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『知らない世界で、前世の知識が武器になる』 ~剣と銃で乱世を生き抜く転生領主の成り上がり~  作者: 相田 ソウ
第六篇 乱世を動かす火

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第三話 王の前の火

王都を揺らした四百挺の祝砲。その翌朝、レオンハルトたちは国王へ戦勝を報告し、極秘の新型火槍を披露します。戦場で得た勝利が、王国の新たな力関係へと変わり始めます。

 王都へ入った翌朝、アレクは鐘の音で目を覚ました。

 窓の外はまだ薄暗い。石造りの建物に囲まれた中庭では、松明を持った近衛兵が夜の見張りと交代していた。

 昨日は王都の門前で四百挺の祝砲を放ち、そのまま凱旋の行列へ加わった。宿泊場所として与えられた王宮の客室へ入った頃には、日が沈みかけていた。

 疲れていたはずなのに、よく眠れた気はしない。

 今日は国王へシュヴァルツ伯との戦いを報告する。

 戦場で敵と向き合う時は、相手が何をしようとしているのかを考えればよかった。王宮では、同じ言葉でも口にする者と聞く者によって意味が変わる。

 昨日、王都の門前で四百挺を撃ったことも、単なる戦勝の祝砲ではない。

 あの音を聞いた者は、レオンハルトがどれだけの火縄銃を持っているのかを考える。四百挺しかないと思う者もいれば、王都へ持ってこなかった分が別にあると考える者もいる。

 実際の数を知らないこと自体が、相手を警戒させる。

 アレクは顔を洗い、マティアスから贈られた鎧を身につけた。修理された胸当てを留め、革の手袋をはめる。

 王宮へ剣を持ち込むことは許されない。

 それでも、戦場へ持っていった鎧を着て国王の前へ立つことには意味がある。これがシュヴァルツ伯の槍を受け止め、アレクを生かした鎧だからだ。

 扉が叩かれた。

「アレク、起きているか」

「はい」

 扉を開けると、マティアスが立っていた。

「準備はできたようだな」

「木箱はどうなっていますか」

「別室だ。ユリウスが見張らせている」

 王宮へ運び込んだ木箱には、火縄銃が一挺だけ入っている。

 火薬も弾も火縄もない。

 昨日、王宮へ入る際に検査を受け、筒内まで空であることを確認された。その後、王宮側とこちら側の印を押した封蝋で閉じ直している。

「四人は?」

「別の客室で待っている。最初の謁見には呼ばれていない」

「そうですか」

 ヴィクトル、カスパル、ロベルト、エイドリアンは、シュヴァルツ伯側に属していた若い領主たちだ。

 彼らは戦の前から密かにマティアスと連絡を取り、戦場ではシュヴァルツ伯の位置と動きを伝えた。四人が敵陣の内側で動いたからこそ、シュヴァルツ伯の護衛と後続の騎兵を分断できた。

