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手作り

インスタを見ていたら、「ブルーベリーがアンチエイジングにいい」という話が出てきた。


まあ、二十二歳になってアンチエイジングもないんだが(笑)


でも、腸内環境を整えることは肌の状態にも関係するし、中からきれいにしていくことは大事である。


……というのは建前で、私は流行に流されやすく、すぐ影響されるタイプなので、冷凍ブルーベリーを取り入れた(笑)


お気に入りの食べ方は、湯田ヨーグルト百グラムと冷凍ブルーベリー五十グラムを混ぜて水切りし、はちみつと少しの岩塩をかけて食べる。


これがもう、レアチーズケーキなのである。


めちゃくちゃおいしい。


ただ、水切りヨーグルトを作ると、当然ホエイがたくさん出る。


ホエイは捨てる。


そして今、私はジョアを飲んでいる。


ヨーグルトから出たホエイを捨てながら、ホエイの入った乳製品のジョアを飲む。


私、何やってるんだ?(笑)


ホエイには乳由来の栄養成分も残っている。


水切りした後のホエイ。


料理番組なら「このあと、おいしくいただきました」の部類のものではなかろうか。


そこでホエイの活用法を調べてみると、漬物などにも利用できるらしい。


私は漬物が好きだ。


お母さんが作ってくれた白菜の漬物も好きだし、キムチも好きだし、浅漬けも好きだし、べったら漬けなんかも好きである。


だが、漬物なんて作ったことはありません。


手作りの漬物は好きだけれど、私の中で漬物は「買うもの」だ。


なぜなら、面倒だからである。


しかし今は異世界にいる。


志麻さんや一流料理人の技術をインストールしたヒューゴがいる。


料理はヒューゴに丸投げ状態なので、漬物作りの「面倒くさい」は消えている。


だったら、ヒューゴに手作りの漬物を作ってもらえばいい。


……と思ったところで、疑問が出てきた。


そもそも、手作りって必要なのか?


まず、手作りの利点として健康面がある。


ヒューゴが作れば何を入れたのか分かるし、添加物などを避けることもできる。


でも、それが今の私にとって大きな利点かと言われると、そうでもない。


私は異世界で二十二歳の体になった。


そして、こちらでの生活が嫌になれば、日本の私にとって「良い思い出」になって帰ることもできる。


言ってみれば、今の私は人生のボーナストラックみたいなものだ。


「少しでも健康に気をつけて長生きしなければ!」


とは、ならないのである(笑)


では、異世界の私にとって手作りの価値とは何なのか。


結局、


「手作りした方がおいしいのか?」


そこに尽きるのではなかろうか。


一流の料理店だって、何もかも店で一から作っているとは限らない。


味噌や醤油など、専門の作り手が作ったものを使うこともある。


漬物やキムチだって、自家製の店もあれば、専門店などから仕入れる店もある。


つまり、一流の料理人だからといって、


「作れるものは全部自分で作る」


とは限らないのである。


そう考えると、手作りするかどうかの決め手は、


「出来たてがおいしいものなのか?」


ということではなかろうか。


一流の料理技術があるヒューゴに、JINさんの能力で一流の食材まで用意できる。


だったら、作りたてがおいしいものはヒューゴに作ってもらえばいい。


揚げたて。


焼きたて。


作りたて。


そういうものは、一番おいしい状態で食べたい。


一方、出来たてである必要がなく、すでに一流の専門店が作った最高においしいものが存在するなら、それを買えばいい。


異世界なら「買う」というより、コピーかもしれないが(笑)


異世界の私にとって、食べ物の手作りの価値とは、手作りそのものではない。


手作りすることによって、よりおいしく食べられるかどうかなのだ。


さて。


ホエイの話に戻ろう。


ホエイを利用して漬物を作る方法はあるらしい。


でも、私はぬか漬けがさほど好きではない(笑)


浅漬けは好きだけれど、わざわざホエイを使わなくても、めんつゆや簡単酢を少し入れて作ってもおいしいし、塩昆布を混ぜてもおいしい。


だったら、ホエイを使う必要があるのか?


