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『知らない世界で、前世の知識が武器になる』 ~剣と銃で乱世を生き抜く転生領主の成り上がり~  作者: 相田 ソウ
第一篇 乱世黎明

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【第一篇の主要な登場人物】

第一篇「乱世黎明」の終了時点における、主要な登場人物を紹介します。第一篇の内容を含みますので、物語を読み終えてからご覧ください。

『第一篇 乱世黎明』終了時点

第一篇に登場した主要人物をまとめます。

【中心人物】

◆ アレク・ハルトマン

本作の主人公。十五歳。前世は三十歳の日本人会社員・佐藤恒一。

神の手違いによって命を落とし、異世界で十五歳の少年として生きることになった。前世の記憶と知識、この世界の言葉を理解する力、高い身体能力、相手の様子や感情の変化を察する力などを与えられている。剣を扱う才能は与えられたが、剣そのものは授けられておらず、木剣を握るまではその才能を実感できていなかった。

自力で森を抜けてラーデン村へたどり着き、村の女性に教えられた教会を訪ねた。神父マルセルに食事と寝床を与えられ、記憶を失った少年を装って暮らし始めた。村へ徴兵命令が届くと、逃げる道を示されながらも、自分を受け入れてくれた者たちを残せず、徴集兵として戦場へ向かう。

ゲオルクやハンスから戦場の現実を学び、偵察中に初めて人を斬った。少数の兵で略奪隊を退ける際には、夜の森、篝火、複数方向からの声や物音を利用し、実際より大勢の兵がいるように見せる策を考えた。

ヴァイスブルクを巡る戦いでは、夜襲への警戒、城門を破られた場合の第二防衛線、敵軍を誘導する方法などを提案する。ただし、アレク一人の力で勝利したわけではない。アレクの考えをアルベルト、ヴァイス男爵、ゲオルクが実行可能な形へ整え、兵士たちが命を懸けて動いたことで効果を発揮した。

戦後は功績を認められ、銀貨百枚、馬一頭、剣一振りを与えられた。この剣は神から授かったものではなく、アレクが自らの働きによって初めて得た武器である。

戦場だけでなく、負傷者の治療、遺族への補償、捕虜、兵糧、街道、財政まで考えるアルベルトの姿を見て、その近くで学ぶことを望む。一度は家臣への誘いを断ったが、第一篇終盤で自ら仕官を願い出て、アルベルトの小姓となった。

転生や前世については、現在も誰にも明かしていない。

◆ アルベルト・ヴァレンシュタイン

アルヴェイン大公国を治める若き大公。第一篇終了時点におけるアレクの主君。

身分や家柄だけで人を判断せず、役に立つ意見であれば徴集兵の提案にも耳を傾ける。ただし、答えをすぐに教えることは少なく、問いを重ねることで相手自身に考えさせる。

ヴァイスブルクの戦いでは、伏兵、騎兵による誘導、弓兵や槍兵との連携を用い、兵力で勝るベルン伯爵軍を退けた。戦況が変われば最初の策に固執せず、敵の反応に合わせて次の手を選ぶ現実的な指揮官でもある。

戦後は戦死した兵士や民の名前を確認し、遺族への補償を命じた。敵の捕虜にも治療を受けさせ、事情を調べたうえで扱いを決めている。勝つことだけでなく、戦後に残る問題まで背負うのが人の上に立つ者の務めだと考えている。

アレクの出自を疑いながらも、他の者が見落とすものに気づく力を評価している。危険な可能性を持つからこそ自分の目が届く場所へ置き、必要な知識と立場を身につけさせようと、小姓として迎え入れた。

【ラーデン村とアルヴェイン大公国の人々】

● マルセル

ラーデン村の教会を預かる、五十歳を過ぎた頃に見える神父。アレクに異世界で初めて食事と寝床を与えた恩人。

自ら教会を訪ねてきたアレクを、身元が分からないことに警戒しながらも迎え入れた。口調は厳しく、無条件に甘やかすことはないが、困っている者を見捨てられない。

記憶を失ったと話すアレクへ、この世界の暮らし、領主制度、戦争、周辺情勢を教えた。徴兵命令が届いた際には、ラーデン村の生まれではないアレクまで戦う必要はないと逃げる道を示したが、残ると決めたアレクへ薬草や布を持たせて送り出している。