 だが、王都から見れば、先の戦までシュヴァルツ伯の側にいた者たちでもある。

 国王が四人を功労者として扱うか、主君を裏切った者として警戒するかは分からない。

「心配か」

 マティアスが尋ねた。

「少し」

「四人を見捨てるつもりはない」

「分かっています」

「なら、お前は自分の心配をしろ」

「私ですか」

「シュヴァルツ伯を討った本人だ。聞かれることは多い」

「事実を話します」

「それでいい。自分を大きく見せようとするな。かといって、自分は何もしていないとも言うな」

「難しいですね」

「事実を話すだけなら難しくない」

「誰に何を聞かれるか分からないから難しいのです」

「それも含めて、今後のお前の仕事だ」

 マティアスは平然と言った。

 扉を出ると、廊下の先にレオンハルトとユリウスがいた。レオンハルトは鎧を着けず、黒を基調とした上着の上から外套を羽織っている。

「遅かったな」

「まだ約束の時刻より前です」

「国王を待たせなければよいというものではない」

「殿下が先に来すぎたのではありませんか」

「王宮で俺に言い返す余裕はあるようだな」

 レオンハルトは少し笑った。

「木箱は?」

 ユリウスが答える。

「封蝋に異常はありません。謁見の間へ運ぶ兵も決めています」

「よし」

 レオンハルトが歩き始める。アレクとマティアスも後へ続いた。

「今日、国王陛下へ話すのは戦場で使った方法までだ」

 前を向いたまま、レオンハルトが言った。

「筒の作り方、火薬の配合、工場の仕組みは話すな。聞かれた場合は、俺が答える」

「承知しました」

「一発筒は?」

「王宮へ持ち込んでいません」

「名前を出す必要もない」

「はい」

「シュヴァルツ伯の最期については、見たまま話せ。英雄の物語にする必要はない」

「最初から、そのつもりです」

「緊張しているのか」

 レオンハルトが尋ねた。

「しています」

「昨日は四百挺を王都へ向けても、平然としていたではないか」

「あれは空砲でした」

「今日は言葉しか使わん」

「言葉の方が、どこまで届くか分かりません」

 マティアスが小さく笑った。

「分かってきたではないか」

「マティアス様に言われ続けましたから」

「なら、今日は失敗するな」

「余計に緊張させないでください」

 王宮の廊下には、すでに多くの者が行き交っていた。揃いの服を着た侍従、書状を運ぶ官吏、槍を持った近衛兵。アレクたちが通るたびに、会話が途切れる。

 見られているのは、先頭を歩くレオンハルトだけではない。

 商人からベルグハーフェンの領主となり、今度は伯爵へ推挙されているマティアス。

 十五歳でアルベルトの小姓となり、その後マティアスを主君に選び、二年ほどで領地と兵を得たアレク。

 そして、四人の兵が運ぶ木箱。

 昨日の祝砲を見た者なら、その中身も気になるだろう。

 大扉の前で、ユリウスと王宮側の侍従が封蝋を確認した。

「異常ありません」

「運べ」

 レオンハルトの言葉を受け、兵が木箱を持ち上げる。

 アレクたちは剣を預けている。木箱の中にも火薬や弾はない。それでも、左右に並んだ近衛兵は、アレクたちの動きを一つずつ確かめていた。

 扉が開く。

 国王の前へ進むレオンハルトの背中には、昨日、凱旋の行列で見せたものとは違う緊張があった。

 あの時、アレクはレオンハルトを見て、信長だと思った。

 しかし、目の前にいるのは天下を取った王ではない。

 グランヴァルト王国の第一王弟だ。

 その兄である国王の前では、勝利を報告し、戦功に対する承認を得なければならない。

 大扉の向こうには、広い謁見の間があった。

 高い天井から王家の旗が垂れ、正面の玉座には国王が座っている。

 レオンハルトと同じ色の髪を持つ男だった。

 顔立ちにも似たところがある。

 だが、見る者を試すような鋭さを隠さないレオンハルトに対し、国王は表情から考えを読み取りにくかった。

 左右には王都の重臣と近衛兵が並んでいる。

 レオンハルトが前へ進み、片膝をついた。

「グランヴァルト第一王弟、レオンハルト・フォン・グランヴァルト。国王陛下へ、シュヴァルツ伯討伐のご報告に参りました」

 マティアスが続く。

「ベルグハーフェン領主、マティアス・クレーマーにございます」

 アレクも片膝をついた。

「マティアス・クレーマー様が臣下、アレク・ハルトマンにございます」

 ユリウスが最後に名乗った。

 国王はアレクたちを順に見た。

「顔を上げろ」

 アレクたちは顔を上げた。

「昨日の音は、王宮の奥まで聞こえた」

 国王の口元に、わずかな笑みがある。

「随分と大きな勝利の報告だったな、レオンハルト」

「王都の民へも勝利を知らせる必要があると考えました」

「城門守備隊から、空砲であることは聞いていた。それでも、近衛兵の馬が何頭か騒いだそうだ」

「怪我人は」

「出ていない。お前たちの兵も、撃った後は一人も列を乱さなかったと聞いた」

 国王の視線がアレクへ移った。

「四百人を率いたのは、アレクか」

「はい。ただし、現場ではギルベルトとヴォルフラムが兵を動かしました」

「自分一人の働きではないと?」

「はい」

「その話は後で聞こう。まず、どのような戦だったか話せ」

 レオンハルトが立ち上がり、シュヴァルツ伯との戦いを報告した。

 敵軍は約一万人。

 こちらは土塁と馬防柵を築き、火槍隊三百人を正面へ置いた。

 火槍隊は一班、二班、三班に分かれ、順番に射撃した。

 敵の前線が連続射撃で崩れたところへ、槍兵と弓兵が圧力を加え、騎兵が側面へ突入した。

 だが、それだけでシュヴァルツ伯軍を破ったわけではない。

 ヴィクトル、カスパル、ロベルト、エイドリアンの四人が敵軍の中で動き、旗の位置とシュヴァルツ伯の退路を伝えた。

 マティアスは戦場周辺を調べ、シュヴァルツ伯が敗走する場合に使う道を予測した。

 アレクは直轄兵百人を率い、林を通って古い街道へ先回りした。

 四人が作った混乱と、レオンハルトの騎兵による追撃によって、シュヴァルツ伯の護衛は後続から引き離された。

 最後まで伯に同行できたのは六騎だった。

「六騎を、百人で待ち受けたのか」

 国王が尋ねた。

「はい」

 アレクが答えた。

「シュヴァルツ伯本人ではなく、馬を狙わせました。生け捕りにするためです」

「三十挺ずつ二度撃ったと報告にある」

「一班と二班が射撃しました。三班の四十人は撃たず、後続の敵兵に備えました」

「最初から三班まで撃てば、伯を確実に殺せたのではないか」

「殺すことが目的ではありませんでした」

「なぜだ」

「生きて捕らえれば、残った兵へ降伏を命じさせられます。誰が自らシュヴァルツ伯に従い、誰が逆らえずに兵を出したのかも聞くことができました。シュヴァルツ伯一人を殺すために、百挺すべてを撃つ必要もありません」

