール遠征後に子爵となり、領地を加増された。
後続の兵をまとめ、崩れかけた隊列を立て直すなど、部隊を保つ働きが認められた。
アルヴェイン救援では先遣三百人の指揮を任される。アレクとカスパルもその先遣隊に加わる。
● カスパル・フォン・ファルケナウ
ロスヴァール遠征後に子爵となり、領地を加増された。
軽口を交わす一方、斥候と伝令を通じて敵の動きを早く知らせ、味方の判断を支える。
アルヴェイン救援では先遣隊に加わり、前方の状況を確かめる役目を担う。
● ロベルト・フォン・リンデンフェルス
ロスヴァール遠征後に子爵となり、領地を加増された。
街道と荷の流れを押さえ、前へ出た軍を支える。褒賞の土地を見ても収入や倉のことが気になる、実利に敏い一面は変わらない。
アルヴェイン救援ではヴィクトルと共に本隊を率い、兵糧を運ぶ本隊の進軍を支える。
【アレクの家臣と領地】
▲ ギルベルト
アレクを支える鉄砲隊長。
訓練、隊列、射撃命令の伝達、兵の帰還や負傷者の取りまとめなど、部隊を動かす実務を担う。
遠征後、アレクが最初に与えられた土地であるアイヒェンタールを領地として授けられた。以後もアレクに仕え、鉄砲隊長の役目を続ける。
火縄銃に関わる施設はアレクの直轄のままで、ギルベルトがその管理を任される。領地の収入と施設の費用は区別されている。
アルヴェイン救援では、本隊と進む徒歩の鉄砲隊をまとめる。
▲ オスカー・ベルナー
アレクの新しい居城で家宰を務める人物。
マティアスの領地で会計と土地の管理に携わってきた経験を持ち、マティアスの紹介によってアレクに仕える。
城と領地の引き継ぎや帳簿の管理を担い、日々の政務を支える。アレクが兵や開発だけに目を向けず、留守の間も領地が回るようにするための重要な家臣。
▲ マルタ・ケスラー
アレクの居城のメイド長。
城で働く者たちをまとめ、新しい主を迎える。オスカーと共に最初はアレクを「閣下」と呼ぶが、本人の希望を受けて呼び方を改める。
伯爵となったことに戸惑うアレクの、新しい城での日常を支える。
【職人と技術開発】
▲ ロルフ・ブレンナー
火縄銃の製造を担う職人。アレクの知識を実際の道具にしてきた協力者。
アレクたちが保有する火縄銃とは別に、六百挺が完成したと報告し、鉄砲隊増強を支える。アレクの子爵昇進祝いとして、遅くなったことを詫びつつ、特別に装飾した火縄銃と装備一式を贈った。
新たな銃や弾、工作機械の開発でも、職人側の経験と判断が欠かせない。アレクが考えを示し、専門の者たちが試作や研究を進め、報告する形で仕事が動き始めている。
▲ 王家直轄の鍛冶町の職人たち
武器や防具の仕事が減り、新型火槍の製造を請け負えないかと王へ申し出た。
火縄銃の秘密を広めないため、その製造は任されなかったが、既存の大砲の改良と生産を担うことになった。
完成した新型大砲四門はロスヴァール遠征へ送られ、城門や塔への攻撃で力を示す。さらなる改良に向けた研究も始まっているが、実用化には至っていない。
【アルヴェイン大公国】
◆ アルベルト・ヴァレンシュタイン
アルヴェイン大公。エリーゼの叔父。
グランヴァルトとの同盟を結び、火縄銃の生産や兵の訓練の状況についてもアレクらと話し合う。
たびたび自国へ侵攻してきたベルン伯爵領への反撃を検討し、その後、自ら前線に立った。第七篇末では二つの城を落とした後に補給路を断たれ、軍を維持するための救援が必要となっている。
◆ エリーゼ・フォン・ヴァレンシュタイン
アルベルトの姪。アレクと手紙を交わす相手。
同盟締結のためにアルヴェインを訪れたアレクと再会し、本を貸す。戦で傷んだ手袋も預かり、職人に修繕できるか確かめることになった。
遠征中も、アレクの暮らしや体を気遣う手紙を送り続ける。伯爵となったアレクも、爵位を得たからすべての隔たりが消えたとは考えておらず、二人の関係はまだ婚約には至っていない。
【ロスヴァール王国】
◇ アーノルド・フォン・ケッセルハイム
ロスヴァール南部でカルディアとの戦を指揮していた将。伯爵。
西の戦いで失った兵力を補うため、南の兵を送れという王命を受ける。自分の戦線にも余裕がないと知りながら従い、その後は兵と住民を守るための撤退を迫られた。
マティアスから、捕虜となった部下たちが生きていることを知らされ、やり取りを重ねる。戦を続ける王に従い続けるか、国と兵をこれ以上失わないために動くか、決断を迫られる。
最終的に王城を制圧し、ロスヴァール王に降伏を受け入れさせた。戦後は伯爵位と本領を安堵され、グランヴァルトに仕える。妻と娘も保護の対象となる。
現地の道や城、兵の事情を知る人物として、マティアスやユリウスと共に戦後の仕事へ加わる。
◇ ロスヴァール王
グランヴァルト東部の諸侯を動かし、自国との間に緩衝地を作ろうとした国王。
カルディアとの戦を続ける中、グランヴァルト軍の侵攻を受ける。西の敗戦を補うため南からも兵を回させるが、失地は増えていく。
降伏勧告を拒むものの、アーノルドらに王城を押さえられ、降伏する。征服後、東部の争いを助長した責任などを問われ、処刑された。
◇ ロスヴァールの王子
ロスヴァール王の息子。
父の罪を理由に王子まで処刑されることはなく、グランヴァルト本国で管理下に置かれることとなった。第七篇終了時点では、その先の身の振り方は定まっていない。
【東部の争いから続く人物】
◇ イグナーツ・フォン・フェルゼン
東の盟約の中心だった伯爵。第六篇で捕らえられ、第七篇冒頭で裁きを受ける。
ロスヴァールとのつながりや、東部で起きたことへの責任を問われ、処刑された。城は接収され、レオンハルトによってジークブルクと名づけられた。
◆ フェリックス・フォン・グレンツベルク
亡きルーカスの嫡男で、グレンツベルク家を継ぐ少年。
父の死と焼かれた領地は、レオンハルトたちがロスヴァールへの責任追及を進める背景の一つとなっている。家の再建は、戦に勝てば終わるものではなく、引き続き支えを必要としている。
【第七篇末の救援軍】
アルヴェインへ向かう救援軍は二千四百人。内訳は鉄砲隊六百人、歩兵千五百人、これとは別の騎兵三百人。
鉄砲隊六百人のうち、アレク直属の騎馬鉄砲隊が百人、マティアスの兵が三百人、レオンハルトの兵が二百人となる。
先遣三百人はエイドリアンが率い、アレクとカスパルが加わる。本隊二千百人はヴィクトルとロベルトが率い、徒歩の鉄砲隊をギルベルトがまとめる。
任務は、ベルン伯爵軍に押さえられた補給路を開き、アルヴェイン軍へ兵糧を届けること。アルヴェインの侵攻へそのまま加わるための出兵ではない。
第七篇をお読みいただき、ありがとうございます。
続く第八篇「乱世に結ぶ絆」も、よろしくお願いいたします。
続きが気になりましたら、ブックマークに追加していただけると嬉しいです。
面白かったと感じていただけましたら、ページ下部から評価で応援していただけると、執筆の励みになります!