アレクにとって命の恩人であり、この世界で得た最初の家族に近い存在である。

● オットー・ヴァイス男爵

ヴァイス男爵領を治め、城塞都市ヴァイスブルクの守備を担う領主。作中では主にヴァイス男爵と呼ばれる。

五十歳ほどの大柄な人物で、アルベルトに仕える重臣の一人。主従でありながら、アルベルトへ率直に意見を述べられる関係にある。

ベルン伯爵軍の侵攻を受け、城の守備隊と周辺の村から集めた兵を率いた。アレクの提案を無条件に受け入れることはないが、必要性を認めた第二防衛線を準備させるなど、役に立つ意見は相手の身分や年齢にかかわらず採用する。

城壁と城門が攻撃を受ける中、限られた兵を各所へ送り、最後には自ら第二防衛線に立って敵を食い止めた。

● ゲオルク・バウマン

ヴァイス男爵家に仕える騎士。三十代後半ほど。ラーデン村から徴集された兵の指揮を任された。

十二回以上の戦を経験しており、剣の腕だけでなく、情報、食料、退路、兵の疲労を重視する。徴集兵たちへ、敵を倒すことよりも、生き残るために頭を使うよう教えた。

アレクが考えた策を実行可能な形へ整え、人を動かす者が背負う責任も伝えた。アレクの観察力や判断力を早くから認める一方、未熟さと危うさも理解しており、戦場では護衛や教育役に近い立場となっている。

● トーマス・ベッカー

ラーデン村出身の少年。十六歳から十七歳ほど。赤みがかった髪が特徴。

アレクが異世界で初めて親しくなった同年代の友人であり、戦場をともに生き延びた戦友でもある。

戦で手柄を立て、農民から騎士になることを夢見ている。父親も過去に出陣し、三度目の戦から帰らなかった。危険な状況でも軽口を忘れず、考え込みやすいアレクを現実へ引き戻すことがある。

アレクが考えた略奪隊を退ける策に加わり、ヴァイスブルクの戦いでは矢や物資を運び、夜襲では城門を内側から開けようとした敵と戦った。戦後はアレクとともに負傷者のための物資を運び、戦いが終わった後も行動をともにした。

● ハンス

ヴァイス男爵家の兵士で、ゲオルクの部下。

アレクの力量を確かめる模擬戦の相手を務めた後、二人でグリュン村の偵察へ向かった。敵に襲われている村人を見つけた際には、今飛び出せば自分たちだけでなく、助けようとした者まで危険にさらすとアレクを止めた。

偵察から戻る途中で敵の矢を左脚に受け、アレクに救われる。初めて人を斬って吐いたアレクへ、無理に平静を装う必要はないと声をかけた。

アレクにとって、戦場では助けられない者がいる現実と、それでも生きて帰ることの大切さを教えた先輩兵士である。

● エミール

ラーデン村出身の徴集兵。三十代で、三人の子供がいる。

手柄や出世よりも、家族のもとへ帰ることを望んでいる。アレクが初めて指揮した者の一人であり、少数の兵で略奪隊を退ける作戦では、森の中に弓兵がいると思わせる偽の号令を担当した。

年下のアレクが、命令によって誰かを死なせるかもしれない責任を一人で背負おうとしていることに気づき、皆で決めたことまで一人で抱え込む必要はないと伝えた。

● エルンスト・クラウゼ

アルヴェイン城で歴史や戦の記録を管理する、年老いた記録官。

厳格で無愛想だが、アレクへ過去の記録を見せ、この世界と前世の歴史に似た部分があっても、同じ未来が訪れるとは限らないことを考えさせた。

予測が当たったことだけでなく、外れた理由や見落としたものを記録することが、次の判断を良くするために必要だと教えている。アレクを追い返そうとすることも多いが、次に必要となる記録を用意するなど、その学ぶ姿勢を完全には嫌っていない。