「結果として、お前が討った」

「はい」

「何があった」

 謁見の間にいた者たちの視線が、アレクへ集まった。

「落馬したシュヴァルツ伯へ、武器を捨てるよう求めました。伯は私へ一騎討ちを求めましたが、拒否しました。その後、降伏するように見せかけて、護衛が地面へ置いた槍を拾いました」

「そこで剣を抜いたのか」

「はい。近づいていた兵を下がらせ、伯の槍を受けました」

「すぐには斬らなかったと聞いている」

「槍を手放させ、もう一度降伏を求めました」

「従わなかった」

「短剣を抜き、再び襲いかかってきました。このまま手加減すれば、私か周囲の兵が死ぬと判断しました」

「それで討った」

「はい」

 短い沈黙が落ちた。

「その百人に撃たせなかったのは、お前を巻き込む危険があったからか」

「それもあります。三班は街道へ銃口を向け、後続を警戒していました。敵将一人のために配置を崩すべきではないと、ギルベルトが判断しました」

「ギルベルトとは」

「私の火槍隊で、兵の訓練と号令を担当する者です」

「現場の指揮官か」

「はい」

 国王は傍らの書記へ目を向けた。

 書記がギルベルトの名を書き留める。

「シュヴァルツ伯の遺体と印章は確認したか」

 国王が尋ねた。

 ユリウスが答える。

「本人に同行していた護衛二人が確認しております。遺体、印章、命令書、濃紫の本陣旗を持参しております」

「後ほど確認させろ」

「承知しました」

「四人は?」

 マティアスが答えた。

「王宮内の客室にて、お呼びを待っております」

「戦場での働きは、マティアスが命じたのか」

「戦が始まる前に、私が四人と会いました。その場で、戦場の情報を伝えること、こちらの命令が届くまでは大きく動かないことを求めました」

「シュヴァルツ伯の領内へ、自分で入ったと聞いた」

「人に任せては、四人が本当に味方するか判断できませんでした」

「捕まれば殺されていたぞ」

「その可能性はありました」

「商人が、随分と危険な取引をしたものだ」

「四つの領地と、戦の勝敗が懸かっておりましたので」

 国王はマティアスを見た。

「四人をどうするつもりだ」

「彼らの領地は、そのまま彼らに治めさせたいと考えております」

「先の戦まで、シュヴァルツ伯の側にいた者たちだ」

「父親の代からシュヴァルツ伯に従っていましたが、四人が自ら選んだわけではありません。領地が近く、血縁もあり、逆らうことが難しかった者たちです」

「信じるのか」

「信じるだけではありません。四つの領地とベルグハーフェンを道で結び、物資と兵の動きを把握します。彼らの領地を守る代わりに、命令と報告を受ける関係を作ります」

「四人を、自分の臣下にするつもりか」

「レオンハルト殿下と国王陛下のお許しをいただけるのであれば」

 国王がレオンハルトを見る。

「お前も、それを望むのか」

「はい。四人の領地を奪えば、こちらへ味方した者は二度と現れません。働きに応じて領地を守る方が、次の戦を減らせます」

「戦に勝った後も、次の戦を考えているか」

「乱世が終わっておりませんので」

 国王は何も答えなかった。

 謁見の間には、王都の重臣たちも並んでいる。

 四人の領地を残し、マティアスの管理下へ置けば、ベルグハーフェンからシュヴァルツ伯側の旧領へ通じる道が一つにつながる。

 戦後の秩序を整えるだけではない。

 レオンハルトの勢力が、王都から離れた地域へ広がることになる。

「その話は、論功行賞で改めて聞く」

 国王が言った。

「次は、昨日の音だ」

 国王の視線が、木箱へ移った。

「新型の火槍とは、どのようなものだ」

 レオンハルトは一歩前へ出た。

「お人払いを願います」

 謁見の間の空気が変わった。

「殿下」

 重臣の一人が口を開く。

「陛下の御前から、我らに退けと?」

「その箱の中身は、まだ極秘としている。陛下にはお見せするが、ここにいる全員へ見せるつもりはない」

「我らは王国の政務を担う者です」

「だから見せるべきだと言うのか」

「少なくとも、陛下のおそばを離れるわけにはまいりません」

 レオンハルトは重臣ではなく、国王を見た。

「国王陛下。昨日、王都の門前で四百挺を撃ったことで、形の一部は知られました。しかし、仕組みまでは見せておりません。この武器を手に入れようとする者が王都に現れないとは限りません」

