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ヘアスタイル

日本にいた頃の私は、いつも髪のことで悩まされていた。


別に髪がないわけじゃない。


むしろ毛量は多い。


年齢の割にはふさふさで、美容院ではアートネイチャーの部分ウィッグも販売していたのだが、美容師さんからは、


「理美さんは、まだまだ必要ないですよね」


と言われるくらいだった。


でも、私が気にしていたのは薄毛じゃない。


白髪である。


白髪はかなり多かった。


けれど友達からは、


「さとみん、白髪が生えてるところなんか見たことない」


と言われるくらい、私は白髪が見える状態を人に見せないようにしてきた。


一か月半に一回くらい美容院で白髪染めをしていたけれど、少し伸びるだけで根元から白い髪がたくさん顔を出す。


だから、あの頃の私は、


「どうしたら白髪を目立たなくできるか」


そんなことばかり考えていた。


私みたいに白髪を見せたくない人は、家庭用の白髪染めを買って、自宅でこまめに染めている人もいるだろう。


私も一度試してみたことがある。


でも、洗面所を汚してしまうし、不器用な私には無理だと判断した。


それ以来、白髪染めは美容院でしかしてもらわないことにしている。


そして、私の髪型にもこだわりがあった。


最大のテーマは、とにかく分け目を作らないこと。


分け目があると、その部分から白髪が見える。


しかも分け目の左右に白髪が分かれて見えるので、伸びた白髪が余計に目立ってしまう。


だから私は、分け目ができない髪型を選んでいた。


左側はショートボブくらいの長さを残し、右側は耳が出るくらい短く切っている。


トップは短めにカットしてパーマをかけ、ふんわり立ち上げる。


とにかく分け目ができない髪型である。


なぜこんなアシンメトリーな髪型になったのかというと、最初は普通のショートボブだった。


でも私は、右側だけ髪を耳にかけることが多かった。


「そこまで耳にかけるなら、もう切ってしまってもいいんじゃないか」


そう思ったのが、この髪型の始まりである。


本当は、夏木まりさんのように片側を刈り上げた髪型にも憧れていた。


ああいうスタイルは格好いいと思っていた。


でも、保守的なうちのパパには、


「刈り上げは男のものだと思っていた」


と言われてしまい、結局そこまでは踏み切れなかった。


それに、一度刈り上げると、伸び始めた髪が横に立ってしまう。


その期間が嫌だったこともあり、刈り上げは諦めていた。


簡単に言うと、右側だけショートボブくらいの長さがあるように見えるが、全体としては短めのショートカットである。


そして、ショートカットというのはカットが命だ。


一か月半に一度くらいは美容院へ行かないと、この髪型は格好よく決まらない。


それだけではない。


右側は耳が見えるくらい短くカットしているので、髪が伸びてくると、切った短い毛が耳の中に入り込む。


これがまた耳の中でカサカサ、カサカサして、とてもイライラするのである。


だから私は、どんなに忙しくても、一か月半以上美容院へ行かないという選択肢はなかった。


髪型もそうだが、白髪対策として、白髪染めの色選びも重要だった。


私は、白髪染めの中では一番明るい色で全体を染めてもらい、さらにハイライト、いわゆるメッシュも入れていた。


そうすることで髪に立体感が出る。


それだけではない。


白髪が伸びてきても、色の濃淡があるおかげで境目が目立ちにくくなるのである。


実は、やってみたい髪型もあった。


清水ミチコさんがインナーカラーをしているのを見て、


「私も長い方の髪だけインナーカラーを入れてみたい」


と思い、美容師さんに相談したことがある。


ところが美容師さんから、


「インナーカラーはブリーチをしてから色を入れます。理美さんはパーマもかけていますよね。ブリーチとパーマを両方すると、髪がちぎれてしまうのでおすすめできません」


と言われてしまった。


それなら仕方がない。


やってみたい気持ちはあったが、結局インナーカラーは一度もしたことがないのである。


今思えば、かなりおしゃれな髪型をしていたと思う。


美容師さんにも、


「この髪型をしているのは、この辺では理美さんだけですよ」


と、いつも言われていた。


確かに、かなり個性的な髪型だった。


でも、さすがに私も悩むことはあった。


お葬式のような、あまり派手な格好がふさわしくない場所へ行かなければならないこともある。


黒い服を着て、この髪型で大丈夫なのだろうか。


そう思うこともあった。


だから最近は、白髪染めをやめて、おしゃれ染めへ切り替え、白髪ぼかしのようなスタイルを目指そうかと考えていた時期だった。


そんな頃に、私は異世界へ来たのである。


異世界の私の髪は、プリンになっている。


プリン頭なんて、本当に久しぶりだ。


思い返せば、独身の頃以来である。


私はもともと真っ黒な髪だった。


だから、一時期は少し茶色い髪に憧れていたこともある。


