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捜索編16

本日二本目





 1日と少しの時間ずっと蓮也の求めていたぬくもりが今左手にある

その喜びだけで今は十分だった



 「蓮也、これからまた忙しくなる?」

「なんでそう思う?」

「蓮也なら今すぐにこの建物の人たち捕まえそうだから」

図星をつかれ蓮也は少し驚いた

「あぁ、まあそうだなこれを機に一気に組合を掃除しようと思ってる」

「それならまた家に帰ってくるの遅くなる?」

ヒナの心配はそこだったようで蓮也は少し笑ってしまった

「大丈夫だよ、ここからは軍の仕事だからね俺はお役御免だよ」

「それならよかった」

ヒナは明るく微笑んだ



 建物の外に出ると軍の兵と仁也、葛葉、真由美がいた

「お疲れ様」

「ヒナっち~~~」

「よくやった」

「あぁ、とりあえずひと段落か……そういえば武尊と綾子は?」

「武尊が力使いすぎたみたいで綾子と一緒に先に帰ってたよ」

「助けられたんだな、よかった」

「あ、そのことでちょっと話したいことが……」

仁也が話そうとした時1人の男性から話しかけられた

「お話し中のところ失礼、少し西条蓮也さんにお話が」

そこには20代後半くらいで顔に傷がある男が立っていた

「わかりました、悪い仁也後で話は聞く」

「あぁ、分かった」



 「蓮也さんお久しぶりです」

「あぁ本当に久ぶりだな」

「本当はゆっくり話したいのですが今はそのような時間がありません」

「あぁ、お前が出てきたってことはそっちも色々と大変なんだろ」

「はい、なので用件だけ……」



 「蓮也! 何話してたの?」

「組合のことに関してちょっとな」

「そっか、それで武尊のことなんだけど……どうやら第三者の介入があったみたいなんだ」

「第三者?ってことは綾子は連れ去られていたのか?」

「そうみたいだね」

「立て続けにさらわれるか……」

「少し気を付けて生活した方がよさそうだね」

「そうだな」


 その時蓮也の横を軍に連れていかれる男が通った

「西条蓮也、これで終わると思うな、必ず後悔させてやる」

(あいつ誰だ……?)

「蓮也、あれ大丈夫?」

「まあ、大丈夫だと思うぞ?」

「ならいいんだけど」



武尊と綾子を送っていった成瀬を待っている間に軍の車は全て建物の前から消えていた

そして仁也、葛葉、真由美が帰る準備が整ったようだった

「じゃあ、私はこの後用事があるから先に帰るわね」

「あぁ、協力してくれてありがとう、またな」

「えぇ」

そう言って真由美は成瀬の車とは違う車に乗った

「お前は乗っていかないのか?」

「うん、真由美の車とは聞く方向が逆だし、ちょっとゆっくり歩きながら帰りたい

気分だからね、じゃあ葛葉行こうか」

「分かった、じゃあねヒナっち」

「ん、またね」

「ねえ仁也、今から家行っていい?」

「急だな、まあいいよ」

そんな会話をしながら帰っていく友人を見て平和だと思ったのは

今回の体験をしたからだろうか、それとも()に会ったからだろうか

「俺らも帰ろうか」

「……ん」

そう言ってヒナは手を差し出してきた

その日の夕焼けはやけに美しく赤く燃えるように見えた



 「ただいま~」

「ん、お帰りなさい」

「ただいまじゃないのか?」

「蓮也が会議から帰ってきたとき私いなかったから……」

「あぁそうだな、ただいまヒナ」

「ん、おかえり」





 こうして事は終わりを迎えた


 蓮也とヒナはリビングのソファーでゆっくりしていた

今日あったことが嘘のようなゆったりとした時間

横にいる彼女は少し眠たそうに目をこすっていた

「そろそろ寝るか?」

蓮也がそう聞いても「うーん」と力のない声が帰ってくるだけ

(運ぶか……)



 ヒナを抱え部屋に移動させようとする

心を無にして部屋に入りヒナをベットに寝かせる

そして静かに部屋から出ようとした時服を掴まれた

「…………ないで」

「ん? どうした」

「……行かないで」

ヒナは縋りつくように蓮也に抱き着いてきた

寝ぼけているのか分からなかったがとりあえず

ヒナの背中に手をまわし背中を撫でる

「あぁ、どこにも行かないよ」

「ん」

ヒナは満足そうな声で答えるとそのまま寝息を立て始めた

「……まいったなぁ」

蓮也は苦笑いしながらヒナと一緒に寝転がった。






翌日、組合の一斉検挙の準備が開始された。




これにてほぼ捜索編はおわりです

この後に捜索編のその後を一本から二本書いて次の章に入ります

その書き溜めもないので明日更新してしばらく更新は止まると思います。

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