「俺の臣下を疑うか」

「秘密を守るために、誰を疑うか選ぶつもりはありません。知る者そのものを減らします」

 重臣たちの表情が固くなる。

 レオンハルトは、誰が信用でき、誰が信用できないかを口にしていない。

 全員へ同じように見せないと言った。

 国王は木箱を見た後、周囲を見渡した。

「いいだろう。レオンハルトの求めを認める」

「陛下」

「近衛兵は扉の外へ立て。何かあれば俺が呼ぶ」

「しかし、陛下」

「箱はすでに調べさせた。火薬も弾も入っていないのだろう」

「はい」

「なら、今ここで俺を撃つことはできない」

 国王は少し笑った。

「レオンハルトが俺を殺すつもりなら、二千五百人を連れて王都へ来た時に、もっと別の方法を選んでいる」

「そのようなつもりはありません」

「分かっている」

 重臣たちは納得していない様子だったが、国王の命令へ逆らうことはできなかった。

 一人ずつ謁見の間を出ていく。

 近衛兵も扉の外へ移った。

 扉が閉じられる。

 残ったのは、国王とレオンハルト、マティアス、ユリウス、アレクだけだった。

 国王は閉じた扉へ目を向けた。

「これで、シュヴァルツの討伐は終わった」

「はい」

「ライゼンを通じて交わした約定を、忘れてはいない。シュヴァルツを討った後、王都の外にある中立地で、同数の護衛を連れて会う。あの会談は、改めて設ける」

「ここで済ませるおつもりではないのですか」

「ここは俺の王宮だ。俺の兵と臣下に囲まれた場所で話して、それを対等な会談と呼ぶつもりはない。お前も、ここでは話せぬことがあるだろう」

「当然です」

 レオンハルトは国王から目を逸らさなかった。

「今回、王都へ参ったのは、戦勝を報告し、功ある者への裁定を仰ぐためです。兄上との約定を果たしに来たわけではありません」

「ならばよい。場所と日は、ライゼンを通じて決めさせる」

「承知しました」

 国王が木箱を指す。

「見せろ」

 レオンハルトがアレクを見た。

「アレク」

「はい」

 アレクは木箱の前へ進んだ。

 封蝋には、王宮側とこちら側の印が並んでいる。どちらにも異常はない。

「開けてもよろしいでしょうか」

「開けろ」

 アレクは封蝋を割り、革紐を解いた。

 蓋を開けると、布に包まれた火縄銃が一挺入っている。

 それを箱から取り出し、布を外す。

 長い鉄筒と木台が現れた。

「これが新型火槍です」

 レオンハルトが言った。

「この武器は、まだ極秘としております。国王陛下にはお見せするべきだと考え、持参しました。ただし、先ほど退室させた者を含め、他の者には仕組みを伏せさせていただきます」