ボイストレーニングやジャズを習いに通っていた頃は、しばらく髪を明るく染めていた時期もあった。


その頃は、母によく髪を染めてもらっていた。


家庭用のおしゃれ染めを使っていたのだが、私の髪は毛量が多い。


一箱では全然足りないので、毎回三箱くらい買ってきて、母が染めてくれていたのである。


高校生の頃から、髪型はずっとストレートのロングヘアだった。


たまにパーマをかけることはあったが、基本的にはストレートである。


一年に一回くらい縮毛矯正をかけ、前髪は伸びるたびに自分で好きなように切っていた。


今考えてみると、ロングのストレートヘアなんて、どう考えても私の趣味じゃない。


あれは男受けを狙っていた髪型だった。


……理美よ。


あなたも若い頃は、ちゃんと女だったんだね。


でも、中身はもう五十三歳。


あの頃の私じゃない。


異世界の私は、せっかくだから髪を短くしたいと思う。


もう男受けを狙う必要もないのである。


ミュージカルごっこやベルばら部ではウィッグをかぶることも多い。


だったら、ベリーショートが一番いい。


ヒューゴに切ってもらおう。


ハリー・ポッターが終わった頃のエマ・ワトソンみたいなベリーショートにして、とお願いするつもりである。


でも、その髪型に飽きたら、その時はまた違う髪型にすればいい。


なぜなら、異世界の私はJINさんに作ってもらった体だからである。


髪の長さくらい、JINさんにお願いすれば、いつでも自由に変えられるだろう。


次の瞬間には、ビューンとロングヘアになっていることだってできるはずである。


イメージで言えば、子供の頃に流行っていた「ゆかいなとこやさん」というおもちゃみたいなものだ。


人形の頭に粘土を詰めて、レバーを動かすと髪が伸びてくる。


伸びた髪をハサミで好きなように切って、自分の好きな髪型にするのである。


そういえば、娘がまだ小さかった頃のこと。


翌日、東京ディズニーランドへ行くんだとママ友に話していた。


すると、そのママ友はコーンロウという、アフリカ系の人がよくしているような細かい編み込みの髪型ができる人だったので、


「じゃあ、やってあげる。」


と言って、その日のうちに私と娘の髪を結ってくれたのである。


頭全体を細かく編み込み、編み込みのラインでハートの模様を作り、最後は横で結んだポニーテールみたいな可愛い髪型だった。


娘はアリスのコスプレをしていたので、母娘でお揃いの凝った髪型で東京ディズニーランドへ行った。


キャストの皆さんにも何度も褒めてもらい、とてもいい気分になったのを覚えている。


ただ、二泊三日だった上に夏だったので、頭がとにかく痒い。


髪型を崩したくなかったので、お湯をそっとかけるくらいしかできなかった。


もう二日目には限界だった。


あの髪型を何日も、何週間も続けている人たちは、本当にすごいと思う。


私には真似できない。


でもまあ、いつかダンスが上手に踊れるようになって、YouTubeデビューをする時は、ヒューゴにあんな髪型にしてもらうのもいいかもしれない。


私が髪型のモデルとして出したエマ・ワトソンは、私の好きな女優さんでもある。


そういえば、私の好きな芸能人を思い返してみると、一番好きなのは何と言っても黒柳徹子さん。


それから、北川景子さん、天海祐希さん、芦田愛菜さん。


もちろん、私好みの美しさを持っているというのもある。


でも、それだけではない。


私は、知性や教養を感じる女性に惹かれるんだなと思う。


芸能人に本当に知性や教養があるかどうかなんて、インタビューで話しているところでも見なければ分からない。


そんな機会は滅多にないので、学歴を聞いただけで好きになることもある。


例えば、宇多田ヒカルさんがコロンビア大学に入学したと聞いた時は、それを聞いてから少し好きになった記憶がある。


考えてみれば、世の女性がブランド物に憧れるような感覚で、私は知性や教養というものに惹かれるのかもしれない。


黒柳徹子さんだけは不動なのだが、それ以外の順位は結構変わる。


なぜ変わるのか。


恋愛スキャンダルや、イケメンと付き合っているなんて話を聞くと、少し幻滅してしまうのである。


そういう意味では、私は世のおっさん方の処女厨みたいなところがあるのかもしれない。


もちろん、おっさん方の処女厨とは少し意味が違う。


「男なんか好きにならないわよ。」


「私は私の道を行くわ。」


そんな女性が、私の理想なのかもしれない。


まあ、そんな女性いるか、と思われるかもしれない。


でも、芸能人への憧れなんて、自分の理想を勝手に押し付けて見ているようなものでしょ。


結果として私の中では黒柳徹子さんが不動の一位ということになってしまうのである。


まあ、私も知性や教養というブランド好きの処女厨なんだから、ろくな女じゃないわね(笑)

完全なエッセイみたいになってしまっております。無名の素人のくせに勘違いしてんじゃねーよ。とか読者様たちに思われてないかなあと、ビビりつつ投稿。。。By作者

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