ないのだ。


そもそも今の生活では、ホエイなんてヒューゴが勝手に処理してくれる。


私の目には入らない。


目につかない無駄には興味がないのだ(笑)


ここで私は、昔やっていた豆苗のことを思い出した。


健康オタクなところのある私は、一時期、豆苗を毎日のように食べていた。


豆苗は、一度切っても根元を水につけておけば、また伸びてくる。


袋にも、切った後の根元を水につけておけば再び育つ、というようなことが書いてある。


だったら、もう一回食べればいい。


そう思って、切った豆苗をキッチンの窓際に置いて育てていた。


ところが、私は毎日豆苗を食べる。


ということは、今日切った豆苗を置く。


次の日も切る。


それも置く。


また次の日も切る。


それも置く。


気がつけば、キッチンの窓際に豆苗がズラッと並んでいた。


ある日、それを見て思った。


私、何やってんだろう。


貧乏くさっ(笑)


しかも、台所の見た目が全然よろしくない。


豆苗だらけなのである。


もちろん、もう一度生えてくる。


もう一度食べられる。


節約にもなる。


でも、だからといって、私はこれをやる必要があるのだろうか。


金あるんだから、新しい豆苗買ってくればいいやん。


そう思って、全部やめた(笑)


ほかの野菜だって、「ペットボトルなんかを使えばキッチンで簡単に育てられます」と言われることがある。


でも、簡単に育てられるからといって、私が育てる必要があるのだろうか。


買ってくれば済む話である。


草は観葉植物だけでいい(笑)


そう考えると、ホエイも同じなのかもしれない。


使えるから、使う。


また生えるから、育てる。


作れるから、作る。


いつの間にか私は、


「できる」


ということを、


「やった方がいい」


に変換していたのではないだろうか。


でも、


「できる」と「する必要がある」は別なのである。


そして、ここまで考えていたら、今度は食べ物以外の「手作り」まで気になってきた。


私の世代には、バレンタインに手作りチョコを作ったり、好きな人にマフラーを編んでプレゼントしたりする文化があった。


ちなみに私は、誰にもやったことはない。


見たことはある(笑)


あれ、何のためにやってたんだろう(笑)


おいしいチョコレートを食べてもらうことだけが目的なら、プロが作ったチョコレートを買った方がいい。


暖かくて素敵なマフラーをあげることだけが目的なら、店で買った方がいいものはいくらでもある。


なのに、チョコレートを溶かして、型に入れ直したり、手で丸めてトリュフを作ったりする。


毛糸を買ってきて、メリヤス編みだのガーター編みだので、何時間もかけてマフラーを編む。


あれは何だったのだろう。


もちろん、作ることそのものが楽しい人もいる。


手作りが趣味なら、作っている本人が楽しいのだから、それだけで価値がある。


そして、自分が作ったものを使っていて、誰かから、


「それ素敵。私も欲しい。」


と言われて、


「これ、作るの趣味なんだ。じゃあ作ってあげる。」


というのも分かる。


相手がそれを欲しいことが分かっているからである。


でも、そうではない手作りプレゼントはどうなのだろう。


手作りだから、きっと喜んでくれる。


時間をかけたから、価値がある。


そう考えていたとしたら、その「手作りの価値」とはいったい何だったのだろう。


考えてみれば、


「あなたのために、私はこれだけの時間を使いました。」


ということだったのかもしれない。


完成したチョコレートやマフラーだけではなく、そこに費やした時間や手間まで含めてプレゼントしていたのである。


ただし。


「私はこれだけ時間をかけた。」


それって、場合によっては時間をかけたことの押し売りじゃない?(笑)


時間をかけて手作りしたことと、


「相手がそれを欲しい」


ということは、別問題である。


手作りすることに自分が価値を感じることと、その手作り品に相手が価値を感じることも、同じではない。


同じお金を使うなら、デパートで売っているものをもらった方が嬉しい人だっている。


そう考えてみると、


「手作りだからおいしい。」


「手作りだから体にいい。」


「手作りだから気持ちがこもっている。」


「手作りだから相手も嬉しい。」


私たちは、「手作り」というものに、ずいぶんいろいろな価値を乗せている。


でも、手作りであること自体に、絶対的な価値があるわけではない。


何のために作るのか。


誰のために作るのか。


そして、その人が何に価値を感じるのか。


そこまで考えて初めて、手作りする意味が出てくるのかもしれない。


ということで。


ホエイには使い道がある。


でも、私が使いたい使い道は、今のところない。


だから私は、ホエイを捨ててジョアを飲む。


豆苗も育てない。


草は観葉植物だけでいい(笑)


私は断然、理美さんの手作り品が良いです。いえ、欲しいです。

BY JIN

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