 国王が玉座から立ち上がった。

 階段を下り、アレクの前に来る。

「従来の火槍とは、随分形が違うな」

「はい」

 アレクは銃口を人のいない床へ向けたまま答えた。

「従来の火槍にあった長い槍柄を廃し、木台へ鉄筒を載せています」

「全体は短くなったが、筒は長い」

「長い筒の方が、弾が安定して飛びました」

「最初から分かっていたのか」

「いいえ。職人たちと長さの違う筒を試し、その結果から学びました」

「肩で支えるのか」

「はい。肩と両手で支え、狙いをつけます」

 国王は火縄銃の火皿と火蓋へ視線を落とした。

「ここへ火を落とすのか」

「はい」

「中はどうなっている」

 アレクはレオンハルトを見た。

「今ここで詳しい構造まで知っていただく必要はないと考えております」

 レオンハルトが答えた。

「国王陛下にお伝えしたいのは、この新型火槍を使って何ができるかです。詳しい構造ではありません」

「俺にも伏せるのか」

「必要になればご報告します。しかし、今は知る者を増やすべきではありません」

 国王は怒った様子を見せなかった。

「それで、どう使う」

「兵を三つの班へ分けました」

 アレクが答えた。

「一班が撃った後に下がり、装填している間に二班が撃ちます。二班が下がれば三班が撃つ。それを繰り返しました」

「昨日は四百挺を一度に撃った」

「昨日は祝砲だったためです。戦場では三百人を一班、二班、三班に分けました」

「各百人か」

「はい。ただし、敵との距離、地形、煙の流れによって人数と配置は変えます」

「三百挺で、一万人を破った」

「火槍だけで破ったわけではありません」

「先ほども聞いた」

「火槍は、装填している間は撃てません。雨に弱く、煙で前が見えなくなることもあります。敵に近づかれれば、槍や剣で戦う兵に守ってもらう必要があります」

「それでも、敵の前線へ大きな損害を与えた」

「はい」

「何発撃った」

「三百挺で、合計千二百発です」

「一人四発か」

「中央の敵へ撃った数だけであれば、そうなります」

「敵の損害は」

「正確な数は分かりません。倒れた者、負傷した者、逃げた者が混ざっています。ただ、敵の前線が戦い続けられないほどの損害を受けたことは確かです」

 国王は、アレクが持つ火縄銃を見つめた。

「これを王都軍へ持たせれば、王国の戦力はさらに増すのではないか」

「武器だけを渡しても、同じことはできません」

 マティアスが答えた。

「どういう意味だ」

「火薬と弾の補給が必要です。武器を修理する職人も、兵を訓練する者も必要になります。火槍だけを渡し、好きに使えと命じれば、敵へ向ける前に事故を起こします」

「四百人の兵を、お前たちは育てた」

「最初から四百人全員へ実物を渡したわけではありません。木製の道具で動きを覚えさせ、完成した火槍を渡せる者から訓練しました」

「では、時間を掛ければ王都軍にも持たせられる」

「可能です」

 レオンハルトが答えた。

「ただし、今すぐ王国中へ広げるべきではありません」

「なぜだ」

「生産できる数に限りがあります。筒の強度が足りなければ破裂し、火薬の質が悪ければ撃てません。形だけを真似たものが出回れば、事故が増えます」

「扱う者が増えれば、作り方も広がるか」

「はい。昨日の音を聞いた者は多い。しかし、どのような仕組みで作り、どのように使うかまでは知られていません」

「王国中へ広げれば、その秘密が外へ漏れる」

「その危険があります」

「今ある優位を、自分から捨てる理由はないということか」

「はい」

 国王はアレクが持つ火縄銃を見た後、レオンハルトへ視線を移した。

「アルヴェイン大公も、これを見ているのか」

「試作品一挺と、そこへ至るまでの開発記録を渡しております」

「なぜだ」

「従来の火槍を借りた際の交換条件です」

「その後も渡しているのか」

「まとまった数を購入したいという話は受けています。しかし、作り方や新しい運用方法まで、すべて渡したわけではありません」

「分かった」

 国王は、もう一度火縄銃を見た。

 昨日、レオンハルトとは異なる側にいた諸侯まで、凱旋の行列へ頭を下げた。王都軍の助けを借りず、一万人のシュヴァルツ伯軍を破り、四人の若い領主を味方へ引き入れた。そのうえで、王都の門前へ四百挺を並べた。