【ベルン伯爵軍】

▲ ベルン伯爵

西方から約三千の軍を率い、アルヴェイン大公国へ侵攻した有力領主。

国境の砦を落とし、周辺の村から食料を奪いながらヴァイスブルクへ進軍した。降伏期限を利用した欺き、城内の協力者による夜襲、補給路を狙う別働隊、火砲と破城槌を組み合わせ、アルベルトの援軍が到着する前に城を奪おうとする。

最終的にはアルベルト軍に陣形を崩され、ヴァイスブルクから撤退した。本人は討たれておらず、残兵とともにグラーツ城へ退いている。

敗北によって弱体化したと周辺勢力から見られ、その隙を狙うシュヴァルツ伯の侵攻を受けることになる。

▲ コンラート・ヘルマン

ベルン伯爵配下の騎士団長。武勇に優れ、自ら危険な場所へ立つことで兵から信頼されている。

勇敢である一方、自分より慎重な者を臆病者と見る傾向がある。ただし、過去に退却する敵を追って伏兵に遭った失敗を忘れておらず、アルベルトの誘いを警戒するなど、経験から学ぶことのできる指揮官でもある。

十五歳のアレクを当初は軽く見ていたが、戦場の策に関わっていると知り、年齢だけでは判断できない相手として警戒するようになった。

【周辺諸国と諸侯】

■ エドゥアルト・フォン・ライゼン

グランヴァルト国王の使者。ヴァイスブルクでの勝利を祝うという名目で、アルヴェイン大公国を訪れた。

礼儀正しく穏やかな態度を崩さないが、相手の言葉や反応を細かく観察している。アルベルトがベルン伯爵を追撃するか確かめる一方、グランヴァルト王国西部でシュヴァルツ伯が兵を集めているという情報を伝えた。

アレクの出身や能力にも興味を示し、優れた考えを見せれば、評価する者だけでなく、利用しようとする者や不快に思う者も現れると忠告している。

■ シュヴァルツ伯

グランヴァルト王国西端に領地を持つ有力諸侯。ベルン伯爵とは、国境の森や村を巡って以前から争っていた。

ベルン伯爵がヴァイスブルクで敗れたことを知ると、約千八百の兵を集めてベルン領へ侵攻した。

第一篇終了時点では詳しい性格や目的は明らかになっていない。ベルン伯爵の弱体化を好機と捉え、自らの勢力を広げようとしていると見られる。勝ちすぎれば、ベルン伯爵に代わってアルヴェイン大公国西部の新たな脅威となる可能性がある。

■ レオンハルト・フォン・グランヴァルト

グランヴァルト王国第一王弟。

王家の一員でありながら、自らを支持する諸侯の兵を動かせる大きな影響力を持つ。第一篇終了時点では、アレクとまだ対面していない。

アルヴェイン大公国の東部国境から二日ほどの平原へ、一万二千を超える大軍を集めたと報告されている。軍は西を向いているが、国境を越えておらず、大規模な攻城兵器も確認されていない。

アルヴェインへの侵攻を狙っているのか、他の目的で兵を集めたのかは判明していない。各地で軍や諸侯が動き始める中、乱世の到来を強く印象づける存在となっている。

【その他】

◇ 神

手違いによって佐藤恒一を死なせ、異世界へ転生させた存在。若者とも老人とも判断しにくい、白い服を着た男性の姿で現れた。

償いとして、恒一を十五歳のアレク・ハルトマンとして転生させ、この世界の言葉を理解する力、高い身体能力、人と意思を通わせる力、相手の様子や感情の変化を察する力、前世の記憶と知識を与えた。

アレクへ与えたのは剣を扱う才能であり、剣そのものではない。知識を持っていても必ず勝てるわけではないと警告している。

アレクにとっては新しく生きる機会を与えた存在であると同時に、手違いで自分を死なせた張本人でもある。

第一篇の登場人物紹介を読んでいただき、ありがとうございました。

異世界へ転生したアレクは、ラーデン村の人々や戦場で出会った者たちに支えられ、徴集兵からアルベルトの小姓となりました。それぞれの立場と関係を振り返りながら、第二篇以降もお楽しみいただければ幸いです。


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