捜索編13
今日は調子が良ければ夕方にも更新します
(早く……)
武尊は黒い影とともに木々を駆け抜けていた
「ぐぅぅぅ」
「見つけたか!?」
犬の形をした影が吠える
その瞬間武尊は今まで以上に速く走り始める
走り始めてから数分で武尊は目的地に着いた
(ここか…こんな所にこんな場所があったなんて、もっとしっかり四上家で管理しないとな)
武尊の目線の先には洞窟のようなものがあった
(さて……)
「……影犬解除、こい黒龍」
黒い犬が武尊の影に帰り、次は影から武尊と同じ大きさの龍が出てきた
(進むか…)
少し先に行ったところで道は閉ざされていた
(おかしいな、この先のはずなんだけどな)
武尊は道をふさいでいる岩に触れてみる
(これ、イカイ反応がある……作られたものってことか)
「ふぅ……黒龍砕け」
武尊がそう言うと黒い龍が岩に向かって突撃した
「ゲホゲホ、威力間違えたかな……綾子どこだ~」
武尊の視界の端には縛られている綾子と知らない男とフードを被った女らしき人物がいた
「これは交渉の余地なし!」
武尊は岩の山から素早く飛び降りると速攻で男との距離を詰めた
「行け黒龍! こい影龍!」
武尊は影を呼びながら自分の剣を呼び出す
「おっと危ない、処理を頼む」
男はフードの女に武尊の相手を任せるようだった
「ちっ舐めやがって!」
「武尊気を付けて! そいつ強い!」
綾子の叫び声を聞いて少し武尊が興奮状態から抜けたようだった
飛び出していった体を無理に後ろへ倒し、後ろへ飛んでフードの女と距離を取る
(俺としたことが……)
武尊は呼び出した剣『影龍』を低く構え直し落ち着きを取り戻す
「いやいや、まさか彼女の迎えが来るとは思いませんでした……ここは一旦彼女を連れて帰った方がよさそうだ」
男はそういうと綾子に近づき抱えるようにして武尊から逃げようとした
「待て! 綾子に触るな!」
武尊が男を追おうとすると女が間に割り込むように入ってくる
「ちっ、洞窟で俺に勝てると思うなよ!」
その瞬間武尊の近くの影から複数の影が実体化し男とフードの女へ襲い掛かる
「おやおや、これはこれは……」
「………」
男が綾子から影へ視線を変えたとき武尊は一気にスピードを上げ男との距離を詰め
フードの女が影の対処に追われている間に男の腕の中から綾子を自分の元に奪う
武尊は急いで男と距離をとる
「綾子無事!?」
武尊は綾子を抱えたまま顔を近づける
「……大丈夫よ」
綾子は少し動揺しながら答える
「よかった」
「……ねえ、そろそろ下ろしてくれない?」
「あぁごめん」
そう言って武尊は綾子を優しく地面に下ろす
「あの、武尊……」
綾子が何か言いかけたとき、武尊が勢いよくフードの女のいる方向を向いた
(なんだ、何で消えた?)
「いやはや、危うくやられるとこだったよ」
武尊が向いた方に影と戦っていたはずの男とフードの女がいた
「生きてるのかよ……」
「しぶといのが取り柄だからね」
「…………」
「さて、これ以上ここにとどまるのは得策じゃないね、彼女のことは惜しいが仕方ないそれじゃあ失礼するよ」
そういうと男はフードの女と一緒に逃げようとした
「待て!」
武尊は急いで影を呼び出す
そうすると地面から無数の渦が起き、中から今までより大きな龍が顔をだす
「八つ裂きにしてやる」
「それは困るねぇ」
男は呑気に龍に背を向けながら逃げ続ける
(この洞窟はそんなに広くないし幅もない、追いつけばごり押せる)
「追え、黒龍!」
呼び出された大きな龍は吠えながら男を追っていった
武尊は視覚共有した影の目で洞窟を進んでいた
直ぐ視界に男とフードの女が映る
(追いついた、覚悟しやがれ)
武尊は男に一気に影で攻撃を仕掛ける
男はその時初めて後ろを向いた
その瞬間、男の表情は笑っていた
「……は?」
影が男に襲い掛かった瞬間影との接続が切れた