 国王が、それらを別々の出来事として見ているとは思えない。

「分かっておる」

 国王は短く言った。

 声は穏やかだった。

 何をどこまで分かったのか、表情からは読み取れない。

 レオンハルトも、それ以上説明しなかった。

 国王は火縄銃から離れ、玉座へ戻った。

「今日はそれでいい。箱へ戻せ」

「はい」

 アレクは火縄銃を布で包み、木箱へ収めた。

 革紐を結び、蓋を閉じる。王宮を出るまで、こちらの兵と王宮側の近衛兵がともに木箱を見張ることになる。

「人を戻せ」

 国王が言った。

 扉の外にいた近衛兵が応じる。

 大扉が開き、退室していた重臣たちが戻ってきた。

 誰も木箱から目を離さない。

 国王とレオンハルトが何を話したのか。箱の中に何が入っていたのか。聞きたいことは多いだろう。

 だが、国王の前で口に出す者はいなかった。

「午後、論功行賞を行う」

 国王が告げた。

「マティアス・クレーマー、アレク・ハルトマン、そして四人の若い領主を出席させろ」

「承知しました」

 レオンハルトが答える。

「その場には、王都にいる主だった諸侯も集める」

 重臣の一人が驚いた顔をした。

「国王陛下、準備に時間が必要です」

「昨日のうちに命じてある」

「では、すでに……」

「レオンハルトがどのように勝ったのか、王都の者たちにも聞かせる。どのような戦場だったのか。誰が何をしたのか。そして、シュヴァルツ伯がどのような最期を迎えたのか」

 国王はアレクを見た。

「それから、マティアス・クレーマー」

「はい」

「お前を伯爵に叙する件について、異論を述べる者がいる」

「商人上がりの者へ伯爵位を与えるべきではない、ということでしょうか」

「それだけではない。ベルグハーフェンに加え、四人の領地へ続く道まで管理させれば、お前へ力を与えすぎると言う者もいる」

「当然の意見かと存じます」

「反論しないのか」

「私へ力を与えすぎると考えるほど、私の働きを評価していただいているということでしょう」

 国王が声を上げて笑った。

「なるほど。お前を嫌う者は、その言葉を聞けばさらに嫌うだろうな」

「好かれるために、兵站を担ったわけではありません」

「午後にも、その口が動くか見せてもらおう」

 国王は次にアレクを見た。

「アレク・ハルトマン」

「はい」

「お前を子爵に推挙したのは、レオンハルトだ」

「承知しております」

「マティアスの臣下でありながら、アルヴェイン大公とも深い関係を持つと聞いている」

「以前、アルベルト様の小姓としてお仕えしておりました」

「なぜ離れた」

「マティアス様に仕えたいと、自分からアルベルト様へ願い出ました」

「大公は認めたのか」

「はい」

「小姓へ取り立てたのに、あっさり手放したのか」

「簡単に決められたことではなかったと思います」

「お前は、どう思っている」

 アレクはアルベルトと最後に交わした言葉を思い出した。

 アレクがマティアスのもとへ行きたいと話した時、アルベルトはすぐに喜んだわけではない。

 なぜマティアスなのか。

 そこで何をしたいのか。

 自分で選んだ道に責任を持てるのか。

 一つずつ問われた。

 そのうえで、アルベルトはアレクを送り出した。

「アルベルト様を裏切ったつもりはありません」

「では、なぜマティアスを選んだ」

「剣を振るうだけでは、多くの者を守れないと思ったからです。マティアス様のもとで、人、物資、金、道を動かす方法を学びたいと考えました」

「大公のもとでは学べなかったのか」

「学べました。ですが、マティアス様のやり方は、アルベルト様とは違いました」

「どう違う」

「領地や爵位を持つ前から、商人、職人、荷車、倉、街道を使い、軍を動かしていました。私には、それが必要だと思いました」

「大公は、それを理解してお前を送り出したのか」

「はい」

「今も関係は切れていない」

「はい。アルベルト様は、今も私の恩人です」

 国王はアレクとマティアスを交互に見た。

「自分を取り立てた大公ではなく、商人を主君に選んだ。そして、その商人が今度は伯爵になろうとしている」

「はい」

「変わった道を歩いているな」

「自分でも、そう思います」

「後悔しているか」

 アレクは隣に立つマティアスを見た。

 視線に気づいたマティアスが、わずかに眉を動かす。

「していません」

「そうか」

 国王は、それ以上アルベルトとの関係を尋ねなかった。

「四人の若い領主を連れてこい」

「承知しました」

「爵位と領地については、午後の論功行賞で決める」

 重臣の一人が口を開いた。

「国王陛下。レオンハルト殿下の求めは、すでに認めるとお伝えになったのでは?」

「認めるつもりだ」

「では、何をお決めになるのでしょう」

「誰に、何を、どの言葉で与えるかだ」

 国王は重臣を見た。

「同じ領地を与えるとしても、預けるのか、治めさせるのか、継承を認めるのかで意味が変わる。四人の領地をマティアスに与えるわけではない。四人の領主としての権利を認めたうえで、マティアスの管理下へ置く」

「ベルグハーフェンから四領へ続く土地は」

「レオンハルトが管理する地域から切り出す。詳しい境界は書状にする」

 レオンハルトが口を開く。

「街道だけを細くつなげても守れません。倉と宿場を置き、兵を通せるだけの幅が必要です」

「分かっている。だから、王都の諸侯がいる場で話す」

「異論を述べる者を見たいのですか」

「お前も見たいだろう」

 レオンハルトは答えず、少し笑った。

 国王とレオンハルトは兄弟だ。

 考え方も立場も同じではない。

 それでも、相手が次に何をしようとしているのか、アレクたちより先に理解することがある。

「マティアスへ領地と爵位を与える。四人の若い領主を、その臣下として認める。ベルグハーフェンから四領へ続く土地を管理させる」

 国王は一つずつ確かめるように言った。

「アレクには子爵位を与え、領地を加増する。火槍隊を率い、新型火槍の訓練と運用を担わせる」

「はい」

 レオンハルトが答える。

「だが、今日ここで俺が言えば、それだけで終わる。午後、王都の諸侯の前で与えれば、全員が見届ける」

 国王の視線がアレクへ向いた。

「十七歳で子爵になる者の顔も、よく見せておけ」

「私の顔を見せる必要がありますか」

「爵位だけ聞けば、古い家の当主だと思う者もいる。実際に見れば、お前が若いことを知る」

「若いことを知られると、不利になるのでは」

「侮る者がいるだろうな」

「それなら、隠した方がよいのではありませんか」

「侮る者が分かる」

 国王の答えに、マティアスが小さく笑った。

「レオンハルト殿下と似ておられますな」

「俺がか」

「人がどのように動くかを見るところが」

「兄弟だから似ていると言いたいのか」

「同じように見える部分があると申し上げただけです」

「商人は、国王の前でも言葉を選ぶな」

「選んだ結果です」

 国王が再び笑った。

 重臣たちは笑っていない。

 商人上がりの領主が国王と直接言葉を交わしていること自体、気に入らない者もいるのだろう。

 だが、その者たちの前でマティアスを伯爵にすることに意味がある。

 戦で勝っただけではない。

 物資を集め、軍を動かし、敵陣の中から四人の領主を味方へ引き入れた。

 ベルグハーフェンを治め、周辺の道と倉を整え、新型火槍の製造を支えている。

 伯爵位は、昔から貴族だった者への褒美ではない。

 マティアスがすでに持っている力を、王国の中で認めるためのものだ。

「謁見は終わりだ」

 国王が言った。

「午後までに、四人へ覚悟を決めさせておけ」

「私からも確認します」

「アレク」

「はい」

「お前も準備しておけ」

「承知しました」

 国王が片手を上げた。

 アレクたちは頭を下げ、玉座の前を退いた。

 木箱を運ぶ兵が動き、大扉へ向かう。

 扉を出た途端、謁見の間に残った重臣たちの声が低く重なった。内容までは聞き取れないが、静かな議論ではないことは分かった。


◇ ◇ ◇


 客室へ戻る廊下を歩きながら、レオンハルトがアレクへ尋ねた。

「国王はどうだった」

「何を考えているのか、よく分かりませんでした」

「それでいい」

「よいのですか」

「全部分かるような国王では、周囲に利用される」

「殿下には分かるのですか」

「兄だから分かる部分もある。国王だから分からない部分もある」

 レオンハルトは足を止めずに答えた。

「新型火槍を王都軍へ渡せと命じられませんでした」

「今は、だ」

 マティアスが言った。

「いずれ求められる」

「渡すのですか」

「条件次第だ」

「断れるのでしょうか」

「断れない命令を出させないために、先に条件を作る」

「また仕事が増えますね」

「お前の仕事だ」

「やはり私もですか」

「新型火槍のことを、お前抜きで決められると思うか」

 逃げ道はなかった。

 王都軍へ渡すなら、何挺渡すのか。

 兵を誰が訓練するのか。

 火薬と弾をどこから運ぶのか。

 修理をどこで行うのか。

 勝手に分解した場合はどうするのか。

 決めなければならないことはいくらでもある。

 それでも、今すぐ考えるべきことは別にある。

「午後は爵位と領地だ」

 レオンハルトが言った。

「マティアス。伯爵になる覚悟はできたか」

「まだ認められたわけではありません」

「国王は、認めるつもりだと言った」

「反対する諸侯がいます」

「だから、そいつらの前で認めさせる」

「私へ力を与えた方が、反対する者にも利益があると分からせる必要があります」

「どうやって」

「ベルグハーフェンから四領へ道がつながれば、王都へ運ばれる品も増えます。街道を使う商人、領地を持つ諸侯、税を受け取る王家。利益を得る者は多い」

「反対する者にも金を稼がせるか」

「味方になれとは言いません。邪魔をしない方が得だと思わせます」

「お前らしいな」

 レオンハルトが笑った。

「アレクはどうだ。子爵になる覚悟は」

「覚悟と言われても、何をすればいいのか分かりません」

「今までどおり領地と兵を治めろ」

「子爵になれば、今までどおりでは済まないでしょう」

「分かっているではないか」

「だから困っているのです」

「国王の前では、先ほどと同じように答えればいい」

「何を聞かれるか分かりませんが、事実を話します」

「それでいい」

「ただし、相手によって言葉を選べということですね」

「分かっているではないか」

「その判断が難しいのです」

 マティアスがアレクの肩へ手を置いた。

「安心しろ。言ってはいけない相手へ言いそうになったら、俺が止める」

「止めていただけるのですか」

「後で借りにする」

「安心できません」

 三人で話している間にも、木箱を見送る王宮の者たちの視線を感じた。

 国王は新型火槍を見た。

 その形と、戦場での使い方を知った。

 だが、作り方までは知らない。

 王都軍へ配るよう命じることもなかった。

 それで秘密を守れたと思うのは早い。

 国王が見たという事実だけで、王都の人間はさらに知りたがる。

 何が箱に入っていたのか。

 国王は何を聞いたのか。

 レオンハルトは何を隠したのか。

 昨日、王都を揺らしたのは四百挺の音だった。

 今日、王都を動かすのは、あの音を誰が持ち、誰へ渡すのかという話になる。

 客室の前へ着くと、ヴィクトル、カスパル、ロベルト、エイドリアンが待っていた。

 四人とも、昨日より緊張した顔をしている。

「国王陛下は」

 ヴィクトルが尋ねた。

「午後、お前たちを論功行賞へ出席させる」

 マティアスが答えた。

「四人の領地を残し、俺の臣下として認める件も、そこで決める」

「認められるのでしょうか」

 ロベルトが不安そうに尋ねる。

「認めさせる」

「反対する者がいるのですか」

「いるだろう。お前たちは、先の戦までシュヴァルツ伯の側にいた」

 四人の表情が固くなる。

「ですが、我々は約束どおり動きました」

 カスパルが言った。

「分かっている。だから、何を言われても自分たちの働きを説明しろ」

「父親のことも話すのでしょうか」

 ヴィクトルの声が低くなった。

 彼の父親は、以前の戦でアレクたちの火槍隊によって討たれた。

 それでもヴィクトルは、シュヴァルツ伯のもとに残れば自分の領地まで戦へ巻き込まれると考え、マティアスへ手紙を送った。

「聞かれたら話せ」

 マティアスが答えた。

「隠せば、後で利用される。父親を討たれながら、なぜこちらへ味方したのか。お前自身の言葉で答えろ」

 ヴィクトルはアレクを見た。

「アレク殿は、シュヴァルツ伯との戦いを話したのですか」

「はい」

「父のことは?」

「聞かれていません」

「午後は、聞かれるかもしれません」

「そうですね」

 二人は少しの間、互いに何も言えなかった。

 アレクがヴィクトルの父親を直接狙ったわけではない。

 それでも、火槍隊の射撃で死んだ将の一人だった。

 ヴィクトルも、それを忘れてはいない。

「私は、父の死を許したわけではありません」

「分かっています」

「ですが、シュヴァルツ伯に従い続ければ、同じことが繰り返されました」

「はい」

「だから、私は自分の領地を守る方を選びました。午後も、そう答えます」

 アレクは頷いた。

「私も、見たままを話します」

 ヴィクトルの口元が、ほんの少し動いた。

「アレク殿らしい答えです」

「褒めていますか」

「分かりません」

「そこは褒めてください」

 緊張していた四人の間に、小さな笑いが生まれた。

 マティアスが扉を開ける。

「中で話すぞ。午後までに、誰が何を聞かれても答えられるようにしておく」

「はい」

 四人が続いて部屋へ入る。

 アレクも後へ続こうとすると、レオンハルトに呼び止められた。

「アレク」

「はい」

「午後、お前が何を言うかは任せる」

「どうすればよいのですか」

「事実を隠すな。だが、誰の前で話しているかを忘れるな」

「分かりました」

「それから、爵位を受ける時に、俺や国王だけを見るな」

「誰を見るのですか」

「周囲の諸侯だ」

 レオンハルトは、廊下の向こうへ視線を向けた。

「喜ぶ者。警戒する者。笑う者。顔を背ける者。今日から、お前を見る目が変わる」

「十七歳の子爵だからですか」

「それだけではない。お前の後ろに、マティアスと俺と、アルベルトがいるように見えるからだ」

「アルベルト様は、私の現在の主君ではありません」

「王都の連中にとっては、関係が切れていないことの方が重要だ」

 それ以上、レオンハルトは何も言わなかった。

 アレクは客室へ入り、扉を閉じた。

 机の上には、王都周辺の地図が広げられている。

 ベルグハーフェン。

 アイヒェンタール。

 四人の領地。

 それらを結ぶ街道。

 午後の論功行賞で決まるのは、名前の前へ爵位を加えることだけではない。

 誰が土地を治めるのか。

 誰の命令を受けるのか。

 どこまで兵を動かせるのか。

 どの道を誰が守るのか。

 戦場で得た勝利を、地図の上へ残すための話だ。

 これまでのアレクは、アイヒェンタールを治め、百人の兵を率いるマティアスの臣下だった。

 今日、子爵になれば、任される領地も兵も増える。

 それがエリーゼに見合う立場へ近づくことだと、以前から分かっていた。

 しかし、爵位は二人の距離を縮めるためだけにあるのではない。

 領民へ食料を渡し、道を直し、兵を養い、火縄銃と火薬を守る責任が増える。

 王都で一つの言葉を受け取れば、遠く離れた村で暮らす者の生活まで変わる。

「始めるぞ」

 マティアスが地図を指した。

「午後、国王陛下の前で、四人の領地をどう守るか聞かれる。その時に答えられませんでは済まない」

 ヴィクトルたちが地図の周囲へ集まる。

 アレクも空いている場所へ立った。

 国王との謁見は終わった。

 だが、王都での本当の戦いは、これから始まる。

 剣も火槍も使わない。

 それでも、午後に交わす言葉一つで、領地と兵と、多くの人間の未来が決まる。

 アレクは地図の上に置かれたマティアスの指を見ながら、次に問われる言葉へ備えた。

第三話を読んでいただき、ありがとうございました。

国王はシュヴァルツ伯との戦いの経緯を聞き、新型火槍を自らの目で確認しました。アレクたちが守ろうとする秘密と、国王が見定めようとする新たな力。その双方が交わった謁見となりました。

次回は王都の諸侯が見守る中、マティアスとアレク、そして四人の若い領主の今後を決める論功行賞が始まります。


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